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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第三部、一章、戦争の始まり
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一話

前部まではメアはサブ主人公でしたが、今部からは十六歳のアリシアと共にメイン主人公となります。

アリシアの精神世界


ここはアリシアの精神世界、宣戦布告をした日の夜、アリシアはこの精神世界の中いるゾフィディアの前にいた。


「ようやく始まったわね、アリシア、我が帝国の悲願と、あなたの復讐の本当の始まり」


「そうよ、お婆様、ようやくよ、ようやく、私の復讐が始まった、ふふ、すべての国を支配して、私達バトルシアを兵器として扱えなくしてやる」


「ふふ、あなたなら必ず出来るわ」


ゾフィディアは復讐心に染まりきった表情を見せるアリシアの頬に触れ、必ず出来ると言った。


「出来る、じゃないわ、お婆様、私がやるのよ」


「あら、ごめんなさい、なら言いかえるわね?、あなたがやるのよ、アリシア」


「ええ、お婆様」


立派に成長した子孫に誇らしげな視線を送るゾフィディア、それを見たアリシアはゾフィディアに抱き着くと首元に噛み付いた。


「んっ、そう・・・、私の全てを奪うつもりね?、アリシア・・・」


「ええ、お婆様には色々と教えて貰ったわ、でもね?だからこそ口で教えられるだけじゃなく、お婆様の豊富な知識の全てを欲しいと思ったの、だからお婆様の全てを私が貰うわ、良いわよね?お婆様?」


「良いわよ、私の全てをあげる、その代わりこの世界をあなたのものにしなさい、良いわね?アリシア」


「ええ、分かっているわ、あなたの望みは私の望み、かならず叶えてあげる」


「信じて・・・、いるわよ・・・」


アリシアに吸われゾフィディアは消えて行った。


「ありがとうお婆様、お婆様の知識だけじゃないわ、記憶も経験も戦闘技能も有効に使わせて貰う、私の復讐の為にねぇ!、ふっふふふっ!、あっはははは!」


精神世界に少女の邪悪な笑い声が響く。


「・・・」


成長したアリシアが笑う中、幼い姿をしたアリシアは膝を抱えて静かに泣いていた。




エンジェルズ本部


降伏をしなかった十五の国の一つ、ギグルス国のオルビアの町にメアはいた、先日の放送と三つの国を滅ぼした友の姿を目の当たりにした、メアの表情は暗い。


「そんな暗い表情しててどうすんだよメア、そんなんじゃアリシアを止めれねぇぞ」


一年前、アリシアの結婚式の様子を見て吹っ切れ、結婚式から一ヶ月後にシメラの想いに応え彼女と付き合い始めたグレイは、明るくメアを励ます。


「そうだよメア、落ち込んじゃダメだよ、アリシアと向き合ってアリシアを止める、それが私達の役目でしょ?」


グレイへの想いが叶い、以前にはなかった積極性を手に入れているシメラがメアの目の前でガッツポーズをし、メアの手を握ると一緒にえいえいおーをする。


「ありがとうございます、二人とも、元気出てきました!」


「そうそう、それでこそ俺たちのリーダーだ、それで?今日はこれからなにするよ?」


「ギルと操縦訓練を、アリシアを止める為にも、ファントム戦でもアリシアに対抗出来るようにならないと話になりませんので、こちらの技能も上げます」


「そういう事なら手伝う、行こう!」


「はい!」


アリシアを止める為更に強くなると決めているメアは、グレイと共にファントム操縦の技能を上げる訓練をする為、ギルの元に向かって行った。




アリシアとアルムスの部屋


ここは結婚した次の日にアリシアが用意させたアリシアとアルムス夫妻の部屋、この部屋でアリシアは目覚め身を起こす。


「・・・」


アリシアはゾフィディアを吸収した事により、何か精神的な影響が出るかと思っていたが、変わらないようだ、以前と同じように強い世界への恨みと復讐心、そして恨んでいた筈なのに嫌いではないと伝えてしまったメアへの複雑な想い。


今の自分は前の自分と何も変わらない紛れもない自分だとアリシアは自信を持って言える、吸収したゾフィディアの記憶はあくまでも自分の中に存在するだけの物であるようだ。


「どうした?、アリシア?」


アルムスは何やら両手を見つめている妻に話しかける、するとアリシアは振り返り、アルムスに愛おしげな表情を見せると、寝転がる愛しい夫に覆い被さった。


「なんでもないわ、ねっキスして良い?」


「好きにしろ」


アルムスにキスをしても良いかおねだりし許可されたアリシアは、彼とキスをする、暫く彼と舌を絡ませあってから彼の唇から己の唇を離したアリシアは、一年前から変わらない彼を愛する気持ちを認識でき、やはり自分は元々のアリシア・レイティスのままだと思い、ゾフィディアを吸収した影響が何もなくて安心した。


「それにしてもさ、アルムス、意外と多かったわよね?」


「ん?、あぁ、そうだな、もっと減るかと思っていたが、十五とはな」


妻の言葉の意味が一瞬理解出来なかったが、すぐに宣戦布告を受け、降伏しなかった国の数の事だろうと判断したアルムスは頷く、二人の予想としては最大でも八国だろうと思っていたが、十五国は少し多い。


「まっ、問題はないわ、この程度の数の誤差で私の帝国は負けたりなどしないもの」


アリシアが言う数の誤差とは、予想より七国増えた事による、兵力の差だ。


「フン、そうだな、新たな我々の軍門に下った、五十五国は流石に属国に加わったばかりの者共など信用に足らぬから、戦線に加える事は出来ぬが、早期に属国となっている三十の属国は我々に十分な忠誠を捧げておる、奴等の戦力は十分な数となるだろうよ」


「そうね」


アリシアはアルムスの言葉に頷く、するとアルムスはアリシアをお姫様抱っこの形で持ち上げる。


「なっ!?、いきなりどうしたのよ?」


「お前の重さを確かめたくなった、それだけだ」


「ふぅん、でっ?、軽いの?重いの?」


妻と言えど女性の重さを確かめたいなどと言うのは相当に失礼である、アリシアは夫の顔をシラーと見つめながら、自分の重さについて夫に聞いた。


「毎度軽くて驚いているよ」


「ほんとー?」


「本当だ」


「ふーん」


アリシアはオットを困らせてやろうと思い、ツーンとそっぽを向く。


「私は本当の事を言っているのだがな?、疑うのならば、降ろそう」


「嫌っ!、もっと抱っこして!」


「ほう?、なら私の言葉を信じてくれるのだな?」


「それもいーや!」


「ワガママだなぁお前は」


ワガママな妻の頬をアルムスは突く、それでもアリシアはツーンとそっぽを向き続け、アルムスは暫く妻の頬の柔らかさを楽しみ続けた



数十分後、自身の頬で夫が遊んでいる事に気付いたアリシアは、プリプリと怒りアルムスの腕の中から飛び降りると椅子に座る。


「それで?、ワガママな私の妻はどこの国から攻めるのだ?」


「ウルフルム王国、狼族の国よ、狼族の身体能力は私達バトルシア程ではないと言え高い、だからあんまり後にまで残しておきたくない国なの、だから早期に叩き潰すわ」


「了解した、属国の国王や大統領達にも伝えておこう」


「頼んだわ」


「あぁ」


アルムスとの会話を終えたアリシアは、彼の頬にキスをしてから、執務を行いに部屋から出て行った。


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