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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第二部、五章、皇帝と闇の遺跡編
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二十一話

アリシアが搭乗したので先にゼウスの紹介を。


YFNL-010-Z、ゼウス


全長、18.9メートル


重量、72.6トン


動力炉、強化魔導炉×1


機体色、黒


基本武装、ビームバスター×2、ビームブレイド×2、レールガン×2、フライトユニット


皇帝アリシアの専用機、レギルスを徹底的にチューンした機体であり元の機体の十倍の戦闘能力を有している正に世界最強のファントムである。


ビーム色はギルスやレギルスの緑から赤に変わっている。

ソソンガの町


町の上空から急降下しているアリシアは、同時に状況確認をしている、モニターの表示によると敵機は二十機のようだ。


「基本的にミウラか、・・・ふふ、ギルスもいるじゃない、楽しめそうね!」


町を襲うファントムはギグルス製の高性能機が大半を占めていた、その中に二体ギルスがいるのを見つけたアリシアは、楽しそうに笑いながら、町を襲うミウラの真後ろに機体を荒々しく着陸させた。


「こ、皇帝専用機か!だが!」


ミウラのパイロットは機体を急旋回させつつビームサーベルを振るおうとしたが、アリシアはその前に機体にビームバスターを構えさせ、トリガーを引く、放たれた強力なビームはミウラの胴体を容易く貫通し、その先にいたもう一体のミウラの胴体すら貫く。


「一気に二機も破壊するとは!、しかし!、こちらはまだ十八機いる!、この数の差に勝てると思うな!」


町中にいる十八機のファントム達は、現状の一番の脅威であるゼウスを破壊する為に集まって来る。


「撃て!、撃てぇ!」


先に到着した者から弾を放つ、迫る弾を見たアリシアはビームバスターを右手のビームバスターを腰部のマウントラッチに担架すると、ビームブレイドを抜き、弾を斬り払った。


「た、弾を斬るだと!?、な、なんと言う反応速度!」


ゼウスが弾を斬ったのを見たミウラのパイロットは驚愕する、彼が驚いていた間にそのミウラに迫っていたアリシアは、コクピットに向けて全力の蹴りを放たせ、コクピットを押し潰し中のパイロットを圧死させる、蹴った反動で宙に浮かんだゼウスは、左手のビームバスターを放ち、更に二体のミウラを撃ち抜く。


「あっはは!、張り合いがないわよ!、もっと私を楽しませなさいな!」


アリシアは自分以上のファントムパイロットであるエリシアからファントム操縦を鍛えて貰っており、未だ技量ではエリシアに劣りはするが、十分にスーパーエース級の操縦技量を身に付けていた、その為アリシアは張り合いがないと言いもっと楽しませろと敵に言う。


「遊びでは無いんだぞ!」


皇帝の言葉を聞いた敵パイロット達は怒りを感じて叫びながら、二体のファントムのジェネレーターを接続して発射するビームランチャーを放つ、それを見たアリシアは機体を加速させ、迫るビームの真下ギリギリを飛びつつビームランチャーに迫ると下から斬り裂いた、武器を失った二体は後退しようとするが、その前にレールガンでコクピットを撃ち抜かれ力なく地面に倒れる、残り十三体。


「くっそぉぉぉ!」


ズシンズシンと足音を鳴らし、四体のミウラが同時に斬りかかって来る、ゼウスはミウラとは次元の違う俊敏な動きで地面を走り、同時に振り下ろされた斬撃を余裕で避ける、そして一体のミウラを蹴り飛ばさせたアリシアは、ビームバスターでそれを撃ち抜き二体まとめて倒し、もう二体をビームブレイドと斬り裂き破壊する。


