第三部、一章、戦争の始まり、宣戦布告
一年後、アトリーヌ帝国帝都、アトリーヌ城
アルムスとの結婚生活を楽しみ、平穏な日々を過ごしていたアリシアは十六歳となっていた、この一年間で鍛錬を積み続け更にその力を増し、現実では様々な学者から、夢の世界ではゾフィディアからの教育を受け続け、更に知識量を増しているアリシアは、正に帝国史上最強の皇帝となっていた。
そしてこの日はアリシアにとって、運命の日となる日、帝国とその属国がこの世界を手に入れる為の戦争を始める日だ。
「お久しぶりね?、他国の皆さん?、私はアトリーヌ帝国皇帝、アリシア・レイティスよ」
帝国は属国となっていない国の電波をジャックし椅子に足を組んで座るアリシアの姿を映す、世界中の映像端末にその姿を映すアリシアは、黒いドレスに赤いヒールといういつもの姿である。
「私がこの放送を流している理由は分かるわよね?、まぁ、分からない人もいるかも知れないから教えてあげると、我がアトリーヌ帝国はこれより、全世界に宣戦布告をするわ」
アリシアはニヤリと微笑み、全世界に向けて宣戦布告をした、そしてアリシアは突然ハッとした顔をし、手を叩く。
「あっ、ごめんなさいね?、言い忘れる所だった、ついさっき、三つの国の首都の上に向けて衛生兵器を動かさせたの、ふふっ、どこだと思う?」
ハッとした顔から邪悪な笑顔に表情を変えたアリシアは、どこの国の首都の上に衛生兵器を向かわせたのかを映像端末の前にいる者達に聞き、首を傾げた。
「メブルヘルム、オザヂデーム、サッシュバムブよ、ふふっ、この三国には私の帝国に従わなかったらどうなるか?って見せしめになって貰うわ、それじゃ見てなさい、撃て」
画面が三つの衛生兵器のカメラ視点に変わり、アリシアの射撃命令と同時に、衛生兵器は三つの国の首都に向けてビームを放った、そして衛生兵器の視界の先の三つの首都は跡形も無く消し飛ぶ。
「ふふっ、どうだったかしら?、三つの国が滅びた様子を見せ付けられた気分は?、でもね?、私も鬼ではないの、今日中よ、今日中に降伏をすると言うのならば許してあげるわ、それじゃあ、良い報告を待っているわね?」
全世界の放送をジャックした帝国による宣戦布告の放送が終わった、この後、この世界にある帝国の属国となった30の国を除いた全70の国のうち55の国が帝国に降伏し、帝国の新たな属国となる。
しかしそれは仕方のない事と言える、帝国に逆らい、衛生兵器や圧倒的な兵力、そして七体の使い魔を有したった一人で万の兵力を相手にできると言う皇帝に自国を滅ぼされるよりも、降伏をし大地と国民を守った方が正しい選択と言えるのだから。




