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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第二部、五章、皇帝と闇の遺跡編
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七話

皇帝の飛空艇、浴室


飛空艇に戻ったアリシアはアイリーンに体を洗わせた後、浴槽のお湯の中に浸かっている、そして浴槽の縁に腕を乗せ浴室内にあるモニターを通しアルムスと会話をしていた。


「無宗教団体の組織名が分かったわ、アルムス」


「・・・、襲われたのか?」


襲われたのかを聞くアルムスの声色は明らかにアリシアを気遣ったものであった。


「ええ、でも力を増した私の相手では無かったわ、安心なさい?、怪我はしてない」


アリシアはアルムスが自分の事を心配してくれたのが嬉しく、微笑みながら問題はない事を伝える。


「そうか、ならいい、して?組織名は?」


「ノースフィアよ、恐らくだけど、スフィアが宗教を示す言葉なのでしょうね、スフィアには天体と言う意味がある、そして確かに沢山の人が集まり信仰する宗教は、沢山の星が集まる天体のようなものかもしれないわ」


「ノースフィアだな、分かった、ギルシオ殿にも伝えておこう」


「・・・、私が言ったのは組織名だけじゃないのだけれど?」


「近いうちに私の妻となるとは言え女性の裸を画面越しだとしても見続けるのは男として恥ずかしいのだ・・・、察してくれ」


そう言って画面から目を逸らすアルムス、アリシアはおっ?と思い下を見る、確かに自分は下半身はお湯で隠れて見えないとは言え素っ裸である。


「あら?、ごめんなさい」


そう言って腕で胸を隠すアリシア、チラリと画面を見たアルムスが画面を正面から見たところで、腕を広げる、するとアルムスはまた顔を逸らす。


「歳上を揶揄うな」


「ふふん、この前の仕返しよ」


「うむむ・・・」


揶揄い返されたアルムスは顔を逸らしながら不満げな顔をする、アリシアはそんな彼を見てクスクスと笑う。


「それで?恥ずかしがり屋アルムス君?、他の遺跡は見つかっていないのかしら?」


「それはまだだ」


「そう・・・出来るだけ早くね?、あいつにいつまでも負けているのは気に入らないもの」


「分かっている」


アリシアの言葉にアルムスは顔を逸らしながら頷く。


「それじゃまたねアルムス、帰ったら食事にでも連れて行ってくれると嬉しいわ」


「・・・、我儘姫め、まぁ用意はしておく」


「ふふ、楽しみにしてるわ」


「うむ」


アルムスとの通信が切れる、会話の内に十分に疲れを癒せたアリシアは浴槽から上がり、アイリーンと共に浴室を後にした。




飛空艇、操縦室


翌日、アリシアは操縦室の皇帝の椅子に座り、モニターに映し出される世界地図を見ていた、そこには残り六つの遺跡の場所が記されている。


「ギグルスにもあるのね」


「ええ、この分布を見るにあなたのご先祖様は本当に世界中に作ったみたいだから、・・・ギグルスに行きたくない?」


「私の力を完成させる為よ、どこにだって行くわ」


「無理はするなよ?、アリシア」


「ありがとう、でも大丈夫よ」


そう言ってアリシアはモニターに近付き指差す、そこはこの場所から近いダールボルン王国領の、ミナック川の近くにある遺跡だった。


「近いしここから行きましょう、次はギグルスに行くわ」


「了解」


キースは飛空艇を起動させアリシアが椅子に座ってから、ダールボルン王国領、ミナック川近くに向けて機体を発進させた。





ミナック川


キースは機体をミナック川に着水させた、アリシア達が機体から降りるのと同時に、光学迷彩が働き周囲の風景に溶け込むカモフラージュが成された。


「ニア、遺跡はどこ?」


周囲を見渡しても遺跡は見当たらない、その為アリシアはニアに遺跡の場所を聞く。


「待ってね・・・、うーん座標的にここの北にある町のさらに先にあるみたい」


ニアは端末を取り出し操縦席内のモニターに映し出されていた地図と同じ地図を、端末に映し出させると座標の位置から遺跡はこの先の町のさらに北にあると言った。


「瘴気溢れる遺跡の近くに町を作る理由は・・・、瘴気の監視かな?」


「恐らくね、私達みたいに闇の魔力を使う人以外には瘴気は毒でしかないから」


同じように前日に行ったレッドバール山脈の麓にも瘴気の監視の為の村があったが、用はないのでアリシア達は口にしなかった。


「そういう町に兵力がない筈がない、注意が必要ですね」


「それに不法侵入者だしな俺達、兵士に見つかったら面倒な事になる」


そう言って見つかれば特に面倒になりそうな皇帝の顔をキースは見る。


「何かしら?」


「な、なんでも?」


「?、それじゃ行きましょう」


「ええ」


アリシア達はミナック川から離れ遺跡に向けて歩き始めた、暫く歩いているとこの周囲が瘴気溢れる地が近いためか乾燥した土地である事が分かる、それを見たアリシアは無事遺跡の中に龍脈が出来ているのだと判断し、ほくそ笑んだ。


「見えました、町ですわ」


30分ほど歩いた所で町を見つけた、遠目に見ても数体のファントムが見える、やはり瘴気の監視の為に軍が陣地を敷く町のようだ。


「軍か、見つかりたくはない、避けて進もう」


「ええ」


軍ならばアリシアの顔は確実に把握しているだろう、その為見つかれば面倒な事になる、アリシア達は町を避けるように、森の中に入って行く。




「ふふ、見つけた」


森に行くアリシア達を一人の少女が見つめていた、その胸にはノースフィアのマークが刻まれている。


「さぁ、早速戦ってみよう!」


少女はアリシアとの楽しい戦いを想像し微笑みながら、アリシア達を追い自分も森の中に入って行った。

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