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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第三部、一章、戦争の始まり
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六話、ウルフルム王都の戦い2

ウルフルム王国、王都


メアはウルフルム城から出て、ウルフルム王と共に戦場に立った、グレイとウォーリーはファントムに乗り、帝国軍のファントムの相手、シメラは土壁を作った、ケイネスのフォローをする。


「もう皇帝アリシアと戦うなどは言いません、あなたが死ねば負けです、だから死なないで下さい」


「分かっておる!、それでは行くぞ!、メア殿!」


猪突猛進なウルフルム王、ヴォールフは走り始めた、メアは本当に王が自分の言葉の意味を理解してるのか不安になりつつ、アリシアを探して走る王を追いかけて戦場を駆ける。


「来たな、俺たちの王様の為、お前達をここで倒してやるぜ!」


その上空では、キースとエリシアとグレイとウォーリーが相対していた、ウォーリーの機体はグレイと同じ砲撃仕様、こちらはビーム兵装が多めだ。


「負けませんよ!」


ウォーリーは全身に取り付けられている、砲からを放つ、しかしエリシアのアテナはビームシールドでビームを防ぐと、ウォーリーの機体に迫り、ビームサーベルを振るおうとするが、グレイの機体から放たれたミサイルに反応し、落ち着いて回避した。


「あれを避けるとか、アリシアのねーちゃんはやっぱすげー腕だ」


「油断出来ませんね・・・」


グレイとウォーリーがエリシアの腕に慄いていると、キースの機体がビームを放って来た、グレイは盾でそれを防ぐと撃ち返す。


「チッ!」


キースはグレイが放ったビームから遅れて数秒後にウォーリーの機体から放たれたガトリングガンを機体に命中させられてしまう、舌打ちをしながら、更に弾を放つキースだが、グレイとウォーリーは確実に攻撃を防御し、ダメージを与えられない。


「あの二人、ファントムでの近接戦は大した事はない、しかし砲撃と防御は上手い、油断していると先程のように被弾して機体を落とされるぞキース、油断するな」


「ああ!簡単には負けねーよ!!」


キースは更に砲撃をし、エリシアはビームブレイドを掲げ、二人の機体に迫る。




「全軍壁の破壊を急ぎなさい、王城を落とすのよ」


軍勢の最前線に立つアリシアは耳に付けた通信機で全軍に命令し、右手で杖を持つと自軍の侵攻ルートを切り開くため、ブラスターを放つ。


「うぉぉ!?、皇帝の攻撃か!?」


「はい・・・」


アリシアが放ったブラスターはメアとヴォールフのすぐ近くを、大量のウルフルム兵を消滅させながら通って行った、アリシアがまた大勢の命を奪いその手を汚した事にショックを受け俯きつつも、今の攻撃でアリシアの居場所は分かった為、王と共にアリシアの元に向かう。


「アリシア!」


アリシアの姿を見たメアは大量の命を奪ったばかりの少女に斬りかかる。


「来たわね、メア、今日であなたを殺し、私を惑わせなくしてやる!」


「私は死にません!」


同じ顔をした二人の少女の剣がぶつかり合う、それを見たニアとアイリーンが援護しようとしたが、アリシアはそれを横目で見てメアを蹴り飛ばし自身から離させてから、二人の娘を強く睨み付けた、母に睨まれた二人はピタリと動きを止め手を出すのをやめた。


「良い子達ね、今手を出していればあなた達二人と言えど殺していたわ、メアは私の物、私が殺すのだから手を出すな、あなた達二人は他の兵と共に壁の破壊を進めなさい」


「・・・はい、分かりました」


「分かったわ、母さん」


手を出していればアリシアに殺していたかもしれないと思う二人は、小さく震えながら、他の帝国軍に合流し壁の破壊に向かって行く。


「さて、これで邪魔をされずにあなたと戦えるわ」


「悪いが、私が邪魔をさせて貰う!、皇帝よ!」


ニアとアイリーンを壁の破壊に送り、メアとの戦いに集中出来ると思ったアリシアだが、自軍の中に溶け込みアリシアの隙を伺っていた王が、アリシアに斬りかかって来て、目論見が外れる。


「あら、僅か数日で私の軍にここまで攻め込まれた愚か者じゃない、邪魔しないでよ」


そう言ってアリシアはヴォールフの剣を軽く受け止める。


「確かに私は愚かかもしれんな!、しかし私がここでお前を殺せば十分に名誉挽回は出来る!」


ヴォールフは力を込めてアリシアを押し込もうとする、アリシアは彼と押し合いはせず後ろに飛び退くと、魔弾を左手に持つ杖から放つが、メアが全て剣で叩き落とす。


「すまんメア殿」


「いえ、それよりも私の援護を頼みます」


「分かっておる、不本意だが、お前の方が圧倒的に強いからな、より強き者が前に立つべきなのは私も理解しているさ!」


「はい!、それでは行きますよ!」


剣を構えたメアは走り出し、ヴォールフはそれを追って駆け出す、アリシアは協力し自身を倒そうとする二人を冷酷な瞳で見つめ、二人が射程に入った所で、地面から棘を出現させ、二人に襲い掛からせた。


