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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第三部、四章、Mary
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十四話、世界の終わりの始まり

メイルス国首都


キースとイブリサ、二人の炎使いが風の魔法の使い手ヘルレサに立ち向かっていた。


「喰らえ!」


キースはヘルレサに向けて炎を差し向ける。


「ふふ!、返してあげますわ!!」


ヘルレサは風の魔法で炎を増幅させキースに向けて跳ね返す、キースに向けて高威力となった自分の炎が襲い掛かる。


「吸収!」


炎の吸収能力を持つイブリサは跳ね返された炎を取り込み、魔力に変えた。


「・・・」


キースはイブリサの行動を見て自分にも出来るかもしれないと考えた、そして・・・。


「ほらほら!どんどん行きますわよ!」


ヘルレサは次々と二人に向けて風の刃を飛ばす、自身の属性ではどうしようもない風の刃を二人は必死になって躱し、二人同時に炎を放つがまた増幅され返される。


「もう一度吸収!」


「いや待て!、俺がやる!」


イブリサが再び炎を吸収しようとしたが、今度はキースが炎を吸収し己の魔力に変えた、風の力で増幅された事による為か、キースはかなりの量の魔力を吸収出来た。


「まだ足りねぇか!」


何かを目論むキースはイブリサに合図をしてから炎を放つ、イブリサは彼に何か考えがあるのだろうと思い、頷くと炎を放ちキースは再び跳ね返された魔力量が増している炎を吸収する、すると・・・。


「来たぜ!、はぁぁぁぁ!」


キースの体から灼熱の炎が放出された、スタイルバーストが発動したのだ、キースは威力を増した炎をヘルレサに差し向ける。


「くうぅ!?、それでも!無駄ですわ!」


ヘルレサは冷や汗をかきながらも風の壁でキースの炎を防ぐ。


「どうです?、あなたの威力を増した炎でも私に通じなかった気持ちは!」


「へん、俺の炎は囮だぜ?、なぁイブリサ!」


「ええ!」


ヘルレサがキースの炎を防ぐ事に夢中になっている間に、ヘルレサの後ろに回し込んでいたイブリサはヘルレサに炎を当てた、二人は言葉を交わしていないにもかかわらず見事なコンビネーションで、ヘルレサの隙を作り見事炎を当ててみせたのである。


「くぁぁぁぁ!!、ま、まだ!」


炎の中でもがくヘルレサは風を発動させ炎から抜け出そうとするが、その前にキースが灼熱の炎をヘルレサに喰らわせ、ヘルレサは死体すら残さずに焼失した。


「ふぅ・・・、あなたがスタイルバーストを発動させてなかったら、負けてたわよこれ」


「あぁ、強かったよ」


ヘルレサになんとか勝利した二人は尻餅を着き暫く休む。



「くっ!、ホーリーレイ!」


逃げの手を打ちながら、ニアとアイリーンに光の攻撃を撃つアダズ、しかしその攻撃はアイリーンにより阻まれ、攻撃を行った隙に一気に迫って来るニアの攻撃をギリギリで避けると言う、アダズにとってのギリギリの戦いが続いている。


「ホーリータワー!」


「ふふ、ホーリーシールド」


アダズは敵の足元から光の柱が立ち上る技ホーリータワーを放ったが、アイリーンはアリシアによく似た邪悪な笑みを見せながら足元を含めシールドでその攻撃を防ぐ。


「ねぇ諦めたら?、あんたはどうやっても勝ち目ないって、だから私達に大人しく殺されなよ」


ニアはアダズに大人しく負けを認め、その命を差し出す事を進める。


「断る!」


ニアの提案を当たり前だが拒否したアダズは光の矢を放つ、ニアはそれを剣で弾き、アダズに一気に迫る。


「もういいわ、あんたを追いかけ回すのにも飽きたし」


冷たい声で追いかけ回すのに飽きたそう言ったニアはアダズの首を斬り飛ばし殺した。


「もっと楽しめるかと思ったのですがねぇ」


「フン、仕方ないわよ、私達に有利すぎるもの」




首都内部


「ダークライジングソード」


「ショックソード!」


闇と雷の斬撃と、衝撃波を放つ斬撃がぶつかり合う、グレイルの衝撃波を放つと言う能力は単純だが威力は高く、アリシアの体が仰け反った。


「隙が出来たぞ!」


「チッ!」


自身の戦闘能力に自信を持つアリシアは、自身を仰け反らせて見せたグレイルに対して舌打ちを打ちながら、足を振り上げ彼の動きを止めた、そして体を回転させながらの回し蹴りを放つが、グレイルは腕で止め追撃として衝撃波を放ち、アリシアを吹き飛ばす。


