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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第四部、二章、妖狐の里編
204/344

一話、奪われるレイティス

???


「目覚めよ、プラスよ」


「・・・」


DIVAは危機感を感じていた、レイティスの名を持つアリシアが一時とは言え現れたのを。ならばと彼は早急に手を打つ為、アリシアのデータから作ったアリシアのクローン。プラスを目覚めさせた。


「・・・おはようございます、お父様」


「体に問題はないか?」


「はい、特に問題はありません」


「良し、目覚めたばかりの所悪いが、お前に仕事をやる、アリシア・リィターニアの元に向かい、アリシア・レイティスの精神を抜き出し吸収せよ、アリシア・レイティスの精神が持つ闇と雷のスタイル力を奪うのだ」


「はい」


DIVAから命を受けたプラスは頷くと服を見に纏い剣を腰に装着し転移して行った。


「ククク、アリシア・レイティス、お前の記憶と力は我が娘プラスの物だ、メアリ・アルビオンとお前を一緒にさせたりなどせん」


自身を脅かすかもしれない存在の芽は早めに潰しておくそれがDIVAの考えだ、全ては自身が創り上げた新たな世界を永続させる為に。





快調にシロに乗るアリシアとメアは空を飛んでいた。


「?」


メアが上空に違和感を感じる。アリシアもつられて空を見ると突然一人の少女が現れ、アリシアに向けて突っ込んで来た。


「なっ!?あんた何!?」


シロの上に降り立った少女、プラスはアリシアの首を掴むとアリシアを持ち上げ、シロから飛び降りた。


「アリシア!?、シロ!追ってください!」


「クー!」


メアはシロにプラスを追ってくれと頼む。メアの言葉に返事をしたシロは急降下しプラスを追う。


「ぐぅぅ!!、な、んな、のよ!あんた!」


首をぎゅううとプラスに締め付けられているアリシアは蹴りを首を掴む手を放ち離させようとするがプラスの力は強く離させる事が出来ない。


「お前の中のアリシア・レイティスを貰う」


「私の中の何って?」


「同じ事を二度言わせるな」


次にプラスは左手でアリシアの頭を掴むそしてアリシアからレイティスの名を持つアリシアを抜き取る作業を始めた。


「くぁぁぁぁ!?」


アリシアは何かを奪われる感覚に悲鳴をあげる。


「させません!」


シロと共に地面に降り立ったメアがプラスに斬りかかる。


「フッ遅かったわね?もう頂いたわ、そいつの中にいたアリシア・レイティスはね?、ふっふふふ、これは凄いわ!、これが闇と雷のスタイルの力なのね!」


レイティスの名を持つアリシアの精神をアリシアから抜き出し瞬時に吸収したプラスは闇と雷のスタイルの力を解放し高笑いをする。


「な、なんなの?この力・・・、強すぎる・・・」


「これがあなたの本来の力です・・・、私と同じスタイルの力ですよ、そしてあなたの中にいたもう一人のあなたの精神も奪われたようです・・・」


「私の本来の力・・・」


訳が分からないうちに闇と雷のスタイルの力ともう一人の自分が奪われたと聞いたアリシアは感じていた。肩に触れるメアの手が震えている事を。


「返して下さい!アリシアを!、私の親友を!」


つい先程レイティスの名を持つアリシアが戻るかもしれないと希望を感じたのにあっという間にその希望が打ち砕かれたメアは怒る。


「ふふっ、なら私から私の中にいるレイティスを奪ってみたらどーお?、あはっ出来るものならね?」


「取り戻してやりますとも!、絶対に!」


メアは剣を引き抜くとプラスに斬りかかる対するプラスは背中の剣を引き抜き斬りかかって来たメアの斬撃を受け止める。


「その剣はアリシアの!」


「ええ、お父様が回収していたみたい、ふふっ私の中にレイティスの精神があるんだし使っても良いわよね?ねぇ?メア?」


「あなたはアリシアじゃない!、あなたがその剣を使って良い筈がありません!」


プラスが使う剣はレイティスの名を持つアリシアが使っていたフォトンガンブレードだった。プラスはメアを振り払うとメアに向けて弾丸を放つ。


「くっ!?」


「させない!」


迫る弾丸に焦った顔をするメアそこにアリシアが差し向けた盾が現れメアを守る。


「メア、落ち着け、頭に血が上ってちゃ何も上手くいかないわよ?」


アリシアはメアに近付くと肩を叩き落ち着くように言った。


「・・・そうですね、こういう時こそ落ち着かないと・・・、ありがとうアリシア」