「ほらほらぁ!、もっともっと行くわよ!」


バトルシア人としての闘争本能を存分に満たしているアリシアは、楽しそうに笑いながら、残り九体のファントムに斬りかかって行く。



「強い・・・、バトルシア人ってやつか!」


「恐らくは・・・」


メアと灯理とリーフィアはバトルシア人達の動きの良さに舌を巻いていた、動きのいい敵は厄介な物である、そんな敵がざっと数えても五十人ほどいる、どうしてもたった三人の戦力では倒すスピードが遅くなってしまう、こうしている間にもメア達と戦っていない洗脳バトルシア人達は町の住民を殺して行っているのに、それに焦るメア達は状況を切り開く為に大技を放つ。


「フィアちゃん!、纏めてぶっ倒すよ!」


「ええ!」


「「イクリプス!」」


灯理とリーフィアはかつて二人の母がそうしていたように手を合わせ合うと、同時に繋いだ手を前に突き出し、強力な魔力の斬撃を放つ技であるイクリプスを放つ、放たれた斬撃は複数のバトルシア人達を斬り裂き打ち倒して行く。


「凄い・・・」


二人の合体技の強力な威力を見たメアは感心しつつ、自分も左手に魔力を込め、ゼロブラスターを放った。


「!?」


迫る強力な砲撃を見てバトルシア人達は慌てて避けようとするが勿論間に合わない、強力な砲撃に飲み込まれた彼等は跡形もなく消滅する。


甘さを見せれば負ける、それを理解しているメアは殺しをする事に躊躇をせず、バトルシア人達に攻撃を仕掛けて行く、それがアリシアの同族殺しである事を理解しつつも。



「後はあなた達だけね?」


「くっ」


「負けないわ!」


アリシアは敵を残り二体まで追い詰めていた、残る二機はどちらもギルス、二機はミウラよりも圧倒的に早いスピードで地面を走ると、ゼウスに迫って来る。


「ハハッ!」


闘争本能を隠しもせず楽しそうに嗤うアリシアは、二体の強者を迎え入れる、斬りかかって来る一体の斬撃をスッと後ろに身を引く事で避けると、膝打ちをギルスの胴体部に喰らわせた、その衝撃に中のパイロットは脳が揺さぶられるがなんとか堪え、ゼウスに向けてビームサーベルを放つが、アリシアはビームブレイドで余裕で受け止める。


「このぉぉぉ!」


敵パイロットはゼウスを押し込もうとするが、ギルスより圧倒的にパワーで優るゼウスはピクリともしない、その間にゼウスの背後を取ったもう一機がビームを撃つがアリシアは横目でそれを見て照準を合わせるとビームでビームを撃ち相殺した。


「なんて技量!、でもぉぉ!」


ビームを相殺されたもう一体のパイロットはゼウスに迫って行く、アリシアはそれを見て視線を逸らすとビームサーベルで押し込もうとして来るギルスを押し切り返した。


「死ね」


アリシアは倒れたギルスのコクピットをゼウスの足で思いっきり踏み付ける、その一撃でギルスのパイロットは死んだ、そして機体をしゃがませるとギルスのビームサーベルがゼウスの頭頂部を素通りする。


「あっ・・・」


「さようなら」


通信機を通して聞こえて来る敵パイロットの絶望の声、その声を聞いて邪悪に嗤うアリシアは、ビームバスターで敵のコクピットを撃ち抜き、全二十機のファントムを僅か五分で仕留め終えた。


「終わっちゃったわね・・・、なら敵のリーダーでも探しに行きましょうか、ゼウス、あなたはメサイヤに帰還しなさい」


コクピットを開け、ゼウスから飛び降りたアリシアはゼウスにメサイヤに戻るよう言う、それを聞いたゼウスは自動で立ち上がるとコクピットを閉めてから、空を飛んでメサイヤに戻って行った。


