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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第三部、二章、DIVAを求めて
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五話

スペースコロニー


メアは剣を構え冷たい目で自分を見てくる少女、アリシアを見つめ返す。


(あなたを救いそしてあなたの復讐を止める為には、あなたを一度倒さなければならない、分かり切っている事です、だから!)


「私はあなたを倒します!」


叫んだメアはアリシアに向けて斬りかかった、アリシアはメアの斬撃を受け止める、かつて友達であった二人の少女は至近距離で見つめ合う。


「あなたが私を倒す?、はっ絶対に無理ね、あなたみたいな真の孤独を知らない恵まれた奴にはね!」


「ッ!」


メアの言葉を聞き薄笑いを見せたアリシアは、メアの剣を振り払い、メアを蹴り飛ばした、蹴られたメアは一瞬体が浮いたがすぐに靴を地面に着け、地面を滑りながらも勢いを殺し前を見る、すると剣を振り被ったアリシアがメアの至近距離にまで迫っていた。


「させませんよ」


斬られる!、そう判断したメアの目の前にラフォリアが入り込み、槍でアリシアの剣を止める。


「あら?、世界を救った英雄様の一人じゃない、あなたと殺し合えるなんて光栄だわ」


「・・・、私は英雄だなんて大それた存在ではないですよ、真の英雄はあなたも知っている人です」


(ねぇ愛ちゃん?)


ラフォリアは振り返りもせずに背後から迫る愛理に合わせ横に飛び退く、するとアリシアに向けて鋭い突きが飛び込んで来た、アリシアはギリギリで剣で弾く、しかしすぐにラフォリアの蹴りがアリシアに命中し、アリシアは地面に叩きつけられた。


「凄いアリシアをあんなに一瞬で地に着けるなんて・・・、あれが世界を救った英雄達・・・」


完璧に息を合わせたコンビネーションでアリシアを地に着けた愛理とラフォリアを見て、メアは単純に凄いと思う。


「そうね、あの二人は凄いわ、私を何度も苦戦させたあの二人なら私を十分に相手出来る、だから私達はDIVAを破壊するわよ!メア!」


「はい!、アリシア!」


未来のアリシアとメアは頷き合うと、アリシアが張ったシールドに守られているDIVAを見据え、斬りかかって行く。


「チッ!、バハムート!、DIVAを守りなさい!」


愛理とラフォリアの相手をしているアリシアは、横目で未来の自分とメアがDIVAの破壊に向かったのを見て、自身の最強の使い魔であるバハムートを二人に差し向けた。


「まさか未来の存在とは言え主人を相手に戦う事になるとは思わなかったぞ」


「私だって、少し前まではあなたを相手にするだなんて思った事はないわ、でもね、世界を壊させない為にもDIVAはここで破壊する!、その為にあなたを倒すわ!」


未来のアリシアはバハムートの事を知り尽くしている、その為弱点も良く知っている、バハムートの弱点とは・・・?。


「メア!、バハムートの弱点は胸にある、あのクリスタルよ!」


そうバハムートの弱点は胸にあるクリスタルだ、クリスタルはブレスを放つ為の魔力を溜める器官となっている。


「アレは破壊してもすぐに再生する、でも破壊されている間はブレスを放てなくなり、かなり弱体化するの!」


「分かりました!、弱体化しているうちに突破するんですね!?」


「そうよ!」


未来のアリシアは地面を強く蹴るとバハムートの胸に向けて飛んだ、バハムートは尻尾を振るい飛びかかってくる未来のアリシアを撃ち落そうとするが、未来のアリシアは剣で尻尾を食い止め、弾いた。


「はぁぁ!」


撃ち落とせなかった未来のアリシアにバハムートがブレスを放った、メアはゼロの魔力のシールドで、ブレスを止めた、そして未来のアリシアと靴と靴を合わせ合うと、未来のアリシアをバハムートの胸に向けて打ち出した。


「喰らいなさい!バハムート!、ダークライジングストライク!」


強力な突き攻撃がバハムートの胸に迫るが、バハムートは身をよじって、突きを避けた。


「ここで真打ち登場ですよぉ!、爆破は華!、喰らいなさい!」


アリシアの側近達から逃げ回っていた蒼狐が、ドヤ顔でバハムートのクリスタルに爆破攻撃を当てた、強力な爆発でバハムートのクリスタルが傷付き、バハムートはブレスを放てなくなり弱体化した。


「うぉぉ!」


「はぁぁ!」


ウォーリーが水の攻撃でバハムートの足をすくい全身を鉄に変えたグレイがバハムートの顔にタックルし、バハムートは遂に地面に倒れた。


「させないわよ!」


「そうですわ!」


ウォーリーとグレイがバハムートの攻撃に加わった事により、攻撃の手が緩み自由になっていたニアとアイリーンがDIVAを守るかのように、DIVAに迫る未来のアリシアとメアの前に立ちはだかった。


