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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第三部、二章、DIVAを求めて
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六話、アリシアはもう止まらない

今回からはアリシアが主人公に戻ります、メアも引き続き主人公です。

スペースコロニー


アリシアが放ったブラスターが発生させた闇の魔力の霧が晴れる、精神世界から戻りボーとした様子から正気に戻った愛理は背後を見て、メアが無事なのを見てホッと安心する。


対するアリシアは俯き自身の胸に手を触れている。


「メア、あなた、私の中に入っていたわね?」


「・・・、はい」


俯きながらメアに質問しメアが自分の中に入っていたと言ったのを聞き顔を上げたアリシアの表情は、怒りに満ちていた。


「お前如きが、私の中に入ったですって!?、私を裏切ったお前がぁぁぁぁ!」


メアと愛理がアリシアの精神世界に入る前よりも、更に激しい怒りを見せたアリシアは、限界以上の力を見せ、メアに斬りかかって行く。


「くっ!?」


メアはアリシアの攻撃をギリギリで避けるが、すぐに蹴りが飛んで来て地面を転がる事になった。


「お前が!、私を傷付けたお前如きがあれを見た!、何もない私の心の中を!、誰にも見られたくなかったあの世界を!、許さないわ!絶対にぃぃ!、死ね!、死ねぇぇぇ!」


地面に倒れたメアに覆い被さり、アリシアは何度も何度もメアの顔を殴り、殴り殺そうとする、それを見た愛理達はメアを助けようとするが、アリシアは近づけさせまいと、体から強力な魔力を周囲に放ち、愛理達は近付けない。


「うっ!くっ!、あぁぁ!」


このままではアリシアに殺されると焦ったメアは、アリシアが拳を振り上げたのを見計らい、頭を前に突き出し頭突きを放った、メアが放った頭突きはアリシアの顔に命中し、アリシアはメアの上から振り落とされた。


「チッ!」


メアの上から振り落とされたアリシアは周囲を見渡し剣を探し飛び付いて拾う、メアも殺されない為に剣を握って立ち上がり剣を構えた。


「ダークライジングソードぉぉ!」


走ってメアに迫ったアリシアは、闇の斬撃を振り上げる、メアはゼロの魔力の斬撃で迎え撃ち、ぶつかり合った二人の斬撃は激しい衝撃波を発生させる、衝撃波により体が仰け反ったアリシアはそのままの格好で左腕からブラスターを放つ、しかし杖なしで放った砲撃は威力が弱く、メアを守るように立った愛理に弾かれた。


「やめなさい!!、この子を殺したらあなたは本当に戻れなくなるよ!」


「戻るつもりなんてないわよ!」


精神世界の中で心を癒して貰った愛理ですら今のアリシアには憎き敵にしか見えていない、メア達の元に戻る気は無いと叫んだアリシアは、愛理に斬りかかる。


「ッ!、メア!、アリシアは私が相手をする!、あなたは今のうちにラファリア達と共に逃げなさい!、今のアリシアはあなたがいる限り止まれない!、だから早く!」


アリシアの剣を受け止めた愛理はメアに逃げろと言った。


「でも!」


「アリシアに殺されたいの!?、早く行け!」


「くっ・・・!、はい・・・」


メアは師の言葉に従いラフォリア達と合流し、逃げようとする、しかし今のアリシアが許す訳がない。


「行かせるわけないでしょうが!」


麗蘭の魔法の影響で転移が出来ないのならば雷を身に纏わせて跳べば良い、愛理の目の前から飛んで消えたアリシアはメアの背後に現れると、メアの背中を刺し貫いた。


「あっ・・・」


「さようならよ、メアリ・アルビオン!」


アリシアは刺した剣を横に振るい、メアの胴体を斬り飛ばそうとしたが、愛理がどうにかアリシアに追い付き、アリシアを蹴り飛ばすと倒れ行くメアを抱き止める。


「麗ちゃん!!魔法を解いて!、セラピーを一緒に行かせるから、あっちで治療を!」


「ええ!」


メアを殺す為すぐに立ち上がり迫るアリシアを、魔法弾で牽制しつつセラピーを召喚する、その間にラフォリアが愛理と目を合わせながらメアを抱え、セラピーと仲間達と共に転移して行った。


「あいつらはどこに行った!、どこに行ったのよ!師匠!」


「ラフォリアと私は親友でさ、目を合わせたら大体互いが何を考えてるのか分かるんだ、だからラフォリア達はあなたじゃ転移出来ない先に転移したって事」


「よくも・・・、よくも邪魔をしてくれたわねぇぇぇ!!」


まだ怒りの収まらないアリシアは連続して愛理に斬撃を叩き込む、その一撃はゼロフォームに変身している愛理ですら、徐々に後退させる程に強力だ。


「私と違ってメアは何度も助けられる!、何でよ!何でなの!、私には助けなんて一度も来なかったのに!」


「それはあなたが誰も信じようとしてなくて、メアは自分を殺したいと思ってるあなたすら信じているからだよ・・・、あの子は今も信じてるあなたが本当のあなた、誰よりも優しかったあなたに戻れるって」


「私が優しい?、そんなわけないでしょ!、幼い頃から周りの両親に囲まれた子供を私は憎んで殺したいと思っていたのよ!?、そんな私が優しいわけ!」


「そっか、ならあなたはその憎んだ人達に手を出したの?」


「・・・出していないわ、でもこれから殺すの、あはっ!、帝国軍と共にギグルスに攻め込んでねぇ?、DIVAを壊されて、お父さんとお母さんがもう生き返らないって分かったからかしらね?、私もう歯止めが効かなくなっちゃったみたい、戦争を始める前に私の帝国の属国にならなかった国は支配し奴隷にする程度に収めてやろうと思ってたけど、やめた、滅ぼして跡形もなくしてやる」


属国にならなかった国を滅ぼすそう言ったアリシアは、愛理の顔を見てニヤリと微笑んで見せた。


「させないよ、絶対に」


「言ってやる!!、お前達に私を止める事なんて出来ない!」


アリシアは愛理を振り払うと拘束されていたアイリーンとニアを解放し、アリシアの様子を伺っていたエリシアとキースと合流し、共に転移して行った、この場に残された愛理はこのコロニーの管理パネルに近付くと、このコロニーを自爆させDIVAが作っていた兵器共々、コロニーを完全に葬り去った。




『ユ・ルサン・・・、ユ・・・ルサ・・・ンゾ・・・・・アリシ・・・・ア・・・レ・イ・・ティス・・・』




アトリーヌ帝国、アルムスとアリシアの部屋


無言の側近達と共に帝国に戻ったアリシアはアルムスの部屋に入った、そして夫の姿を見ると、涙を流し始め、抱き着く。


「ダメだったのか?」


アルムスは抱きしめながらアリシアに質問する、アリシアは泣きながらアルムスの腕の中で頷いた、少女の願いを知っていたアルムスは少女の心を癒す為、強く抱きしめる。


「私、言ったわよね?アルムス、子供が欲しいって、家族が欲しいって」


「あぁ言った」


「なら・・・」


アリシアはアルムスから離れるとドレスを脱ぎ裸になる。


「私を抱いて」


「分かった、来い」


「ええ・・・」


アルムスは裸となった、今にも壊れてしまいそうな少女の手を握ると共に寝室にへと入って行く、家族を求める少女の願いに応える為に。

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