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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第三部、一章、戦争の始まり
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五話、ウルフルム王都の戦い1

ウルフルム王国、王都


ウルフルム王国の王都に辿り着いたメアは、アリシアが率いる帝国軍が来る前に急ぎ、王の元に向かった。


「谷の部隊と谷に送った部隊が全滅したのは私の失態だ、しかし、この程度の事で挫ける訳にはいかぬ!、じきにこの王都にやって来る帝国軍から必ず王都を守り切り、帝国軍を追い返すぞ!、それでは兵の配備と、市民の避難誘導を始めろ!」


メアが王の部屋に入るとウルフルム王が騎士達に兵の配備をするように伝えている所であった、王の言い回しから谷の部隊が全滅した事を彼は既に知っているようだ。


「「ハッ!」」


王の言葉を聞いた、狼族の騎士達は王の言葉に臣下の礼を取ると、部屋から出て行く、騎士達を見送った王は自身も戦場に出る為、鎧を身に付けに部屋を後にしようとしたが。


「生きていたか!」


メアが部屋にいるのを見ると喜んだ顔で近付き、少女の肩を叩く。


「はい、なんとか、それでここに来たのは、戦線に参加する事をお許し頂く為なのです、構いませんか?」


「勿論許可する!、お前はあの谷に居たから知っている事だが、正直言うと兵が足りん、つまりお前達が戦線に参加するのは大歓迎と言う事だ、頼りにするからな?」


「分かってます、頼りにされるつもりでここに来ましたから、それと一つだけお願いが」


「なんだ?」


王の言葉に返事を返したメアは王に一つだけ願いがあると言った。


「皇帝の相手は私だけでやります、なので手は・・・」


「これは戦争だぞ!、メア殿よ!、ならば私が奴と戦わなくてどうする!?、お前が私と共に皇帝と戦う事は許すとしても、私が奴と戦う事を妨げさせたりなどはせぬ!」


「ですが!」


「これ以上話す事はない!」


メアはアリシアと戦い殺されればその時点で負けだと、王に伝えようとしたが、彼はメアがそれを言う前にバッサリと切り、部屋から出て行く。


「・・・、説得が通じるタイプではないと思ってましたが・・・」


メアは説得の言葉を伝える事すら出来なかった、既にこの部屋にいない王に向けて溜息を吐くと、仲間と戦闘の準備をする為、部屋から出て行った。



皇帝の飛空艇


空を行き進軍する帝国軍は、王都の目前にまで迫っていた。


「アリシア、後十分後に奴等の王都だ、俺とエリシアは機体に乗っておくぜ?」


「ええ、頼んだわ、二人でファントム隊を指揮し、ウルフルム軍のファントム部隊を喰らい尽くしなさい」


「ああ任せろ」


妹の命令を聞き頷いてみせたエリシアは、妹の前に立つ。


「もう一度聞くが、迷いはもうないな?」


「うん、もう大丈夫」


「そうか、ならまた後で会おう」


「うん、行ってらっしゃい、お姉ちゃん」


「うむ、行ってくる」


妹の目を見て迷いはないと言う言葉が言葉だけではないと判断したエリシアは、妹を強く抱きしめてから、キースと共に自身の専用機に向けて歩いて行く、アリシアは離れて行く姉の背中を見て感謝しつつ、この場にいるアイリーンとニアを見る。


「二人は私と共に歩兵部隊の先陣を切って進軍するわ、特にアイリーン、あなたにはシールドで敵の攻撃を防ぐと言う大役を任せる、あなたの活躍に期待をしているわ」


「お任せ下さいませ、お母様、必ずご期待に応えてみせますわ」


母の期待を受けるアイリーンは嬉しそうに微笑みつつ、スカートの裾を持ち上げ礼をした。


「ええ、ニアは特に言う事はない、好きに暴れなさい」


「ええー?、私にも何か期待してよ、母さん」


姉は期待されているのに自分は何もないのかと思ったニアは、不満そうにする。


「うーん・・・、強いて言えば、死ぬなと伝えましょうか」


うーんとニアに伝える言葉を考えたアリシアは彼女に死ぬなと伝えた。


「ふふ、吸血鬼は簡単に死なないものでしょう?、母さん」


「それでもよ、メアは光の魔法も使える、光の魔法を灰となった吸血鬼が少しでも浴びれば消滅させられてしまうの、だから油断は出来ないのよ?、ニア」


「・・・、やっぱり厄介な奴だよ、あの女、母さんを惑わしたりもするしさ」


ニアは母を惑わした相手であるメアを厄介な奴と言った。


「陛下、敵王都を射程に捉えました」


三人が会話をしている間にも進み続けていた飛空艇が、王都を射程に捉えたらしい。


「そう、ならこの私皇帝アリシアの名で命令をするわ、全艦砲門開け、目的は敵王都!、撃てぇ!」


それを聞いたアリシアは全艦に砲撃をさせる、城下町を覆う城壁に向けて砲撃が殺到するが、突然現れた強固な土壁に砲撃が防がれた。


「土のスタイル使いか、ふふ、どれだけ持つか見ものね?、全艦このまま砲撃、ファントム部隊出撃、歩兵部隊もよ」


土壁がケイネスの魔法だと判断し、怪しく笑ったアリシアは、ファントム部隊と歩兵部隊を出撃させ、自身も皇帝の椅子から立ち上がり、両手に武器を持つ。


「行くわよ、二人共」


「はい」


「ええ」


そして三人は転移をし、戦場にへと降り立った。

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