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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第三部、二章、DIVAを求めて
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一話、天使ラフォリア

アトリーヌ城、皇帝の部屋


「各地の戦況は?」


カリカリと資料にサインをしながら、アリシアはチラリとアルムスを見て、各地の戦況を聞く。


「我が方に有利に進んでいる、アテナを与えたのは正解だったな」


アリシアは各属国軍に百機ずつアテナを与えている、そのお陰で属国軍は各国のファントムに対し優位に立つ事が出来、優位に戦闘を行う事が出来ていた。


「ふふ、裏切ったりしたら、全機爆発するのだけれどね」


アリシアは属国軍が裏切る可能性を考え、コンピュータが裏切り行為を感知した瞬間、与えたアテナが全機自爆するよう設定している、そしてその事を属国軍に知らせている、裏切れば自爆する事を敢えて伝える事で裏切り行為を未然に防ぐのが目的である。


「相変わらず悪い女だよ、お前は」


アルムスは悪い顔をしているアリシアに呆れた視線を送る。


「あら?、こんな悪い女を妻にした男がこの近くにいるらしいわよ?、誰の事かしら?」


アリシアは呆れた視線を送ってくるアルムスに、挑発的な視線を返した。


「私の事だが、それがどうかしたか?」


アルムスは挑発的な表情をしているアリシアに、開き直る事でやり返す。


「・・・ここで開き直られるのは、予想外だわ」


アルムスのまさかの開き直りに一本取られたアリシアは、ムムムと言った顔で夫を見上げる。


「クク、歳上を舐めるなと言う事だ」


(いつか絶対、言い負かしてやる・・・)


ジーと自分の顔を不満げに見つめて来る妻を見てクスクスとアルムスは笑った。


「あームカつく」


「まぁまぁ」


「・・・、それで?、DIVAを探す準備は出来たの?」


このままだと夫にからかわれ続けるだけだ、そう考えたアリシアは無理矢理に話を変え、DIVAを探す準備が出来たのか聞いた。


「お前の飛空艇と、お前のゼウス、そして側近達のアテナの宇宙仕様への換装は完了している、後はお前の溜まった仕事さえ終われば、探しに行けるだろう」


「溜まった仕事ねぇ・・・」


夫の言葉を聞き、机の上をチラリと見るアリシア、その机の上には山積みとなった資料がある、これを全て終わらせなければ、アルムスはその口振りからDIVAを探しに行く事は許可してくれないようだ。


「ねーえ?、あなた〜?」


急に猫撫で声になり椅子から立ち上がったアリシアは、夫に近付くと抱き着く。


「なんだ?」


「私ね?、早くDIVAを探しに行きたいの、だからあの資料へのサイン、あなたがやって?」


早くDIVAを探しに行きたいアリシアは、アルムスに資料へのサイン作業を押し付けようとする、自分の一番の武器である胸を彼の胸に押し当てるのは勿論忘れていない。


「断る」


しかしアルムスは妻の色仕掛けには乗らず、あっさりと断った。


「なっ!?、私はあなたの妻よ!?、ちょっとくらいワガママを聞いてくれたって・・・」


「・・・、散々聞いているが?、お前が戦争から戻って来てから、私がお前にどれだけのドレスを買ってやったか思い出してみろ」


「・・・、二十着程買ってもらいました・・・」


「そうだな私はお前のワガママを聞き二十着もの、しかも最高級品なドレスを買ってやった、よってこれ以上のワガママは今月は聞かん!」


今月とわざわざ言った時点で、来月になればまたアリシアのワガママを聞くと言う事である、基本的にアリシアの事が可愛くて可愛くて仕方がない、それがアルムスと言う男である。


「イジワル」


しかしアルムスの言葉の意味を理解出来なかったアリシアは、夫の顔を見上げ拗ねた表情を見せ舌をベーと出すと、抱き着いていた夫から離れ、執務机に戻りサインの記入を再び再開した。




エンジェルズ、アリシアとメアの部屋


「あら、お帰り」


現在、この部屋で寝泊りをしている未来のアリシアは、日課となっている妖狐と天使の内のどちらかとの鍛錬鍛錬を終え部屋に戻って来た、メアを出迎えた。


「ただいまです」


メアは未来のアリシアに挨拶すると、汗を流す為、シャワー室に入り軽く体を洗うと体を拭きながら戻って来た。


「メア、あなたにこれを渡しておくわ」


そう言って未来のアリシアは鞄から巻物を取り出し、メアに渡す。


「時渡りの書?」


「ええ、これを使えば過去や未来に行ける、でもあくまでも最終手段として使いなさい、これは私が使った物と同じ物、師匠がエクスカリバーに保険として組み込んでいたものとね、ならこれを使えばどうなるかは分かるわね?」


