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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第四部、一章、アリシア・リィターニア
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五話、聖騎士大会2

王都、アルトシャルセン、闘技場


いよいよ始まるアリシアにとって運命の大会、アリシアは心臓が激しく高鳴るのを感じながら、入場口から闘技場内部に入った、アリシアが最後の入場者で、アリシアが入るのと同時に王が席から立ち話を始めた。


「これより、このアルトシャーニア王国を守る聖騎士を任命する為の大会を行う、この大会の主催者である私から、十人の選手を紹介しよう、まずは一人目、我が王国の騎士団の一番隊の隊長アヌバスだ、彼は長年我が国を守り続けてくれた男でその経験の高さから一番の聖騎士候補と言える」


王から紹介されたアヌバスは周囲に向けてにこやかに手を振った、すると聖騎士大会を見にこの闘技場に訪れている国民達が歓声を上げた。


「二人目はライロス、彼も一番隊の隊員で一番隊のエースと呼ばれている実力者だ、彼も今大会の最有力候補だ」


ライロスは自信ありげに胸を張った。


「三人目はベルシ、ナイブル騎士学園の卒業生だ、現在は騎士見習いをやっている」


ベルシは控え目に手を上げ鳴り止まない歓声に応えた。


「四人目はザーブル、国境防衛隊の隊長だ」


国境防衛隊の大男ザーブルは豪快に手を振って見せた。


「五人目はナータ、イナミダ騎士学園の卒業生で騎士見習いだ、六人目クーツと七人目アダミダはバーズの港町を守る部隊から、八人目バラガン九人目アーナはゴルゴンはアムスの鉱山を守る部隊の隊長と副隊長だ」


王に紹介された彼等は同時に頭を下げ、歓声に応える。


「そして十人目は、オルゴン騎士学園のアリシア、名門のオルゴン騎士学園で最優秀成績を収めた優秀な生徒で、この大会に最年少で出場した、アヌバスやライロスに並ぶ、今大会の最有力候補だ」


王から紹介を受けたアリシアは父に教えられたこの国の騎士の作法、胸に手を当てて会釈をすると言う仕草をし声援に応えた。


「それでは、十人の聖騎士候補達よ、私はお前達全員に期待しているぞ、それでは大会を始めよう!」


(始まる・・・、始まるんだ!)


遂に大会が始まる、そう思って緊張してしまったアリシアは他の選手が既に武器を抜いているのに俯いたままだった。


「それでは始め!」


王の号令により聖騎士候補達が動き始めた。


「おいおい!最有力候補ちゃんよぉ!、油断してて良いのかい!?、行くぜ!ビリゲキソード!」


大会が始まっても俯いたままのアリシアを見てバラガンが自身の剣ビリゲキソードの能力を解放しながら斬りかかる、彼の剣の能力は強力な電撃を纏わせると言う物だ。


「はっ!?」


緊張し俯いていたアリシアはハッとし、バラガンの剣をギリギリで避ける、バラガンはアリシアがいた場所に剣を振り下ろし、地面が激しく焼け焦げた、その事から彼の剣が放つ電撃がかなり強力である事がアリシアには理解出来た。


「エリシャディア!、ごめん!行くよ!」


アリシアはエリシャディアを解放し、剣を創造すると左手に持ち二刀流となった。


「遅えなぁ!」


アリシアがエリシャディアの能力を解放している間に、バラガンはアリシアに迫っていた。


「おいおい大丈夫かよあいつ!」


「大丈夫さ、あたしのライバルならな!」


グレイはいきなり追い詰められているアリシアを見て心配をするが、アリシアと何回も戦ったからこそアリシアの実力をよく知っているシールスは大丈夫と言い切った。


「!」


アリシアはシールスの言葉に応えるかのように、バラガンが突き出した剣をしゃがんで避けると、二本の剣を同時に振り上げバラガンの左手から剣を弾き飛ばした。


「バラガン失格」


この大会では武器を手から弾き飛ばされたり破壊されたりすればその時点で失格となる、同時に他の選手を殺した場合も失格となる。


「くっ!」


(なんだよ!?今の反応速度!?)


一番隊の隊長アヌバスには劣るとは言え経験豊富なバラガンはアリシアの反応速度を見て驚愕し、彼女が最年少でこの大会に出場出来た理由を悟った。


「よくも!隊長を!」


自身の隊の隊長を打ち倒したアリシアにアーナは仇討ちをと背後から斬りかかる。


「・・・!」


その攻撃にも反応して見せたアリシアは自身の背後に盾を呼び出しアーナの剣、ドリルソードの一撃を食い止めた、その間にアーナの真横に回り込んだアリシアは、アーナの手を蹴り飛ばし、手から剣を弾き飛ばした。


「ふぅぅ・・・」


一瞬のうちに相当な実力者である鉱山防衛隊の二人を倒したアリシアは、落ち着きを取り戻した様子で息を吐いた。


「ほう・・・、中々にやるじゃないか」


「確かに、そんな事より隊長、一戦引き受けてくれませんか?」


「ほぉう?、良いだろうかかって来い、ライロス」


活躍を見せた最年少出場者に負けるわけにはいかないと、ライロスがアヌバスに戦いを挑む、アヌバスはその勝負を引き受け、二人は同時に自身の剣の能力を解放した。


「ヒートブースター!参る!」


「アクアシューター!、行くぜ!」


ヒートブースター、特徴は複数のバーニアが付いている事で、全てのバーニアを吹かし剣を振るった時のアヌバスの剣速を避けれた者は各地に散らばる騎士団の者達の中にはいないと言われている。


アクアシューターは剣のどこからでも強力な水の攻撃を放つ事が出来る剣で、ライロスは自身の剣の特性を活かして自分を水で覆い強力なシールドを作る事が出来る、ライロスの盾は並大抵の者では壊す事は出来ない。


「お前の盾、今回も壊してやろう!」


「ヘン!、全部防ぎきって今日こそ勝ってやるよ!」


「相変わらず生意気な奴だ!」


アヌバスはライロスに全ブースターを吹かした一撃を加える。


(くっ!、たった一撃でかなりの魔力を持って行かれた!、やっぱ隊長の攻撃は凄え!、でも負けねぇ!)


ライロスは内心ではアヌバスの攻撃の強力さに舌を巻きながら、それでも果敢にアヌバスに向かって行く。

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