「当たらんよ!」


集中仕切っている二人は、アリシアの魔力が地面に流れて行っているのを感じており、棘が地面から飛び出す前に、上に向けて飛んでいた。


「ゼロ!バスター!」


重力に従って棘のない地点に自由落下するメアはゼロバスターをアリシアに向けて放つ、アリシアは迫るビームを杖で殴り逸らすと地面を蹴りメアに迫る。


「ダークライジングブレイド」


冷たい声で技の名を言ったアリシアは、剣を下から振り上げた、メアは落ち着いて避けるが、メアが避けた先には先に仕込んでいた魔法陣があった、魔法陣からダークチェーンが飛び出し、メアを拘束する。


「死になさい!」


アリシアは拘束したメアを殺すつもりで、首に向けて全力の斬撃を放つ、それをヴォールフが剣で止める。


「早く抜け出せ!メア殿!」


「分かってます!」


メアは力を込め無理矢理にダークチェーンを破壊し、拘束から抜け出した、そしてヴォールフを押し合うアリシアを横から蹴り飛ばす。


「はぁぁ!」


蹴り飛ばし吹き飛んだアリシアを追うメアは、アリシアの体が地面に接する前に追い付くと、踵落としで地面に突き落とす、その衝撃でアリシアの口から血が漏れ出した。


「このぉ!」


アリシアは更に追撃をする為に迫って来るメアの横振りの斬撃を屈んで避けると、メアの腹に剣を突き刺した。


「くっ!」


「あはっ!、これで私の!」


「まだ・・・です!」


腹を刺された痛みに耐えながら、メアは背後を仰ぎ見る、そこには拳に魔力を溜めているヴォールフがいた、それを見て微笑んだメアは後ろに飛び退き、体に刺さった剣を引き抜く、それと同時にヴォールフがアリシアの顔に大量に魔力を込めた一撃を命中させたが・・・?。


「お前の攻撃など効かないわ!」


アリシアは顔の前に小さなシールドを作り、ヴォールフの攻撃を止めた。


「くっ!?」


アリシアとの距離が近すぎ、このままでは首を斬り落とされると判断したヴォールフは、引くよりも攻撃を選びアリシアに斬りかかるが、アリシアの動きの方が早かった、アリシアは剣を振るいヴォールフの首に当てるとそのまま斬り飛ばした。


「そん・・・な・・・」


自身はアリシアに刺され戦闘不能にされ、ヴォールフも守り切れずにアリシアに殺された、完全な敗北をしたメアは目の前が真っ暗になったような錯覚をする。


「そんな・・・、王が・・・」


「俺達の負け?」


「そうよ、あなた達の王はこの私、皇帝アリシアが討ち取った!、この戦い!私の帝国軍の勝ちよ!、それでも戦いたい奴はかかって来なさい!、皆殺しにしてあげるわ!」


自分達の王の命を奪い皆殺しにするとも言われたウルフルム兵達は怒り狂い、アリシアに向けて斬りかかって来る、それを見たアリシアは愚かな者達を見るかのような目を見せてから薄笑いを浮かべ、魔の者達を全員召喚した。


「さぁみんな?、ご飯よ?、たーんと召し上がれ?」


現れた魔の者達はウルフルム兵達に襲い掛かり、極上のディナーを楽しみ始めた、その様子を見て薄笑いから邪悪な笑みにへと表情を変えたアリシアは、血が流れ出る腹を抑えて蹲るメアに近付くと髪を掴み持ち上げた。


「くっ・・・」


メアは沢山の者達が死ぬ様子を見て楽しそうな様子のアリシアに悲しそうな視線を送る。


「殺しがそんなに楽しいのですか、アリシア」


「ええ、楽しいわ、だってこの国の奴等も私達バトルシアを奴隷として扱っていたゴミなのですもの、ゴミが沢山死んでくれて、嬉しくて嬉しくて仕方がないわ」


「・・・」


アリシアは笑っている、しかしその目は全く笑っておらず、恨みと憎しみに染まりきった非常に冷たい物だ、メアは闇に染まりきった冷たい心に支配されているからこそ、アリシアは罪悪感もなく人殺しが出来てしまうのだと思い、やはりアリシアの心をなんとしてでも救わなくてはならないと思った。


「そして、あなたもここで終わりよ、さようなら、私の最後の友達」


「ッ!」


アリシアはメアの髪を離し剣を振るう、支えを失い倒れて行くメアは慌てて転移をしようとするが、間に合いそうもない、メアが死を覚悟したその時だった。


「させないよ!」


金色の光が突然現れ、アリシアの剣を止めた。


「師匠・・・」


現れたのは二人目の金色の九尾、久城愛理だった。


「久し振りだね、アリシア、覚悟を決めたんだね・・・」


「ええ、私はもう止まらないわ」


「そう、なら私達が止めてあげる!、セラピー!、メアの治療を!、さぁアリシア、君の力がどこまで上がったのか見せてもらおうじゃないか!」


「私達?」


アリシアは迫って来る愛理を魔法弾で牽制しつつ、愛理の言葉の中で疑問に思った部分に首を傾げる、私達と愛理は言ったが、彼女は一人、傷付いたメアは戦力にならない時点で、達とは言えないはずだ。


「ふふ、すぐに分かるよ!、後ろを見てみな!」


「?」


愛理に後ろを見ろと言われたアリシアは振り返る、そこには一人の女がいた、その名は・・・。


「やぁ私、元気してた?」


アリシア・レイティス、未来から来たもう一人のアリシアだった。

次回は現在のアリシアVS未来のアリシアと愛理です。

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