「あなたみたいに体のどこかに重大なダメージを負うのですね?」


「ええ、だからどうしても使わなければならない、そう思った時に使うの、良いわね?」


「分かりました」


メアは未来のアリシアの言葉を心に刻み込むと自分の鞄の中に時渡りの書を入れた。


「それで現在のあなたの事なのですが、これから何をするつもりなのでしょうか?、魔力を探ってみるとずっと帝国にいるようです」


「・・・、さぁね、私が経験した歴史と違いすぎて予想出来ないわ」


「そうですよね・・・、あなたの時は、帝国軍がこんな早期にこれほどの侵攻を成してはいなかったそうですし・・・」


未来のアリシアはこの世界の様子を見て、全てが早すぎると言った、未来のアリシアの経験した歴史では、帝国はこんな早期にこの世界のほぼ全てを手に入れてはいなかったのだ。


「だからこそ嫌な予感がしているの、DIVAの成長も早まっているんじゃないかってね・・・」


「・・・、もう成長し切り、動けるようになっていると?」


「これだけ変わっているのだもの、その可能性はあるわ」


「・・・、DIVAを探した方が良いのでしょうか?」


「一応、やっておいた方が良いと思うわ」


「分かりました」


DIVAの成長完了が早まっている可能性がある現状、DIVAを一応探した方が良い、そう判断したメアは、メサイヤとギルス達が宇宙に対応出来るよう、改造してもらう為、アンナに連絡を入れた。



地球、レベンと愛理の家


未来の灯理以外、全員巣立って行き少し寂しくなった愛理とレベンの広い家の寝室で、何か不穏な雰囲気を感じている愛理は、尻尾の毛を逆立てながら夜空を見上げていた。


「どうした?、愛理?」


レベンは愛理に近付くと不安げな妻を抱き寄せた。


「少し嫌な予感がしているの、何かマズイ事になっているそんな予感がね・・・」


「神の、いいやアルマとしての感か?」


「うん、DIVAは既に目覚めているのかもしれない・・・、でも気配を探ってもどこにもいないんだ・・・」


「気配を探ってもいないのなら大丈夫さ」


レベンは不安げな妻を抱きしめると優しく髪を撫でる、夫に優しくされ不安な気持ちが少し和らいだ愛理は、夫から離れると転移の準備をする。


「どこに行く?」


「もしもの時の仕込みをね、もしこの世界にアレがもう存在しているのならすぐに破壊しなければならない、その為にリアちゃんに準備をして貰っておく、ふふフォックステイルの他のみんなも誘ってくるよ」


「ほほう、皆の久し振りの集合か、楽しみだ」


「だね、それじゃ、行ってくる!」


相変わらず元気の良い愛理は快活に微笑むと、転移して行った、愛する妻を見送ったレベンは妻が戻って来るまで起きている為、下の階に降りコーヒーを淹れる。




ケーニとラフォリアの家


「と言う訳だ!相棒!、久し振りに一緒に戦おうぜ!」


キッチンで夫の弁当の具材をしていた白髪の相棒、ラフォリアの目の前に現れた愛理はいきなり一緒に戦おうぜと、ドヤ顔で宣言した。


「理由も説明されず、いきなり一緒に戦おうぜとか言い出す馬鹿狐に私は協力などしません」


シラーとした目を愛理に送るラフォリアは理由を説明しろと親友に伝えた。


「あはは〜、やっぱり?」


やっぱり?とニヘラと笑う愛理は、後頭部を掻いている。


「歳を取っても面倒になると端折る所は変わらないんですから・・・、ちゃんと説明してください」


「はいはい、それと歳取ってないから、まだピチピチだから」


「見た目だけですよね」


「グヌヌ・・・」


ラフォリアのピシリとした言葉にムカついた愛理は、ラフォリアの顔に尻尾をぶち当てる


「喧嘩売ってるんですか?」


「別にー?」


「・・・、相変わらず馬鹿みたいに大きいおっぱいにあなたのお仕置きです」


「なんでそうなるの!?」


「なんでって?、何年経っても見る度にムカつくからですよ!」


この後愛理は尻尾を顔に当てた仕返しとしてラフォリアに胸を揉みしだかれながら、この家に来た理由を説明した。




「DIVAがもう・・・、分かりました、準備をしておきます、おいで、ヴァルキュリア」


愛理から理由を聞き了承したラフォリアは、長らく使っていなかったヴァルキュリアを呼ぶ、すぐ様主人の元に現れたヴァルキュリアは・・・?。


「埃だらけだね・・・」


埃だらけだった。


「し、仕方ないじゃないですか!、その数十年間、愛ちゃんや明日奈さんだけでどうにかなる敵ばかりで、私が戦う必要なんてなかったんですから!」


「それでも武器の掃除はちゃんとしようよリアちゃん・・・」


「・・・、分かってますよ、今から綺麗にします」


ブスブスと不満げな口調でヴァルキュリアの掃除をすると言ったラフォリアはキッチンから出て行く、そんな親友の背中を見送る愛理は武器が埃だらけになるくらい戦ってないのなら、完全に体は鈍っているだろうと思い、仲間達を誘い終えたら、ラフォリアと鍛錬をしようそう思い、転移して行った。

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