「やるわね、流石セブンジェネラルズ最強の男」


「敵の総大将に評価して貰えるとは、光栄だよ」


グレイルは建物に激突したアリシアに剣を振り上げ迫る、自身の剣を彼の剣に当たるのも、足や拳の攻撃を当てるのもマズイ、そう学習しているアリシアは左に大きく飛んで避け、グレイルの後ろに回る。


「フン!」


グレイルの後ろに回り込んだアリシアは斬りかかるが、グレイルは背中から衝撃波を放ち、アリシアの攻撃を防いだ。


「君の攻撃は俺には届かんぞ」


「そうね、簡単には届かないみたい、なら工夫をすれば良い!」


アリシアは駆け出しグレイルに迫る、グレイルは迫るアリシアに衝撃波を放つが、アリシアは吹き飛ばされなかった、吹き飛ばされなかった事を不思議に思ったグレイルはアリシアの足元を見る、するとアリシアのヒールから闇の魔力で作った棘が飛び出しており、地面とアリシアを強固に固定していた、これによりアリシアは吹き飛ばされずにグレイルの衝撃波に耐え切って見せたのだ。


「器用な物だ!、しかしもう一度受ければどうだ!?」


「その前に斬る!」


グレイルは再びアリシアに衝撃波を飛ばそうとする、その前にアリシアはグレイルに迫り、下から振り上げた斬撃により彼の体を大きく斬り裂いた。


「まだぁ!」


粘るグレイルは連続で衝撃波を放つ、アリシアは棘が生えたヒールで衝撃波に何度も耐え、もう一度彼に迫った。


「終わりよ!」


アリシアの剣がグレイルの胸に突き刺さる、心臓を串刺しにされたセブンジェネラルズのリーダーは血を吐き出し、倒れ伏した。


「厄介な能力だったわ、さぁ?、闇の魔物達?、メイルスの愚か者達を食い尽くしなさい?」


グレイルを殺したアリシアは怪しく微笑みながら、首都内部で闇の魔物を呼び出し襲わせる、次々とメイルスの兵士や国民が殺されて行く様子を見てニヤリと微笑んだ少女は国会議事堂に向かった。




国家議事堂


「あら?、お姉ちゃん」


「来たかアリシア」


国会議事堂に入ると、エリシアが待っていたその姿を見たアリシアは姉に近付く。


「確認したがジューベルと大統領はここから逃げ出している」


アリシアより先にこの国会議事堂に入ったエリシアは司令部を襲い、ジューベルとメルオルを探したが居なかった、その為二人が逃げ出したと判断した。


「どこに?、地下だ、これを見ろ」


「ふぅん、脱出用の地下通路ねぇ、はっ、どうせ私達が来ると思って罠を仕掛けてるわ」


「どうする?」


「影を使うわ」


「分かった」


姉妹は頷き合うと地下に向かう、そこには大勢のバトルシア人達が居た。


「ごめんなさいね、構ってる暇はないの」


地下通路前にいるバトルシア人達をアリシアは影の中に取り込ませる、影の出口はメイルス首都の上空、大勢のバトルシア人達は成すすべもなく転落死をした。


「これで邪魔者は消えた、行くわよ、お姉ちゃん」


「あぁ、父さんと母さんの仇を取りに行こう」


「うん」


姉妹は駆け出し、地下通路を逃げるジューベルとメルオルを追う。



地下通路出口


「こ、ここまで来れば・・・」


「あぁ逃げ出せたも・・・」


「同然だって?、そんなわけないでしょ?、ジューベル、とオマケさん?」


「誰がオマケだ!ガッ!?」


メルオルをオマケと呼んだアリシア、メルオルは反論しようとするが、エリシアが全ての言葉を言い終わる前に首を刎ね仕留める。


「くっ、くそぉ!」


ジューベルは惨めにも背を向け逃げ出すが、アリシアがそれを許す訳がない、杖を持つアリシアはダークショットを放ち彼の足を撃ち抜く、両足を撃ち抜かれたジューベルは地面を転がった。


