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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第二部、六章、ノースフィアとの戦い編
139/344

八話

???


「ここは・・・?」


気付くとメアは夢の世界にいた、いったいどこなのか定かではないこの世界を見渡していると、膝を抱えて蹲っている子供を見付けたので、メアは近付く。


「あの・・・、ここはどこですか?」


メアは子供に話しかける、すると子供は顔を上げてメアを見た。


「アリ・・・シア?」


子供の顔を見たメアはすぐに幼いアリシアなのだと理解した、そしてここはアリシアの精神世界なのだろう。


(何もない・・・、あなたの心はこんなに空っぽなのですか・・・)


メアは空っぽなアリシアの精神世界を見て悲しくなりつつ、ポツンとこの世界にいる幼い姿のアリシアに触れようとする。


「!、触らないで!」


その瞬間、アリシアの精神世界は赤く染まり、周囲から飛び出して来た棘にメアはその体を刺し貫かれた。


「くっ・・・、分かりませんか?アリシア、私です、メアですよ?」


「メア・・・?」


棘を召喚し俯いていたアリシアはメアと言う名を聞くと、顔を上げてジッとその顔を見る。


「メア・・・、メア!」


幼いアリシアは、メアの名を呼ぶと駆け出した、メアは腕を広げて近付いてくるアリシアを抱きしめようとしたが、アリシアの精神世界が光に包まれ崩れ始める、現実世界のアリシアが目覚めようとしているのだ。


「どこ?、どこですか!?アリシア!?」


崩れ行く精神世界の中でメアはアリシアを探す。


「ここだよ!、メア!、私ここにいるよ!」


するとメアの真下から声がする、それを聞いたメアが下を闇の底にへと落ちて行っている、幼いアリシアを見付けた、それを見たメアは意を決して飛び、落ちるアリシアを助けようとするが。


「届いて!」


アリシアにその手が触れる瞬間、精神世界が完全に光に包まれ、メアの精神体は強制的に自分の体にへと戻される。




皇帝の寝室


メアが身を起こすのと同時にアリシアが身を起こす、そしてメアは早速腕に抱き着いてくるアリシアの顔をジッと見た。


「何?」


「えーとおぼえてないのかなぁと、思いまして」


「・・・、昨日、皇帝であるこの私があなたの胸の中で泣きじゃくった事かしら?、何よ?、揶揄ってるの?」


メアに揶揄われたと思ったアリシアは、そっぽを向く、それを見たメアは慌てて否定する。


「違います違います!、私、真っ白な世界であなたと出会ったんです!、それを覚えてないのかなぁと思ったんです!」


「真っ白な世界であなたと私が?、何の話よ?」


そっぽを向いていたアリシアは、メアの顔を見ると首を傾げる、それを見てメアはアリシアが先程の出来事を覚えていないのだと理解した。


「覚えてないのなら、良いのです」


「正直意味不明よ?あなた」


「あはは・・・ごめんなさい・・・、それでは別の話を、アリシア、ジューベルをどうするのですか?」


アリシアに意味不明だと言われたメアは話を変え、ジューベルをどうするのか聞いた。


「私のお父さんとお母さんが死ぬ事になった元凶なのよ?、殺すに決まってるじゃない」


メアに向けていた暖かい瞳から、曇り切った冷たい瞳に変わったアリシアは、ジューベルを殺すと言った。


「彼を殺した後は?」


「戦争の準備をする、それが終わったら戦争を始めるわ」


「・・・、ジューベルは勝手にして下さい、でも戦争を起こすのだけはなんとしてでも止めますから」


「経った一人で一国の動きを止めれるとでも?」


「出来ますよ?、あなたの友達として帝国の最大権限者の皇帝であるあなたを説得すれば良いのです」


アリシアを説得すると言ったメアはアリシアと目を合わせる、しかしアリシアはすぐに視線を逸らしてしまった。


「私はあなたの友達ではないわ」


「なら、友達になれば良いだけです、もう一度友達になりましょう、アリシア」


メアに友達ではないと告げるアリシア、対するメアは友達になろうと手を差し出すが、アリシアはそれを無視しベッドから降りる。


「昨日の事は感謝してるわ、でもこれ以上は無い、勘違いするな」


冷たい瞳でメアを見据えるアリシアは、メアから視線を逸らすと部屋から出て行った。


「・・・今回もダメでしたか、でも・・・挫けたりなんてしない、私はアリシアを諦めません!!」


一人、アリシアを諦めないと宣言したメアもアリシアを追って部屋から出る。



浴室


「・・・、なんであなたも入って来るのよ?」


「だって私、昨日お風呂入ってませんし、女の子としてお風呂に入りたいですし」


前日、風呂に入れていなかったアリシアはメイド達を呼び朝風呂をしていた、するとメアも風呂に入って来て、アリシアはメイド達に磨かれ、メアは自分で洗うと言う格好になっている。


「相変わらずちっさいわね」


「ふん、剣士として邪魔でしかない水風船なんていりません、今は寧ろその邪魔な物がなくて良かったと思ってます」


アリシアに水風船が小さいと言われたメアは、小さな胸を張り胸がなくて良かったと言う。


「と言いつつ欲しいくせに」


「いらないです」


「嘘つかないの」


「付いてません」


子供のような言い合いをするアリシアとメア、それを聞いたメイド達はクスクスと笑う、その間にアリシアの体を洗い終わり、それを確認したアリシアは浴槽に入る、メアも続く。


「・・・、それで?、次は何をするのですか?」


浴槽に浮かぶ水風船をジーと見つめながら、メアはアリシアに次は何をするのか聞いた。


「ギグルスのアジトに攻撃を仕掛ける、あなたも理解してるでしょうけど、奴等の本部は確実にギグルスにあるわ、なら同じギグルスにあるアジトに情報があるかもしれない、それを探しに行くの」


「分かりました」


メアはアリシアの言葉に頷く、それを見たアリシアはメアの視線が鬱陶しくなり腕で水風船を隠す、メアはもっと見せろとアリシアの腕を掴み水風船から退かせようとするが、アリシアは全力で踏ん張っており、腕を退かせない。


「そんなに見たいのなら、自分のちっさいのでも見てなさいよ!」


「やです!、もう大きくなくて良いとは思ってますが、見るなら大きいのが良いのです!」


「さっきからあなた意味不明すぎよ!」


うぬぬうむむと踏ん張り合うアリシアとメア、このよく分からない戦いの勝者は、パワーが勝るメアだった。


「はぁはぁ・・・、こんなつまらない事なのに負けたのが悔しい!」


「ハッハッハ!、これぞゼロのスタイル使いのパワーです!、さぁあなたの水風船を見まくりますよぉ!」


「させないけどね?」


「えっ?」


水風船を見まくると言うメアの腹に足を当てるアリシア、そのまま転移魔法を発動させた。


「ちょっ!?、いくらなんでも酷すぎ!」


「それじゃーねー」


慌ててアリシアから離れようとするメアだがアリシアの転移魔法の速度は速く、シュンと言う音と共に消えて行った。





「沢山の人に裸見られたじゃないですかぁ!、なんて事してくれるんですかぁ!」


数秒後、顔を真っ赤にしたメアが洋室に戻って来てアリシアに掴み掛かる、それを見てニヤリと笑ったアリシアは・・・?。


「あっ」


メアをもう一度街のど真ん中送りにした、数秒後顔を真っ赤にして再び舞い戻ったメアは、お湯に浸かると三角座りをする、どうやら二度も大勢の人々に裸を見られたのが大ダメージだったようである。


そんなメアを見たアリシアはイタズラが成功した子供のような表情を見せる。

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