アリシアは更に戦いを楽しむ為、敵のリーダーを探し、町の中を鼻歌を歌いながら歩く。



「あれが、ゼウスと皇帝アリシアの力、ふふ、ファントムに乗って相手をするのも楽しめそうね」


ピーナはアリシアとゼウスの強さを見て敵の強大さを感じ、あんなに強い者を自分が殺すのだと言う高揚感を感じていた、そして強く魔力を撒き散らす。


「はしたなく魔力を放っている奴がいると思ったら、あなただったのね、ピンクちゃん?、洗脳も解けてるみたいだし、良かったわね?」


その魔力を感じてアリシアが即ピーナの元にやってきた、剣と杖をその手に持っている、そしてピーナの洗脳が解かれる可能性も想定していた為、洗脳が解けている事に驚いた様子はない。


「あら?、あなたと戦いたくてわざわざ居場所を教えてあげたのよ?、ここまで来れた事を寧ろ感謝してほしいわね!」


ピーナはビルルを殺した憎むべき相手、アリシアに斬りかかる。


「ふふ」


アリシアはピーナを見下した表情を見せると、余裕で斬撃を受け止めた。


「チッ、バトルシア人の血を使って強化された私の斬撃を余裕で受け止めるなんて・・・、流石はレイティスの名を持つバトルシア人の女王様ね!」


「バトルシア人の血を使って強化ですって?」


アリシアがピーナの言葉に反応しその意味を聞き返す。


「ふふっ、ええそうよ、ノースフィアの研究の結果、普通の人間にバトルシア人の血を投与すると物凄く強くなれる事が分かったの、だから何人ものバトルシア人を捉えてチューブを繋いで、血を生産する製造機になって貰ってるのよ、ふふふ、あんた達みたいに戦いしか出来ない民族にはチューブに繋がれて血を生産するだけでも難しすぎるお仕事かもね」


明らかにバトルシア人を馬鹿にしたピーナの言葉、それを聞いたアリシアは激しい怒りの表情を見せた。


「私達はアンタ達の道具じゃないわ!」


アリシアはピーナの腹を蹴りを打ち込むがピーナは怯みすらしなかった。


「あはは、痛くも痒くもないわねぇ、どうしたの?お嬢ちゃん、それでも本気?」


ピーナは腹に突き刺さったままのアリシアの足を払うと、アリシアが飛び退く前に腹を蹴り飛ばした。


「グッ!?」


ピーナの強力な蹴りを喰らったアリシアは顔を歪ませ腹を抑えながらその場に倒れ込んだ。


「うっふふふ、凄い凄い、これが新しい私、あの時は手も足も出なかった、クソガキを一撃で跪かせちゃった!」


ピーナは遥かに増した自分の力にうっとりとしつつ、蹲るアリシアを何度も蹴り付ける。


(クソ・・・、皇帝である私がこんな女に跪かされたですって!?、こんなの許されない事よ!)


痛みを堪え何とか動いたアリシアは、後ろに飛び退き剣を構えてピーナを睨み付ける。


「おーおー怖い怖い、ほらかかって来いよクソガキ」


ニヤニヤとした笑みを見せつつアリシアを挑発するピーナ、その表情を見て更に怒ったアリシアは斬りかかるが、ピーナは一瞬でその場から消えた。


「嘘・・・、この私が追い切れない!?」


「あはっ、あなたの負けよ」


アリシアはピーナの動きを追い切れなかった事に驚く、アリシアの真後ろに現れたピーナはアリシアの真後ろに現れると、後ろから大剣を突き刺した。


「あっ・・・」


「ふふ、心臓もーらい、さようならね?皇帝陛下様?」


ピーナの剣はアリシアの心臓を貫いていた、ピーナは邪悪に笑うとアリシアから剣を引き抜き、アリシアは力なく倒れる。


「アリシアァァァァ!、お前ぇぇぇぇぇ!」


遅れてこの場にやって来たメアは激しく魔力を周囲に撒き散らしながら、アリシアを刺し貫いたピーナに迫るが、ピーナほメアを見てニヤリとした笑みを見せてから転移しこの場から去って行った。


「アリシア!?、アリシア!?」


ピーナに逃げられたメアはアリシアを抱き起こし名を呼ぶ、しかし心臓を刺し貫かれたアリシアの反応はない。

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