表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セブンススタイル  作者: ブレイブ
第二部、六章、ノースフィアとの戦い編
136/344

五話、新たなファントム

皇帝の寝室


「・・・」


朝、前日散々血を吸われとことんアリシアに虐められた、貧血気味で顔の青いアイリーンは隣でスヤスヤと眠る母を恨めしげに見ている。


「・・・、やり返すべきですわ、そうに決まってます!」


暫く恨めしげに母を見ていたアイリーンはそおっとアリシアに覆い被さり、一気に首元に牙を食い込ませ、前日やられたように思いっきり血を吸い始めた。


「んん、朝からお盛んね、アイリーン」


(なんで余裕そうなんですか!?この人!?)


しかしアリシアは乱れまくったアイリーンとは違い余裕そうな表情で娘の頭を撫で、血を与える。


「でもいきなり吸うのは感心しないわね」


(ま、マズイ)


母の言葉を聞いて牙を引き抜いて逃げ出そうとするアイリーンだが、アリシアは左手でアイリーンの体をガッチリと抑えており逃げ出せない。


「逃げ出そうとしてるけど、また私に血を吸われるとでも思った?、昨日アレだけ吸った後にそんな事はしないわ、今はね」


(絶対そのうち急にお仕置きされちゃいますわこれ・・・)


「まっ、昨日はやり過ぎたと私も思ってるし、あなたが欲しいだけ私の血を吸いなさい、今はね」


(それはやった!、ですわ!)


アイリーンはアリシアが二度も今はねと言ったのを気にしつつも、喜んで母の血を吸い始める、アリシアは優しくアイリーンの頭を撫でる、すると扉が開きニアが部屋に入って来た。


「お母様の血の匂いがすると思ったら・・・、ズルいわよ!」


「怒らないの、アイリーンが終わったらあなたにもあげるわ」


「ほんと!?、それなら良いわ!」


この後、ニアにも血を与えたアリシアはドレスに着替えると二人の娘と共に部屋を出る。



ファントム開発部


執務をしているとミッセルから新型ファントムのプロトタイプが完成したとの知らせを受け、アリシアはエリシアと共にファントム開発部に入った。


「ようこそ、陛下、エリシア様、ファントム開発部へ」


ミッセルが早速アリシアとエリシアを出迎え頭を下げる。


「ええ、それで?、フォトンリウムを装甲に使った新型は?」


「こちらです」


アリシアが新型について聞くとミッセルは早速案内を始める、ファントム開発部の奥地に入ったからは一機のファントムの前で立ち止まる。


「これが、我がアトリーヌ帝国、最新鋭機です」


「レギルスやギルスに似てるわね」


「はい、ベースはあの機体ですので」


最新鋭機は基本的にギルスの外観を引き継いでおり、頭部のツインアイがモノアイにへと差し替えられている、機体色はプロトタイプである為か、灰色だ。


「陛下、一つお願いがあるのです」


「何かしら?」


「この機体に名前を付けて欲しいのです」


「あら、良いわよ、うーん、何にしようかしら」


ミッセルに最新鋭機の名前を付けて欲しいと頼まれたアリシアはうーんと考え始め、とある名前を思い付き、口を開きその名を言う。


「この機体の名は、アテナよ」


「異世界の女神の名か、良い名じゃないか」


「でしょう?」


「それでは、そのようにデータベースに登録致します」


ミッセルは早速端末に最新鋭機の名をアテナと設定した。


「それでは予定通り、このプロトタイプをベースにまずは陛下の側近様方の機体を製造致します」


「ああ、頼んだぞ、何日で出来る?」


「早ければ一週間後にでも」


「そうか!、楽しみだ!」


ようやく自身の専用機が手に入ると聞きエリシアは喜ぶ。


「ねっ、ミッセル、この機体に乗ってみたいのだけれど、良いかしら?」


「既に試運転を済ませており、安全確認を済ませてありますので、問題ありません、どうぞ、我が帝国の最新鋭機をお試しになられて下さい」


「ありがとう、お姉ちゃん、適当な機体を借りて模擬戦の相手をしてくれない?」


「良いぞ」


アリシアがアテナを使っての模擬戦をして欲しいとエリシアに頼むと、エリシアは頷き快く引き受けた、それを見たアリシアは姉に背を向けると、アテナに乗り込む。


「コクピットの中は帝国仕様なのね」


帝国仕様のコクピットは、シートがバイクのようになっている、操縦桿はシートの前、フットペダルはシートの後方についており、モニターは全天タイプだ、エンジンの起動方法はゼウスと同じくキーを捻ると始動する、ちなみにこの帝国仕様のコクピットにゼウスのコクピットを換装する予定もある。


「ギグルスの機体に慣れている陛下には違和感があるかもしれません」


「大丈夫よ、お姉ちゃんにファントム操縦を鍛えて貰っている時に、帝国のファントムにも乗っていたから」


「それなら問題ありませんね」


「ええ、それでは起動させるわ」


「はっ」


アリシアはキーを捻りアテナのエンジンを起動させた、するとフォォォンと音がしエンジンが起動しモニターが点灯する、点灯したモニターにはOSが起動するのと同時に帝国の国旗が表示される、 OSの起動が終了すると操作可能とモニターに表示された、それを見たアリシアは操縦桿を握るとアテナと共に帝都の模擬戦場に向かう。



帝都、ファントム模擬戦場


アテナを操縦すると一機のファントムが待っていた、エリシアが乗る帝国の一般的な機体ソルだ、ジームより性能が下であるこの機体だが、操縦性に優れており、腕次第ではミウラとも張り合える機体である。


