六話
軍基地、ファントム訓練場
『それじゃ、アリシアちゃん、よろしく頼むわね』
「ふふん、任せなさいな」
ピッタリと体に張り付いたパイロットスーツを着てレギルスに乗り込んだアリシアは、アンナに元気良く返事を返した。
『最初はビームランチャーね、マニピュレーターで持った時点で同期が始まって、数秒後に撃てるようになる筈だから、取り敢えず持たせてみて?』
「りょうかーい」
アンナの指示を聞いたアリシアは機体をしゃがませビームランチャーを持たせた、すると前方のモニターに同期中との文字が表示される。
「同期が始まったわ」
『そう、良かったわ、レギルスはこれまでのファントムとは大分仕様が違うから、同期すら始まらないかもって不安だったのよ』
「そうね、第一にコクピットの仕様が全然違うもの、現行機である・・・」
『あーはいはい、今はお仕事をちゃんとやりましょうねー、後でたっぷりと語り合いましょうねー』
「何よぉー」
またまた長々と語り始めそうなアリシアをアンナは止める、しかし後で語り合いはするようだ、気持ちよく喋りまくろうとしたのに止められたアリシアは不満そうな顔を見せた。
「あっ、同期完了だって」
ピーンと軽めの音がコクピットの中に響く、これが武器の同期が完了した事を知らせる音のようだ。
『良し、目の前に的が見えるでしょう?、取り敢えず低出力にセットして、ロックオンをしてから撃ってみて』
「分かった」
手動でのビームの威力調節とロックオンはコクピットの左型に備え付けてあるパネルを操作して行う、夜の間にマニュアルを読み丸暗記しているアリシアは、軽快な手さばきでパネルを操作し、通常50%の出力で放たれるビームを5%に設定し、次に的をロックしてみせた、そして右操縦桿のトリガーを引く、するとビームランチャーから低出力ビームが発射された。
ビームランチャーから発射されたビームは的に命中する、しかし威力が低すぎる為か的の表面を焦がすだけに留まった。
『次は通常出力』
次は通常出力でビームを放つ、今度は表面を焦がすだけには収まらず、的の断面を大きく溶かした。
『高出力で!、限界まで上げちゃいなさい!、私が許可するわ!』
「え、ええ」
アリシアは言われた通り臨界点ギリギリの威力に設定しトリガーを引く、すると発射されたビームは的を跡形も無く消し去りそのまま前方の海の地平線にまで伸びて行った。
「な、なんて馬鹿威力・・・」
『驚いた?、これが最新鋭機レギルスのフル出力よ』
「うん・・・、驚いた、本当にすごい機体ね」
アリシアは驚きつつもウキウキとする、これほどの高性能な機体が近いうちに自分のものになるのだから、楽しみすぎてこれから届くまでの間寝不足になりそうだ。
『さて、次のテストを行うわよ』
「はーい」
「お疲れ」
武器のマッチングテストを終えたアリシアはコクピットから地面に降り立った、そしてアンナの元に近付く
「このくらい楽勝よ、次のテストは?」
「明日の昼からになるけど、模擬戦よ」
「明日かぁー、ならゆっくりしても良いわよね?、汗掻いちゃったしお風呂に入りたいわ」
「勿論、自由時間よ、あなたの仲間が街にいる筈だし、お風呂に入ってから合流して遊んで来ても良いわ」
「そうする、それじゃ、お風呂!お風呂!」
「ふふ、こっちよ」
アリシアはアンナに連れられて宿舎に戻る。
宿舎、女風呂
ぴっちりスーツを脱ぎ捨て裸になったアリシアはお湯に飛び込む。
「はぁー、温かい・・・」
広い浴槽に溜められたお湯は程よい温かさで心地良い、アリシアは満足気な顔を見せつつ、四肢をうーんと伸ばす。
「それにしてもあなた、腰細いわねぇ」
「ひゃっ!」
アリシアと一緒に風呂に入ったアンナがアリシアの腰に触れる、油断していたアリシアは可愛らしい声で悲鳴を上げた。
「胸はともかくとして、腕や脚も程よく筋肉が付きつつもスラリとしてて綺麗ね」
と言いつつアンナはアリシアの脚や腕を触る。
「ちょっ!、私は触って良いなんて言って・・・」
「あらいいじゃない、減るもんじゃないし」
そう言いつつアリシアの背後に回ったアンナはアリシアに抱き着き胸を押し付けつつ、アリシアの胸を揉み始めた。
「あっ、んっ・・・、やめ・・・」(背中にすっごく柔らかい感触が!!)
「うふふ、すっごく柔らかいわ、あなたの胸」
「んん!、もーうーいーやー!」
アンナに胸を揉まれ続けるアリシア、遂に我慢の限界が来て、浴槽から逃げ出し、風呂場の隅に行き猫のようにシャー!と威嚇する。
「こらこら子猫ちゃん、威嚇しないの、ほらこっちにおいで?、体を洗ってあげるわ・・・」
「お断りよ!」
「そう言わずにほら?ねっ?」
「だからお断りだって!、こ、こら!勝手に洗いはじめるなぁー!」
アンナと言う大人の女に押されっぱなしのアリシアは、この後結局アンナにそのうら若き体を隅々まで洗われた。




