十五話、メアを取り戻せ!
ギグルス跡地
メアを取り戻す為敵同士でありながら再び手を組んだ、アリシアと愛理達、メサイヤで空を行く彼等はギグルス跡地に巨大な建造物が出来ているのを見つけた、巨大な建造物はハッチを開けアリシア達を迎え入れる。
巨大な建造物の中に着陸したメサイヤから降り、アリシアは愛理達と共に巨大な建造物の中を進み始める、するとメアを見つけた。
「メア!」
アリシアはメアの名を呼ぶ、呼ばれたメアは振り返る。
「よく来たな、アリシア・レイティス」
「・・・、DIVA、あんたを呼んだんじゃない!、メア!聞いてるんでしょ!、あんた私を救うとか言っておいて何乗っ取られてんのよ!、それとも何!?、また私に嘘をつくの!?」
アリシアはメアを呼び戻そうと叫ぶ、それを聞いたDIVAは高笑いをする。
「残念ながらメアリ・アルビオンはもう存在しない、何故ならこの体を乗っ取った時に俺の一部としたからだ、つまりメアリと俺は最早同一人物なのだよ」
「ふん!、そんなの切り離しちゃえば良いんだよ!、ねっ!アリシア!」
「ええ!そうよ!師匠!」
「そうね!」
(・・・あっ、未来のって呼ばないから今のアリシアも反応しちゃった・・・)
軽くミスをした愛理が目を逸らしている中、二人のアリシアとエリシア、そして愛理の仲間達が武器を構える。
「ククク、今の俺は強いぞ?、お前達など」
DIVAはメアの体の右手を上げると魔力を放つ。
「フフ、一撃で倒せるほどにな?」
「!?」
アリシア達はDIVAの魔力を喰らい、彼が言った通り一撃で動けなくされた。
(次元が違う、メアの体を手に入れただけでこれほどの力になるなんて・・・、でも!この子の為にも諦めるものか!)
倒れた愛理の仲間達は立てない、しかしアリシアは龍脈の魔力を己の体に張り巡らせ無理矢理にダメージを回復させ立って見せた。
「諦めない心、それが大切、分かってるじゃないか、アリシア」
愛理もフラつきながら立ち上がり、アリシアの隣に立つ。
「龍脈の魔力で無理矢理に回復した私と違って、ボロボロじゃない、休んでたら?」
「大丈夫、あなたが出来た事を私に出来ない筈がない!、みんな魔力を貸して!」
「分かり・・ました!」
愛理の言葉にいの一番にラフォリアが応え魔力を送る、仲間達の魔力をその身に受けた愛理は、アリシアと同じく無理矢理にダメージを回復させた。
「さぁ行こうかアリシア」
「・・・流石と言うか何というか・・・、ええ!師匠!」
愛理はゼロフォーム、アリシアはスタイルバースト、能力を全開に開放した二人は駆け出し、DIVAに乗っ取られたメアとの戦いを始めた。
「ダークライジングソード!」
「ゼロソード!」
「ハハハッ!、ゼロソード!」
アリシアと愛理が同時に放った斬撃をDIVAは余裕で受け止めて見せた、そしてアリシアを殴って下がらせ、愛理は蹴り飛ばして下がらせる。
「ゼロブラスター!」
続けてDIVAはゼロブラスターを放った、アリシアと愛理は頷き合うと同時に放った斬撃で、ゼロブラスターを真上に向けて弾く。
「せぇやぁ!」
「セェイ!」
お返しにとアリシアがDIVAを蹴り飛ばし、愛理がDIVAを殴る、DIVAは転がっていき地面に倒れた、アリシアはすぐ様DIVAに覆い被さる。
「メア!!、戻って来い!メア!」
「あの女は俺と同化したと言っただろう!」
相変わらずメアの名を呼ぶアリシアをDIVAは自分の身の上から降ろさせ、顔を掴むと地面に叩きつける。
「いったいわねぇ!」
アリシアはDIVAの顔を殴った。
「それはこっちのセリフです!、・・・?、俺は何を言っている?」
するとDIVAはまるでメアのような反応をした。
「へぇ・・・?」
今の反応を見てアリシアはいつものような笑みを見せた。
「ペチャパイ!」
「なっ」