「ふふ、ねぇあなた達?、忍って知ってる?」


しかしドロンと麗蘭がニアとアイリーンの背後に現れ何かを投げた、宙で弾けたそれはトリモチだ、麗蘭に反応出来ず避けれなかった二人はネバネバするトリモチに拘束された。


「行きなさい!」


「はい!」


「感謝してあげるわ!」


遂にDIVAに迫った未来のアリシアとメア、二人は同時に斬撃をアリシアのシールドに当たるが弾かれた。


「マズイ・・・、ついて来い!キース!」


「おうよ!」


このままでは数秒以内にDIVAが破壊されるそう判断した、エリシアはキースについて来るように言いキースは了承する。


「行かせねーよ」


「ああ、君達の相手は私達だ」


しかしエリシアとキースの前にケーニとレベンが立ちはだかり、同時に攻撃を放ってエリシアとキースの行く手を阻んだ、その瞬間、アリシアのシールドを未来のアリシアとメアが割った。


「やらせるかぁぁ!」


アリシアはスタイルバーストを発動させ、ゼロフォームに変身している愛理とワルキューレモードに変身しているラフォリアを吹き飛ばす、そして二人に迫るが・・・?。


「ゼロブラスター!」


「ダークライジングブラスター!」


未来のアリシアとメアのブラスターにDIVAは飲み込まれた。


「あ、ああ・・・?」


二人の攻撃を止める事が出来ず間に合わなかったアリシアは目の前で起こった事が信じられないと言った顔で、二人のブラスターが爆発し発生した、白煙の中にまだ生きて立っているかもしれないDIVAを探す、しかし白煙が晴れてもDIVAは現れなかった、二人の攻撃の直撃により消滅したようだ。


「あぁぁぁぁぁ!」


DIVAが破壊された、それを目の当たりにしたアリシアは怒り狂い、メアに斬りかかる。


「なんで!、なんで壊したの!、あれは、あれはっ!、お父さんとお母さんに会う為に必要だったのにぃ!!」


(・・・そうね、私がDIVAを欲しかったのはお父さんとお母さんが生きている世界を創る為・・・、でも・・・)


「死んだ人を世界を改変してまで生き返らせる、それは絶対にしてはいけない事です、いくら寂しくて孤独の中にあなたがいたとしてもです」


(そう、死んだ者を生き返らせる事は間違っている、私はその間違いを犯そうとした、その結果世界は滅びた・・・)


メアの言葉を聞き、自分が間違っていた事を理解している未来のアリシアは俯く。


「黙れぇ!、あなたには義理でも親がいるからそんな事が言えるのよ!!」


叫びながら滅茶苦茶に剣を振るうアリシア、その目は涙に濡れている、メアは悲しそうな顔でアリシアの剣を受け流して行く。


「・・・親がいなくても私達がいます、私達があなたの寂しさを埋めます、約束します!」


「私に嘘をついていたあなたの言葉なんて、信じれるわけないでしょ!?、このウソつき!、本当に・・・本当に死んじゃえよ!、あなたなんてさぁ!」


泣きながら強力すぎる闇と雷の砲撃を発動させ放ったアリシア、メアは防御姿勢を取る。


「メア!」


愛理がメアを守るように目の前に立ちシールドを張った、次の瞬間にはメアと愛理はアリシアの砲撃に飲み込まれ、DIVAがいたこの空間がアリシアの闇の魔力に飲み込まれ漆黒に染まった。




アリシアの精神世界


「ここは・・・?」


愛理は真っ白な世界で身を起こす。


「ここはアリシアの精神世界ですよ、愛理さん」


その背後からメアが話しかけ、誰かがいるとは思ってなかった愛理は尻尾の毛を逆立たせながら振り返る。


「驚いたなぁもう・・・、せめて前に出て来て話しかけてよ・・・」


「あはは・・・、ごめんなさい」


メアは愛理に謝り、相変わらず空っぽなアリシアの精神世界を悲しそうに見渡す。


「この世界を見ただけでも分かる、あの子の心は空っぽなんだね・・・」


「はい・・・、グレイやシメラと友達になるまでずっと一人だった影響だと思います、産まれた頃からずっとアリシアを愛してくれる人はいなかった、例えすぐ側にアリシアを愛してくれている人がいたとしても彼女はそれに気付かなかったんです」


「・・・、私にはアリシアの辛さは理解出来ないと思う、私には親がいてお父さんやお母さんに愛されていたと今は思えるからね」


「私だって、そうですよ、愛理さん」


メアと愛理の会話が終わる、するとすすり泣く声が聞こえて来た、二人がその声が聞こえる方向を見ると、幼いアリシアがいた。


「アリシア、また来ましたよ」


メアが幼いアリシアに近付き声をかける、すると幼いアリシアは顔を上げメアを睨んだ。


「ここから!出て行け!」


メアを睨みながら立ち上がった幼いアリシアは、メアに手を向けると闇の魔力を差し向けた、するとメアの体が薄くなって行き、消えた、無理矢理に精神世界から追い出されたのだ。


「私は出て行かなくても良いの?、アリシア?」


「・・・、お姉さんはなんだかママみたいだから・・・」


そう言って幼いアリシアは愛理に近付くと顔を見上げた、愛理は幼いアリシアを抱き上げると抱きしめる。


「お姉さん暖かい・・・」


愛理に抱きしめられる幼いアリシアは、愛理の母性を感じ安心した様子でその胸に顔を埋める。


「・・・」


愛理は真っ白な空間で幼いアリシアをただただ優しく抱きしめ続けた。

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