「ふふっ、友達を支えるのがあなたの友達である私の役目だからね!、当たり前の事をしたまでさ」


アリシアは感謝をして来たメアに笑顔を見せる。メアはその笑顔に微笑み返し深呼吸をして落ち着きを取り戻した。


「あいつに奪われたのは私だ、自分を奪われたのってさ?なんか凄く気に入らないから絶対取り戻すわよ!手伝いなさい!メア!」


「はい!」


「それじゃ行くよ!、メアリ・アルビオン!」


「ええ行きましょう!、アリシア・リィターニア!」


二人の少女は拳をあわせ合うと駆け出したそして薄ら笑いを見せるプラスに斬りかかる。


「ふふっ、この力試させさせて貰うわよ!ダークライジングブレイド!」


プラスは闇と雷の斬撃を発動させ迫るメアとアリシアに振るう。


「私が防ぐ!」


「私が攻撃をします!」


アリシアがその斬撃を止めメアが横から斬りかかる。


「ははっ!、レイティスには杖があるのを忘れてない?」


プラスは影を出現させ影の中に収納されていた杖を取り出すと左手に持ちそこからダークショットを放ちメアに直撃させ足を止めた。次にダークライジングブレイドを何とか止めていたアリシアを蹴り飛ばし追い払う。


「まだまだぁ!」


プラスに蹴り飛ばされダメージを負ったアリシアはそれでも怯まず剣を創造しプラスに差し向けながらプラスに斬りかかる。


「フン、ダークライジングブラスター!」


プラスは迫るアリシアにダークライジングブラスターを放つアリシアは慌てて避けようとするが間に合わない。


「クー!」


そこにシロが飛来しアリシアを咥えるとギリギリでブラスターを避けた。


「ふぅ・・・、ありがとうシロ」


「ククー!」


アリシアは助けてくれたシロに感謝する。シロは返事をしてから地面に降りた。


「チッ抜け殻の癖に運は良いようね」


「運の良さも私の取り柄だもの!」


舌打ちをするプラスにアリシアは巨大な剣を創造するとメアに渡す。


「メア!、やっちゃえ!」


「ええ!、大きい剣の!ゼロブレイカー!」


「ふふ!そんな物!私の力で!」


『プラスよ、目的は達成している、俺の元に戻れ』


プラスは振り下ろされる剣を闇と雷のスタイルの力で破壊しようとするが。その前にDIVAの声が天から聞こえて来た。その声を聞いたプラスはメアが振り下ろす巨大な剣による斬撃を横に飛び退いて避けた。


「・・・分かった」


プラスは名残惜しそうにアリシアとメアを見てから転移して行った。


「メア、今の声が・・・?」


「はいDIVAの声です」


「つまりさっきの子はDIVAの仲間ってわけだ、そんな子が私を奪い闇と雷のスタイルの力を手に入れちゃったんだね」


「DIVAの仲間があの力を持っているのはとても危険です」


「うん、もう一人の私共々、あの力も取り戻さなきゃ」


「はい!」


メアにDIVAを追う理由がもう一つ出来た。一つ目は彼を倒し世界を元に戻す事、二つ目は彼の元にいるプラスからレイティスの名を持つアリシアの精神を取り戻す事だ。そしてそれはアリシアも同様である。


「本当は今すぐにでも探したいけど闇雲に探してもダメ、取り敢えずは妖狐の里に行こう」


「情報がない状態で探しても無駄でしかないですしね、これは・・・仕方ないです」


仕方ないそう言いつつもメアの手は震えている。その手を見たアリシアはメアの手を取り優しく握る。




モルヒェン山脈


「止まれ」


シロに乗りモルヒェン山脈の麓に降り立つと兵が近付いて来て止まれと行って来た。


「アルトシャーニアの聖騎士だな?、許可者を持っているだろう?、見せてくれ」


「はい、どうぞ」


アリシアは兵に許可書を見せ渡す。


「確かに確認した、悪いなこっちも仕事なんだ、ちゃんと確認せねばならん」


許可書を受け取った兵はにこやかに笑いかけて来る。


「良いのですよ、理解出来ますから」


「すまない、君達の竜は君達が降りて来るまで私達が面倒を見よう」


「ありがとう、良い子にしてるのよ?シロ?」


「クー・・・」


置いて行かれると聞きシロは残念そうな声を出した。アリシアはそんなシロに優しく触れるとシロは顔をアリシアに擦り付けて来た。


「注意してくれよ?、この山に住まう魔物は皆強い力を持つからな、私達はここの警備をしなくてはいけないから君達について行けない」


「ふふっ、聖騎士を舐めないで欲しいわね、無事に里まで辿り着いてみせるわ」


「それは失礼した、君達の無事を祈っているよ」


「はい!」


兵と別れたアリシアとメアはモルヒェン山脈を登り始めた。

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