八話、フロスヒィー海岸の戦い2、エリシアVSダリア
フロスヒィー海岸
エリシアのアテナとダリアのザルムによる戦いの火蓋が切られた。
エリシアはフライトユニットと脚部のスラスターを使い一気に後ろに後退させながらレールガンを放った、対するダリアはビームシールドを使いレールガンの弾を消滅させた。
「ハァァ!」
ビームシールドはそれ自体が武器となる、その為ダリアはビームシールドを展開させたままアテナに迫る。
「チッ」
舌打ちをしたエリシアは、各武装から弾を放ちビームシールドを破壊しようとするが、ザルムのビームシールドは強力だ破壊出来ない。
「このっ!」
ビームシールドを破壊出来ずザルムに至近距離にまで迫られたエリシアは、ビームブレイドをビームシールドに叩き付けようやくザルムを止めた。
「どう?、これがザルムの防御力、ギグルスのギルスとか言う機体をベースに作られた、あなたの機体にはないものでしょう?」
「フン、確かに、その防御力は厄介だ、しかし、お前の機体にこのスピードはあるか?」
エリシアは機体のパワーでザルムを振り払い、フットペダルを限界にまで踏み込むと、ザルムの背後に回り込んだ、そしてザルムを蹴り飛ばした。
「ッ!、確かに私の機体にはそのスピードはないわね!」
背後から蹴り飛ばされ空中でバランスを崩すザルム、ダリアはバランスを崩れた事を逆に利用しその場で一回転すると、機体をアテナの方に向けた、そしてビームキャノンを放った。
「フン!、そんな遅い攻撃で!」
エリシアは前進しつつその攻撃を避けた、避けられる事を予想していたダリアはアテナをギリギリまで引きつけてからビームの照射を止め、ビームアックスを振るう。
「くそっ!」
ダリアとしては胴体を捉え、機体を真っ二つに斬り飛ばすつもりだったが、エリシアは攻撃を受け止めてみせた、それどころか左腕を同時に斬り飛ばした。
(使うしかないか・・・、三つ目の特殊兵装を!)
機体の四肢一部を失った時点で出し惜しみなどしておける状況ではない、ダリアは三つ目の特殊兵装を起動させる。
「バーストシステム起動!、喰らいなさい!、エリシアレイティス!」
バーストシステムは機体の全エネルギーを武装に集中させるシステムだ、ダリアはビームキャノンにエネルギーを集中させ、ビームを放った。
「くっ!」
ビームを避けるにはザルムとの距離が近すぎる、エリシアは両腕部のビームシールドを発生させ、ビームを止めた、しかし強力すぎるビームをアテナは受け止めきれず、エリシアはアテナと共に海の中に墜落した。
「やった、やったわ!、二人いるレイティスのうち一人を殺した!」
エリシアを殺せたそう思うダリアは嬉しそうに笑う。
「後はもう一人のレイティス、アリシアレイティスを殺せば、レイティスの名を継ぐ者を殲滅出来る!、ふふふ!、やってやるやってやるわよ!」
ダリアはアリシアを殺す為、森の中に向かおうとする、その時だった。
「っ!?」
海の中からレールガンの弾が撃ち出された、ダリアはギリギリレールガンの弾を避け、そして海を見る、すると右脚と左腕を失ったエリシアのアテナが海の中から這い出て来ているところであった。
「アリシアを殺すだと?、私の経った一人の家族を殺すだと?、よくもそんな事を言えたな、許さん!絶対に許さんぞ!」
アリシアを殺すと言うダリアの言葉を聞いていたエリシアは、怒り狂った様子でアテナを加速させ、ザルムに猛攻を浴びせて行く。
「くっ!、くうぅ!」
ダリアはなんとかエリシアの猛攻について行くが、追い切れず機体の各部に傷がついて行く、そして僅か三十秒と言う時間で、ダリアのザルムは四肢を奪われ、胴体だけとなってしまっていた。
「こ、このまま負けるかぁ!」
簡単に死ぬつもりのないダリアは自爆装置を起動させフットペダルを踏み込み、機体をアテナの方に向かわせる。
「勝手に死んでろ」
エリシアはザルムを避け、蹴り飛ばし数分前に自分が落とされた海にダリアを突き落とした。
「くっそぉぉ!」
レイティスの一人を殺せたそう思っていたダリアは、そのレイティスに殺される絶望感を感じながら、機体の爆発に巻き込まれて消えて行った。
「アリシア、ダリア将軍を討った、しかし機体をかなりやられてしまったから一時帰投する」
『分かったわ、代わりの機体として私のゼウスを使って』
「すまない」
エリシアは自身のアテナを戻し、ゼウスで再出撃をする為、一度飛空艇にへと戻って行った。