「あはは!、無様に転がってさぁ!、笑えるよ!」


「ふふ!そうだな!」


姉妹は怯えた様子で姉妹を見るジューベルに近付く。


「こ、殺さないでくれ・・・」


ジューベルは姉妹に命乞いをする、それを聞いた姉妹はゾッとするほどに冷たい目を彼に向けた。


「私達がお前の命乞いを聞くと思う?」


「そんな訳がないだろ、このクズが!」


姉妹はジューベルの顔を何度も何度も殴る。


「や、やめて・・・」


「くっ!、まだ命乞いを!、もういいわ!、死ねぇぇ!」


ジューベルの命乞いの言葉を聞き激昂したアリシアは闇の力でジューベルに当て跡形も無く消し去った。


「やったな、アリシア」


エリシアは親の仇を殺した妹の肩を叩き、嬉しそうに微笑む。


「うん・・・、お父さんとお母さん、喜んでくれるかな?」


アリシアは姉に笑い返し抱き着いた、エリシアは抱き着いてきた妹を優しく抱きしめる。


「喜んでくれるさ、きっとな」


「・・・」


親の仇を取った二人に訪れたのは達成感ではなく、どこか虚しい感情であった、そして姉妹は強く抱き合い泣き始めた。




ギグルス国エンジェルズ本部


「メアさん」


「どうかしましたか?」


アリシアとエリシアが親の仇を取った頃、ウォーリーがメアに近付いてきた。


「少し話をと思いました」


「何の話です?」


「DIVAについてです」


「?、僕達が壊したアレがどうかしましたか?」


「そうですね、僕達はアレを壊した、でもそれで終わりではなかったのです」


「どういう?」


メアがウォーリーの言葉に首を傾げた時、未来のアリシアが部屋に飛び込んで来た。


「メア!、そいつから離れなさい!」


「アリシア!?」


「フン、遅かったな」


ウォーリーはメアの腕を掴むとメアにキスをする、メアは目を見開き彼から離れようとするが、彼から流れ込んでくる異質な何かのせいで動けなくなった、そして頭の中に声が聞こえてくる。


(メアリ・アルビオン!、貴様の体はこの俺、DIVAの物だ!)


(DIVA!?、壊した筈なのに・・・!)


メアにキスをしたウォーリーは倒れた、未来のアリシアは剣を構えた。


「く、ククククク!、手に入れた手に入れたぞ!、最高の体を!、ハァァ!」


「くっ!?」


メアの体を手に入れたDIVAは不気味に笑うとその魔力を放出した、DIVAに斬りかかった未来のアリシアは吹き飛ばされ壁に激突する。


「ふふふ、ハハハハハ!、さぁ!、世界を変える準備を始めよう!」


(ここにいればやられる!、くそっ!)


恐ろしいほどまでの魔力を放つDIVAを見て、アリシアはウォーリーを抱えると他の仲間の元に転移する。


「アリシア!?、どうしたの?」


「DIVAが生きていたの!、そして奴は今から何かするつもりよ!、とにかく逃げるからみんな私に手を!」


「メアが!?、そんな!」


メアの体がDIVAに奪われた、その事に愛理は驚愕しつつも、未来のアリシアの体に触れる、未来のアリシアは仲間の手が自分の体に触れた事を確認してからとある場所に向けて転移をした、その直後、ギグルスはDIVAが放つ強力な魔力により跡形も無く消し飛んだ。




メイルス国


「何!?、この魔力は!?」


姉と抱き合い泣いていたアリシアは突然感じた魔力に驚き、姉から離れる、そこに未来の自分とその仲間たちがやって来る。


「DIVAよ、奴は生きていたの、そしてメアの体を乗っ取った」


「メアの体が?」


「そう、奴は世界を変えるつもりよ」


「世界を変える・・・」


世界を変える、そう聞いたアリシアは自身の腹に触れた。


「もし世界が変えられたらこの子はどうなるの?」


「さぁね、消えてしまうかもね?、私達も含めてね?」


「・・・」


これから産まれて来る子はアリシアにとって最高の宝になる筈だ、それが産まれる事すら出来ずに消えてしまうかもしれない、そう考えたアリシアは未来のアリシアに縋り付く。


「そんなの嫌よ!、私この子を産みたい!」


「ならメアの体を取り戻し、DIVAを消さないとね?」


「DIVAを・・・、分かったわ、メアを救う事になるのは癪だけど、この子を失わない為よ、メアを救いに行く、どこに行けばいい?」


「消滅したギグルスの跡地だね、あそこから何か強い魔力を感じる」


「分かったわ、行こう」


メアはアリシアを救おうとしていた、そんな彼女に代わり今度はアリシアがメアを救う為に動き始めた。


世界の命運はアリシア達の手に委ねられた。

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