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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第一部二章、ギグルス国横断鉄道編
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五話

ギグルス国首都、アーシア、ファントム格納庫


軍のファントムが見たい!とアンナにおねだりしたアリシアは、良いわよと引き受けたアンナに連れられて軍基地の格納庫に来た。


「ねぇねぇ!アンナさん!、ここって天国なの!?、天国なのね!?」


アリシアの憧れである、ファントムがズラリと立ち並ぶこの格納庫はアリシアにとって正に天国である、興奮するアリシアはアンナの腕に抱き着きながらピョンピョンと飛ぶ。


(ふふ、こういう所はまだまだ子供ね、胸はもう十分に大人だけども)


アンナはアリシアの子供っぽい仕草を見てクスリと笑う、そして一体のファントムに近付く。


「さて、アリシアちゃん、問題です、このファントムの形式番号は?」


「簡単すぎる問題ね?このアリシア様を舐めないでくれる?FNL-09ミウラね。現行機の中では一番最新型で、まだまだ高価だからあんまり多くは配備されていないの。そしてこの機体でも帝国のファントムを三対一までなら圧倒出来るわ。特徴は背部のマウントラッチ。これにより様々な用途に対応出来る便利な機体ね」


「はい、よく出来ました、解説も大正解です」


「ふっふっふ」


アリシアを褒めたアンナは次のファントムの前に立つ、そして指をさした。


「次の問題よ、この子は?」


「FNL-08ジームね、ギグルス国の軍や色んな組織に普及しているうちの国の一般的な機体よ、特徴は特になくてとにかく操縦のしやすい機体なの、基本的な武器はビームスプレーガンにビームサーベルが一本、それとシールドで、カラーは赤と白と黄色、個人的には可愛いと思うわ、私はこれを買うつもりなの」


「買う時は私に言いなさい、レギルスを守り切ってくれたし、テストパイロットを引き受けてくれるあなたには恩があるの、特別に安く回してあげるわ、なんならミウラもお安くしてあげる」


「ミウラを安く!?、幾ら!?」


「そうねぇ五十万ゴールドかしら」


「!!」


ミウラを五十万ゴールドで売ってくれると聞きアリシアは驚く、ミウラを町にあるファントムのショップで買うと二百万ゴールド程する、つまり五十万ゴールドとは普通の店なら大赤字の超お値打ち価格なのだ。


「それにあなたがもう少しだけファントムを買うのを待てると言うのなら、レギルスの量産品を百万ゴールドで回してあげる、ちなみにレギルスの量産品は普通に買えば、五百万ゴールド程になるわ」


「予約します、判子っているのかしら?」


「決断が早いわね・・・、お金は?あるの?」


「に、二十万ゴールド程なら、が、頑張って稼ぐわ・・・」


「・・・、ローン組む?」


「ええっとその・・・はい、お願いします・・・」


「ふふ、なら決定ね。頭金は無しで月々の支払いは五万ゴールドでいいわよ」


「アンナさん大好き!」


あれよこれよと話が進み、アリシアは最新鋭機であるレギルスの量産品をローンを組み買う事となった、しかも頭金は無しで月々五万ゴールド、他のファントム乗りが聞いたら卒倒しそうなくらいに安い。


「後で手続きをしておくから、あなたの口座番号を教えてくれる?、あなたの元に量産品が届いた日の翌月から引き落とされるようにしておくから」


「あら判子はいらないのね、私の口座番号は・・・」


アリシアはアリアに口座番号を教えた。



翌朝、軍宿舎


あの後、ミウラやジームに乗せてもらいたっぷりと楽しんだアリシアは、アリアが貸し与えて貰い泊まった軍基地の宿舎の一室で目を覚ました。


「ふぁ・・・、よく寝た、それにしても昨日は楽しかったなぁ、アンナさんに色々とわがままを聞いてもらった分、今日からのテストパイロットとしての仕事、頑張ろう」


頑張るぞーと天に向けてガッツポーズしたアリシアはクローゼットに向かう、そこには軍の制服が入っていた、昨日アリアと軍基地を歩いていると警備をしていた兵士に、制服を着た者以外が歩いていると不審者と間違われるかもしれないぞと警告されたので、アリアのお古を渡されたのだ、アリシアはこの制服に袖を通し外に出てアリアの部屋に向かう。


「アリアさーん、来たわよー」


アリシアはアリアの部屋のドアをノックする、すると中から入りなさいと声がしたので、アリシアは中に入る。


「は、裸なんだ」


「あらダメ?」


「個人の勝手だと思います、はい」


「ならよろしい」


アリアは裸のままキッチンに向かうと両手にコーヒーを持ち戻って来た、そしてアリシアに片方を渡す。


「今日のテストは現行機に採用されてる武器とレギルスのマッチングテストよ、よろしく頼むわね?」


「了解」


「これを飲んだら行きましょうか」


「裸で!?」


「何を言ってるの、服を着るに決まってるじゃない」


「そ、そうよね」


のんびりとコーヒーを飲み朝食のパンも食べた後、服を着たアンナと共にアリシアは部屋を出た。




格納庫、更衣室


「あのーアンナさん、もっと胸周りのサイズに余裕があるスーツってないのかしら・・・、キツイのだけれど・・・」


アンナにパイロットスーツを着るように言われたアリシアは取り敢えず渡されたスーツを着たのだが、胸元がパッツンパッツンであり、かなり苦しい、しかもパッツンパッツンなせいで胸の形がはっきりと出てしまっているため、かなり恥ずかしい。


「ごめんなさいそれしかないわ、と言うか限界サイズなのよそれ」


「ええー・・・」


「恨むなら豊かに成長しすぎた自分の胸を恨みなさい」


「自分の体を恨むって何よ・・・」


これ以上のサイズがないのなら仕方がない、アリシアはこのパッツンパッツンなパイロットスーツで我慢する事にし更衣室の外に出る、そして格納庫に向かって歩いていると、すれ違う基地内を歩く兵士達がアリシアの胸元を見て鼻を伸ばしている。


(は、恥ずかしい・・・)


「ねぇアリシア?先輩女性?として一つだけ言っておくと、男に見られるのってあなたに見られるだけの魅力があるって事だから、女としてとても誇らしい事なのよ?」


「でもぉ、こんなにジロジロ見られるのは恥ずかしいわ」


「そんなに立派なものを見せない方が恥ずかしいわ、堂々としなさい、堂々と」


「うう・・・、はい・・・」


アンナに堂々としろと言われたアリシアは恥ずかしがらずにすれ違う兵士達を気にせず堂々と歩く、すると更に兵士達がジロジロと見てくるがアリシアは気にしない、もう気にしても仕方ないからである。


そうしている間に格納庫に着いたので二人は格納庫に入りレギルスの元に向かった。

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