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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第四部、一章、アリシア・リィターニア
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十二話

アリシアの部屋


アリシアが聖騎士となりメアがその側付きとなった日の翌日、アリシアの部屋の隣にある側付き用の部屋から起き出して来た、騎士団の制服に身を包むメアはコンコンと部屋のドアをノックした、しかし返答はない。


「?、入りますよ、アリシア」


返答がない為メアはドアを開けて部屋の中に入る、するとベッドにアリシアはおらず、奥の竜着き場から何かを振る音が聞こえて来たので、メアはそこに向かう。


「ここにいたのですか、アリシア」


竜着き場に入るとアリシアがシロに見守られながら剣の素振りをしていた、メアは素振りをするアリシアに声をかける。


「おはよう、メア」


メアに声をかけられたアリシアは振り返り柔らかく微笑むと、朝の挨拶をした。


「おはようございます」


メアも挨拶を返す。


「剣の素振りですか?」


「うん、父さんも言ってたけど日々の努力は未来の私の為になるからね!、日々の努力は大切なのよ、だから私は朝早くに起きて剣の素振りを日課にしてるんだ」


「ふふっ、良い日課ですね、これからは私もご一緒して良いですか?」


「良いよ、一緒にやろう!」


「はい!」


アリシアに素振りを一緒にやる許可を貰ったメアは、腰に付けた剣を引き抜き素振りを始める、アリシアはメアの剣を見て注目する。


「ねっ!ねっ!、今変形しなかった?その剣!、そんなの初めて見たわ!」


「あぁ、この世界にはこういう剣はないのですか、この剣はガンブレードと呼ばれるタイプの剣です」


「ガンブレード?」


メアが言うガンブレードと言う見知らぬ言葉を聞き、アリシアは首を傾げた。


「見てて下さい」


説明するより見せた方が早いと判断したメアは、ガンブレードをソードモードからガンモードに変えるとトリガーを引いた、すると銃口から弾が発射される。


「おお!、魔法弾?が発射された!、詠唱もなしに!、凄いわね!」


(あ、あれ?、この反応、もしかして・・・)


「あの?アリシア?、銃って知ってます?」


「なにそれ?」


(やっぱり)


魔法弾、そして詠唱、それに加えてこの世界の強者達は片手剣を装備し能力を解放する事で戦うのを見ていたメアは、もしかしたらこの世界には銃は無く魔法や弓で遠距離戦をするのかもしれないと思ったので、アリシアに銃の説明をする事にした。


「うーむ簡単に言うと鉄の塊で出来た矢を撃ち出す機械でしょうか、私のは魔法で作った弾丸を撃ち出すタイプですが」


「へぇー!、つまり詠唱無しで魔法弾を撃てるって事!?凄いじゃない!」


アリシアが銃と同じ事をしようとすれば弓で矢を撃つか、詠唱(魔法の矢よ、風を切り、敵を撃ち抜け!『魔法の矢と言うワードの前に炎などの属性の言葉を付け加えるとその属性の魔法弾を撃てる』)をしなくてはならない、その為アリシアにとって銃は画期的な武器に見えた。


「でもこのガンブレードのガンモードから放てる魔法弾の威力には限りがあるんです、より高威力の攻撃をしようと思えば・・・、これも実際に見てもらいましょうか」


そう言って、メアはアリシアに触れるとヘイゲンブロックに転移する。


(え、詠唱無しで転移を・・・、しかも魔力を全然使ってない・・・、本当に凄い・・・)


アリシアは転移魔法を小魔力で使うメアにただただ驚く。


「それでは見てて下さいね、ゼロ!ブラスター!」


アリシアのビックリドッキリに気付いていないメアは、左手を突き出すと魔力を溜める、そして左手から金色の光線、ゼロブラスターを天に向けて放った。


「・・・」


アリシアはメアの左手から放たれた光線を見てあんぐりと口を開けている、この世界で同じ事をしようとすれば三十人ほどの魔法使いが必要になる為、一人でブラスターを放てるメアは正に驚異的な強さなのである。


「と、言うわけです、・・・、なんでそんな遠くにしかも木の陰に隠れているんですか?、アリシア」


ブラスターを放ち終わったメアが振り返りアリシアに話しかけようとしたが、アリシアは遠く離れた木の陰に隠れておりプルプルと震えている、不思議に思ったメアはアリシアに近付く。


「び、ビビってなんてないから!、大丈夫だから!」


「あー、怖かったんですねー、ごめんなさい」


「こ、怖くなんてないもん!、平気だもん!」


「はいはい」


どうやらアリシアはメアの技の威力にビビったらしい、そんな彼女を見たメアはアリシアを抱きしめる。


「安心して下さい、ブラスターはあなたの反応を見ても高威力すぎるようなので、余程の緊急時にならないと撃ちません、それに友達であるあなたに撃つわけがないじゃないですか」


「そ、そう?、信じるわよ?、撃たないでね!?絶対よ!?」


「はい撃ちません」


「なら良し!」


メアがブラスターを撃たないと聞き安心したアリシアはメアに飛び付き抱き着く、自分の胸部に感じるアリシアの大きな物の柔らかい感触にムカついたメアはニヤリと笑うと、ドカーンと地面に向けてブラスターを放った、その結果。


「いやぁぁぁぁ!」


ブラスターがトラウマになっているアリシアはメアからピューンと離れて行き逃げ出した、この後アリシアが落ち着くまでメアが彼女を追いかける事になったのは余談である。




王室


拗ねた顔のアリシアと疲れた表情のメアが王室に入って来た、この日も王から任務を受けるのだ。


「何故お前は拗ねていて、お前は疲れているのだ?」


王は二人の様子について質問する。


「「なんでもないです」」


二人は散々追いかけっこした後、仲直りをしており既にブラスター事件は終わった事である為、なんでもないと答えた、その割には顔に出ているのはご愛嬌。


「そ、そうか?、その割には顔に出ているが?」


王も顔に出ていると思ったようでこう言った。


「「大丈夫です」」


「・・・本当か?、まぁ良い、それでは今回の任務についてだが、これを見ろ」


王はアリシアとメアに一枚の紙を渡す、そこにはガージン街道に岩を落とす魔物がおり、その正体を突き止め仕留めよと言った物だった。


「また正体不明ですか、私ってなんだかこう言う任務に縁があるのかもしれませんね」


「大丈夫だ、お前の隣にいる奴程正体不明ではない」


「それもそうですねー」


「なんですか二人共?」


「なんでもない」


「ないわ」


「・・・」


明らかに自分をおちょくってる二人をメアはチラリと睨む、すると二人は少しニヤついた顔から真面目な顔に慌てて戻した。


「・・・、それでは頼んだぞ、聖騎士アリシアとその側付きメアリよ」


「「はっ!」」


アリシアとメアは一度アリシアの部屋に戻りシロに乗り込むと、ガージン街道に向かう。

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