三話
今回は愛理の娘達の金色の九尾3のその後の紹介も兼ねたお話です。
地球、アメリカ、レベンと愛理の家
愛理と共に未来のアリシアは地球にやって来ていた、現在は一度DIVAと融合した未来のアリシアにDIVAの気配を盛って貰っている。
「どうかな?」
「今の所はいないみたい」
「そう・・・」
愛理はまだDIVAがいないと聞き安心する。
「さてと、悪いんだけど魔王の仕事が溜まっちゃっててさ・・・、今から仕事に行かないといけないんだ、だからあなたの事を任せる子を紹介するね」
愛理がそう言うと一人の九尾が入って来る。
「初めまして、私は久城灯理です」
灯理はこの世界に二人いる、過去にタイムトラベルしてやって来た別の次元の愛理が産んだ灯理と、この次元の愛理が産んだ灯理だ、この灯理はこの次元の愛理が産んだ灯理である、大人になった彼女は愛理と同じく誰が見ても美人と言う程の美女になっていた、まだ結婚はしていない。
現在の灯理はワールドセイバーのエージェントとなっており、日々犯罪者と戦っている。
(愛理さんにそっくりね)
「初めまして」
未来のアリシアは灯理に手を差し出す、灯理はその手を取り二人は握手をした。
「これからよろしく、さっさとあなたの体を治して、もう一人のあなたを一緒に助けよう!」
「ええ!」
「それとほらフィアちゃん、挨拶」
灯理は後ろを仰ぎ見る、そこには愛理の親友ラフォリアの娘、種族は天使のリーフィアがいた。
「分かってますよ、私はリーフィア、私もあなたの体を治すお手伝いをしますので、よろしくお願いしますね?」
「ええ、よろしく」
未来のアリシアはリーフィアとも握手をした、リーフィアも灯理と同じくワールドセイバーのエージェントで灯理の相棒である。
「それじゃ二人ともお願いね?、出来るだけすぐに仕事終わらせて来るから・・・」
「急がなくていいからキチンと仕事してきて」
「はぁい・・・」
娘にキチンと仕事しろと言われ萎れた愛理はトボトボと魔界にへと転移して行った。
「それじゃアリシア、取り敢えず地球支部であなたの心臓を調べてもらおっか」
「うん」
「ここから近いですし、歩いて行きましょう」
灯理達も家から出て地球支部に向かう。
ワールドセイバー、地球支部、医療部
未来のアリシアは診療台の上に乗せられ、心臓を調べて貰っていた。
「酷い状態だね・・・」
医療部の医師であり愛理の三人目の娘、久城蓮は尻尾を揺らし未来のアリシアの心臓を調べ酷い状態だと言った。
「どう酷い状態なの?」
「無茶な時間単位をした影響だろうね、吸血鬼の不老が徹底的に破壊され、何重にも心臓に魔術的なダメージを負ってる、これだと確かにあと一年しか持たないよ」
医師になると言う夢を叶え、白衣を着ている蓮は顎に手を当てて唸る。
「それをどうにかして欲しいんだよ蓮、お願い出来る?」
「簡単に言うと別の心臓を移植すればあっという間に良くなるよ、でも不老ではなくなっているとは言え、アリシアの体は吸血鬼、人間の心臓を移植してもすぐに死んじゃうの」
「ならどうすれば?」
リーフィアの声を聞いた蓮は浮遊ディスプレイに三つの候補を映し出させた。
「あなたと同じ天使か、魔族か、アリシアと同種族の吸血鬼の心臓を移植すれば良い、それでアリシアは不老は復活しないだろうけど、健康な体を取り戻せる、と思う」
「・・・、よりによってどれも不老の種族だね・・・、移植出来る心臓なんてあるのかな?」
「ほぼないだろうね、探してみるけども」
そう言ってマイクを手に取る蓮。
「アリシアさん、もう診療台から降りて大丈夫だよ」
「そう?、それで何か分かった?」
「うん、こっちに来て説明するから」
蓮に呼ばれた未来のアリシアは、蓮から説明を受けた。
「かなり厳しすぎないこれ・・・?」
「安心して医師としてどうにかしてあげるから」
不安げな表情の未来のアリシアを安心させる為、その肩を叩き頷いてみせる蓮、それを見た姉である灯理は頼もしくなった妹を嬉しそうに見つめる。
「それじゃ今日は帰っても良いよ、急いで三つの候補だけじゃなく別の移植候補も探してみる」
「お願いします」
未来のアリシアは蓮に頭を下げ、灯理とリーフィアと共にワールドセイバーを後にした。
レベンと愛理の家
家に戻ると、椎奈がいたトップモデルになると言う夢を叶え、現在も何本ものハリウッド映画に出演し、TV番組やファッション誌にも引っ張りだこな彼女は、かなりの豪邸をこのアメリカに持っているのだが、それでも実家が恋しくなるのか一週間に三度は家に帰って来るのだ、この姉妹基本的にマザコンなのである。
「お帰り、お姉ちゃん、その人は?」
「アリシアさん」
「ふぅん、綺麗な人ね」
美人を見て自身の事務所を持っている社長としての本能が刺激された椎奈はアリシアに近付くと、その顔やスタイルをジーと見る。
「あなたモデルにならない?」
そして採用基準に未来のアリシアが大合格したらしくスカウトした。
「ええっと、私やる事あるから、その後なら・・・」
「いくらでも待つわ!、あなたは紛れも無い原石ですもの!」
「え、ええ・・・」
この強引さ、流石は愛理の娘と思う未来のアリシアは椎奈が渡して来る名刺を受け取り、胸のポケットに入れた。
「さてと、ママは帰って来ないだろうし、パパが帰って来るまでの間にご飯作っちゃおうか、椎奈?お姉ちゃん命令です、手伝いなさい、リーフィアも親友命令だよ、手伝って」
「はいはい」
「分かりました」
「私は?」
「病人は座ってなさい」
「はい・・・」
座っていろと言われたアリシアはテレビのリモコンを取るとテレビ番組を見る、そして仕事から帰って来た愛理の夫レベンとその家族と共に楽しい夕食の時間を過ごすのだった。
アトリーヌ城、皇帝の部屋
「アリシアよ、七つの遺跡が見つかった」
「そう、分かったわ、なら執務を代わってくれるかしら、早速動くわ」
「任せよ」
アリシアは執務机から離れアルムスに近付くとキスをする、そして側近達を引き連れ飛空艇に乗り込むと、見つかった七つの遺跡に赴き新たな力を手にする為、帝国を後にした。