「早速やろうか、アリシア」


「ええ」


アリシアにとって、ファントム操縦の師匠であるエリシアが、ソルに模擬戦用の低出力ヒートソードを構えさせる、アリシアも同じく開発部から持って来たヒートソードを構えさせた。


模擬戦のルールは大抵のファントムに搭載されている模擬戦モードの仕様に従ったものだ、その詳細は五回攻撃がヒットしたとコンピュータが判断すると、ファントムが機能を停止せると言う物だと。


「さぁ!、行くわよ!アテナ!」


アリシアはフットペダルを足で押す、するとブースターが起動し、ゼウスよりは遅いが、ギルスより速いスピードでアテナは加速し、ソルに迫った。


「速いな!、だが!」


優れた操縦技能を持つエリシアは圧倒的に性能が上のアテナの突進を避けた、そしてアテナの背中に向けて斬りかかるが、エリシアの予想よりも速くアテナは回頭し、ソルのヒートソードを受け止めた。


「はい、一回目よ、お姉ちゃん」


アリシアはアテナの左腕でソルの装甲を小突く、するとソルのモニターに表示されているカウンターが0から1に変わった、これが5になったら機体の機能が停止する。


「驚くべき反応速度だよ」


「そうね、これはすごい機体だわ!」


アリシアはアテナの優れたパワーでソルを押し切った、押し切られたエリシアは崩れた姿勢を戻しつつスラスターを吹かし後退するが、既にアテナが剣を頭上に振り上げ迫っていた。


「させん!」


アリシアよりファントム操縦の技能で勝るエリシアは、振り下ろされる腕をソルの左手で抑え止めた、そして蹴りを放ち、アテナのカウンターに今の攻撃をカウントさせる。


「やるわね!、さすがお姉ちゃん!」


「性能で勝る機体に勝ってこそ、一流のファントムパイロットだからな!」


エリシアは続け様に突きを放つ、アリシアは突き出された剣を掻い潜ると、剣を下から振り上げる、エリシアはその剣を機体を捻らせ避けつつ、剣を振るいヒートソードをアテナに当てた、これでアテナのカウントは2、ソルのカウントは1となる。


「何よ!、その動き!」


「はっはっは!、これがお前より上の私の私の操縦技能だぁ!」


「ムカツクぅ!」


今のエリシアは確実にドヤ顔をしているのだろうと思い、イラついたアリシアは全力でペダルを踏み込みアテナの全速力でソルに迫る。


「ちょっ!?、いくらなんでも速すぎだろう!、そんな速度ソルに反応出来るか!」


猛スピードで迫るアテナ、エリシア自体は反応出来ているが、ソルが追従し切れず、アテナのタックルを喰らい、ソルは地面に倒れた。


「お姉ちゃんが私を挑発したのが悪いのよ!」


続けてアリシアは倒れたソルに剣を振り下ろす、倒れた機体では避けれず、二回機体を斬り付けられエリシアがなんとか機体を移動させるまでの間にカウントは4となった。


「追い詰められたわね!、お姉ちゃん!」


「まだまだ!」


まだ三回被弾出来るアリシアは大胆にソルに迫る、対するエリシアは繊細な操作でアテナの斬撃を避け続け、アリシアの攻撃が大振りになった所に蹴りと斬撃を叩き込み、アテナのカウントを4とした。


「お姉ちゃん強すぎ!、こっちは性能で完全に勝ってるのになんなのよそれ!」


「さっきも言っただろう!、これが私の操縦技能だぁぁぁ!」


「あー!、ムカツクゥゥゥ!」


最早ただの姉妹喧嘩だが、楽しそうな二人は同時に最後の攻撃を放った、勝ったのは・・・?。


「うむむ・・・、性能差はやはりデカイか・・・」


アリシアだった、同時に斬撃を放った為、機体速度の速いアテナの斬撃が先に当たったのである、しかしソルは機能を停止させつつもアテナの装甲にヒートソードを当てており、ソルの動きがもっと速ければエリシアの勝ちであったかもしれない。


「引き分けな気しかしないんだけど、ねっ、もう一回やろお姉ちゃん、今度は圧勝してやる」


「良いぞ、やってやろう」


この後、二人は機体のフォトンエネルギーが限界に近くなるまで模擬戦を続けた。



ファントム開発部


「新型の性能、如何でしたでしょうか?」


アテナを開発部に戻し、アリシアが機体から降りると、ミッセルが早速、アテナの性能について聞いてきた。


「期待通りよ、早速量産しなさい」


「はっ!」


アリシアは期待通りだと答え、それを聞いたミッセルは嬉しそうにする。


「それじゃあね、ミッセル、アテナに続く更なる新型も期待しているわ」


「はい、お任せくださいませ、皇帝陛下」


アリシアは頭を下げるミッセルに手を振ると、姉と共に城に戻って行く。

ATF-078、アテナ


機体説明、アリシアが奪取したレギルスを元に帝国の技術を掛け合わせ設計した帝国の最新鋭機である、その機体性能はレギルスやギルスを上回り、武装は帝国製の新型が搭載されている、外見は体はレギルスやギルスに似ているが若干大型化している、頭部はモノアイ式。


全長、19.6メートル


重量、62.3トン


動力炉、魔導炉×1


基本機体色、プロトタイプはグレー、量産仕様はレッド


基本武装、ビームライフル×1、ビームサーベル×2、バルカン×2、シールド×1

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