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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第二部、五章、皇帝と闇の遺跡編
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二十話

アリシア達の秘密基地


「・・・」


メアに殴られた後、スパイ達のアジトから離れたアリシアはオルビアの町の近くにある、数年前にグレイとシメラと共に作った秘密基地にやって来ていた、秘密基地は木の上に作られており、シメラの魔法を活用した為、小さいながらに割と完成度の高い小屋となっている。


「ここにいたのか、アリシア」


アリシアがメアに殴られて痛む頬を抑えながら秘密基地を見つめていると、グレイとシメラがやって来た。


「ここにいちゃ悪い訳?」


「別に〜悪くないよ〜、ここは私達のもう一つの家だもん〜」


そう言ってシメラはアリシアに優しく微笑みかける。


「なぁ、中に入らないか?、アリシア」


「良い、こんなつまらない物を作った自分を笑いに来ただけですもの、中に入るつもりなんてないわ」


「そう言わず、ね?」


シメラはアリシアの手を引くと、秘密基地の前にアリシアを連れて行く、グレイも後を追い扉を開けた、グレイとシメラは若干無理矢理だがアリシアと共に秘密基地の中に入る。


秘密基地の中には小さな机と、三人の様々な宝物や、本が置かれている。


「なぁアリシア、俺とシメラがエンジェルズに入って、忙しくなってここに来れなくなった後もお前がここに来て、掃除をしてくれてた事、俺ら知ってたんだぜ?」


グレイが言う通り、アリシアはメッシュに剣を教えてもらったり、孤児院の手伝いをしたりしている合間の時間に、初めての友人であるグレイとシメラとの思い出の場所であるこの秘密基地に帝国に行く前までは一人で訪れ掃除をしていた、アリシアにとって輝かしい思い出の場所である、この場所を汚さない為に。


「それがどうしたって言うの?、私はこんな場所なんてもうどうでもいい、だってここはギグルスの一部なのだから!」


しかし、ギグルスを強く恨むアリシアにとって、この大切だった筈のこの場所も憎しみの対象となっていた、そしてアリシアはまた恨みと憎しみに染まり切った瞳を、グレイとシメラに見せる。


「アリシアがこの国を恨んでるのは知ってる、でもここでの思い出は楽しかったでしょ?、楽しかったからこそ、アリシアはここに来たんじゃないの?」


シメラはアリシアの瞳を見て悲しく思いつつも笑顔を絶やさず、アリシアの手に取ると話しかける。


「それってアンタ達との思い出を私が楽しいし大切だって思ってるって言ってるのと同じね、今の私はアンタ達との思い出なんて忘れたくて忘れたくて仕方がない物よ!」


アリシアはシメラの手を振り払うと扉に近付いて行く、そして振り返りこう言った。


「メアにも言ったけどさ、アンタ達って本当におめでたい頭をしてるわよね、はっ、馬鹿みたい」


冷たい瞳でシメラとグレイを馬鹿みたい、そう言ったアリシアは二人から視線を逸らすと、秘密基地から出て行った。


「・・・、ねぇグレイ、掃除してから行こっか」


「あぁ」


二人はアリシアが一人で掃除をしていた秘密基地の掃除をする。



ゾルフィル王国、ソソンガの町


ここはゾルフィル王国のソソンガの町、大剣を背負うピーナはビルの上に部下達と共に立っている。


「始めよっかみんな、ぜーんぶ壊しちゃえ」


薄笑いを見せるピーナは部下達に町を壊すように命令した。


「「はっ!」」


部下達はピーナに返事を返すと町を破壊しにビルから飛び降り、町の外に控えていた通信機で会話を聞いていたノースフィアのファントム部隊も町に向かって行く。


「ふふ、バトルシア人って良いよねぇ、強くってさぁ、ねぇ皇帝ちゃん?」


ピーナは町に散らばりテロ行為を始めたバトルシア人の洗脳兵士達とファントムを見て、ニヤリと笑う。




オルビアの町


「アリシア、ゾルフィル王国のソソンガの町でテロです、至急向かうのでついて来て下さい」


秘密基地の前からオルビアの町に歩いて戻って来たアリシアの目の前にメアがやって来る、灯理とリーフィアも一緒だ。


「ええ、良いわよ」


アリシアは頷き、ついて行く事を了承した。


「それでは飛空艇へ、メサイヤの速度なら数分でソソンガの町にまで、辿り着けます」


「ええ」


アリシアとメアと灯理とリーフィアはメサイヤに向かい乗り込んだ、そしてメアが操縦席に座る。


「少し待ちなさい、この飛空艇、ファントムを積めるのよね?」


「はい、積めますが、何を?」


メアはファントムを積めるのか?と聞いて来たアリシアが、何をするつもりなのか気になり振り返って質問をする。


「なら、ゼウスを持って来るわ、敵は確実にファントムを使って来るからね」


「分かりました」


アリシアのゼウスの力を借りる事が出来るのなら、メアとしては借りたい、その為メアはアリシアがゼウスを取りに行くのに頷いてみせ、アリシアはゼウスを取りに帝国に一度戻る。



ソソンガの町


飛空艇がソソンガの町の上空に到着した、メアは格納庫のゼウスと回線を開き、コクピット内にいるアリシアにその事を伝える。


『アリシア、ソソンガの町の上空に着きました、出撃して下さい、私達もすぐに飛空艇を着陸させ、町を襲う歩兵達の相手をします』


「了解」


メアの言葉に頷いたアリシアは、キーを捻りゼウスのエンジンに火を入れる、そしてメサイヤのカタパルトにゼウスの足を接続させると・・・。


『ゼウス、出撃、どうぞ!』


「ええ、YFNL-010-Z、ゼウス、アリシア・レイティス、出る!」


ゼウスと共に出撃をした、カタパルトから出撃したゼウスは悪魔のような翼を開きフライトユニットを起動させると、空を飛ぶ。


「さぁゼウス、私とあなたの初陣よ、華々しく舞うとしましょうか!」


戦闘前の高揚感に包まれているアリシアは楽しそうに笑うと、フットペダルを踏み込み、ソソンガの町に急降下して行く。




「あれは、皇帝の機体!、来たのね!アリシア・レイティス!」


空から降りて来る漆黒の機体を見たピーナは部下に通信を入れ、ゼウスに攻撃を集中するよう、命令をした。


「さぁ、見せてもらおうじゃない、帝国最強の機体の力を!」


ピーナが見守る中、ゼウスとノースフィア所属の複数のファントムの戦いが始まった。

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