「料理下手!」
「くっ!」
「下着は子供みたい!」
「こ、この!」
一緒にメアと暮らしていたからこそアリシアだからこそ言える悪口をアリシアは言いまくる、するとDIVAはみるみるうちに顔を真っ赤にして行く。
「後、眠ってる時の寝言がお母さん、大好き、抱きし・・・」
「あああ!、それ以上言わないで下さい!」
「やっぱり、メア!、今よ!、DIVAを追い出しなさい!」
「はっ!、出ていけぇ!」
アリシアにDIVAを追い出せと言われたメアは全力で魔力を放ち追い出そうとする。
「させるかぁぁ!」
DIVAはメアを必死に抑え込もうとする。
「はっ!、アンタ、メアを全然取り込めてないじゃない!、何が俺がメアよ!この変態!」
アリシアはDIVAに集中をさせない為、DIVAを挑発する。
「こ、こんなはずでは・・・、取り込んだ筈のメアリ・アルビオンを呼び戻すとは!、一体何なのだお前は!」
「はっ?、私が何だって?、そんなの決まってる!、私は黒魔導士アリシア・レイティス!、その子の・・・」
ゴニョゴニョと俯きながら、小さく何かを言ったアリシア。
「はい!、私もそうです!」
その言葉を聞いていたメアは己のうちから魔力が溢れ出てくるのを感じ、一気に解放した、すると己の中から何かが出て行く感覚がし、体の主導権を取り戻す。
「えっへへ〜、アリシア〜」
DIVAを追い出したメアは嬉しそうにアリシアに抱き着く。
「鬱陶しい、くっ付くな、それにあれはあなたが体を取り戻させる為に一番効果がありそうな言葉を言っただけよ!、勘違いしないでよね!」
「またまたー」
「ウザっ!、ほんとウザっ!」
アリシアとメアがじゃれ合っていると愛理がポコンと二人の頭を叩く。
「コラ弟子ども、まだ終わってないぞ、DIVAを消せてない」
「そうね、あいつはどこに行った?」
「分かりません・・・」
アリシアとメアと愛理は周囲の魔力を探り、DIVAの行き先を探す、すると上空だった。
「まさか・・・、エクストールを!」
「そうだ!、そのまさかだ!」
愛理がDIVAがエクストールを奪ったのではないか?と言ったその時、上空から声がしエクストールがこの場に降り立った。
「師匠の機体を・・・」
「フン、アリシアとメアリ、お前達の体ほどではないが、この体素晴らしい物だ、だが俺ならもっと強化出来る!、ククク、アリシアお前の龍脈の力も借りるぞ!」
「なっ!?」
DIVAはそう言ってエクストールから力を発散させ龍脈の力も利用する、アリシアは慌てて龍脈を自身の支配下に戻そうとするが、龍脈は言うことを聞かなかった、そしてエクストールの外観が純白の騎士のような姿から、漆黒の悪魔のような姿に変化する、エクストールを変異させたDIVAはメアの体を使っていた時以上の力を発揮した。
「ありがとうアリシア、龍脈などと言う便利な物を用意してくれて、お礼にカラになってはいるがお前に龍脈を返してやろう、ククク!、龍脈の魔力が回復する頃にはこの世界は俺により変えられているがな!」
DIVAから龍脈を返されたアリシアは龍脈の魔力を確認するが、DIVAが言った通りカラになっていた、DIVAは龍脈の膨大な魔力を使う事でアリシアやメアの体を使った時以上の力を手に入れたのである。
「そんな事させません!」
メアはDIVAを止める為に駆け出した、アリシアと愛理も彼女を追う、しかし・・・。
「メアリ、さっきは油断をしたからアリシアにお前を奪われた、ならば俺はもう油断などせん!、書き換え開始!」
「「「させるかぁぁ!!」」」
三人は同時にブラスターを放つ、しかしDIVAが放つ世界改変の魔力は強力であり、三人のブラスターは成すすべも無く消滅した。
「さぁ!新たなる世界の始まりだ!」
DIVAによる世界の書き換えが始まった。




