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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第二部、五章、皇帝と闇の遺跡編
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二話、メサイヤ

朝、皇帝の寝室


目を覚まし身を起こしたアリシアは隣で眠るアルムスを眺めていた。


アリシアが彼の事を好きになった理由、それはこの城に来たばかりの頃、荒れていた自分を毎日優しく慰めてくれたから、アリシアはその優しさに心打たれ彼の妻になると決めた。


「そろそろ指輪とかくれないのかしらねぇ」


そう言ってアルムスの背中をツンツンと突くアリシア、しかし彼は起きないので静々と入って来ていたメイド達に手伝ってもらいドレスを着たアリシアは、皇帝としての仕事をする為に部屋を出た。


「大臣様?、聞いてましたよね?、ですって」


「う、うむ」


アルムスは起きていた、アリシアに背中を突かれた時など冷や汗ダラダラである、メイドにすらほぼ早く買って来いよと意味の、ですって、を言われたアルムスはベッドから降りると結婚指輪を選びに街に出かけて行った。




エンジェルズ、メアの部屋


メアは部屋の中でゼロの魔力のスタイル使いの力に慣れる為、ゼロの魔力の使い手であるアイリーンのように瞑想をしていた、そうしている時にドアが開く音がした為、顔を上げると愛理がいた。


「愛理さん、どうかしましたか?」


「ちょっと君にプレゼントをね」


「なんですか?」


「着いて来たら分かるよ、おいで」


「はい」


おいでと促す愛理に従いメアは部屋を出る、愛理に着いて歩いている間にメアは未来のアリシアについて聞いたが、まだ医師は見つかっていないようだ、それもそのはずまだ一週間も経っていないのだ。




オルビアの町近く、簡易滑走路


「滑走路なんてあったんですか・・・」


「私に聞かないで・・・」


メアと愛理はオルビアの町の隣にある可愛滑走路に来ていた、愛理はメアを案内しドックに入る、そこにはとある飛空艇がいた。


「これは飛空艇・・・、こんな立派なの初めて見ました」


「これはメサイヤ、さんじゅ・・・、昔私と一緒に旅をした機体さ」


そう言ってかつての旅を思い出し、懐かしそうに愛理はメサイヤを見上げる。


「これをあなたにあげる、アリシアを追う為には空を飛ぶ方法が必要だからね」


「こんな立派な機体を・・・、ありがとうございます!」


メアは飛空艇をくれる愛理に頭を下げてお礼を言った。


「それじゃユーザー登録をして、飛ばしてみようか」


「はい!」


メアは愛理と共に操縦席に行き、メサイヤの操縦桿を握った。


『ユーザー登録完了、オーナーをメアリ・アルビオンに変更します、メサイヤspec.2いつでも飛行可能です』


過去の戦いで大破したメサイヤを愛理は回収しワールドセイバーに預けていた、その時にメサイヤはとある狐の魔改造を受け、spec.2にへと改修されている、主な変更点は飛行能力の強化で、以前の60%増しの速度で飛べるようになっている。


メア達に預ける為に久し振りにメサイヤの元に行った時に、ついでにとある狐に頼んでドックをファントム用の物に変更して貰っており、ファントムの整備も可能としている。


「わ!、視界が!?」


メアはメサイヤの前方に取り付けられているカメラと自分の目が同期したのに驚き思わず操縦桿から手を離した、すると視界が元に戻る。


「あはは、驚くよね、でもこのおかけでこの機体は死角って物がないんだよー」


「凄いですね・・・」


「うん、凄いよ、あの人は・・・」


そう言ってメサイヤを作ったと思われる、自分の前世、アルマであった頃の体を作った真理の顔を愛理は思い浮かべる。


「それじゃ、飛ばしてみよう!」


「はい!」


メアは操縦桿を前に押しメサイヤを滑走路に乗せると、フットペダルを踏み込む、するとメサイヤは加速を始め広い青空にへと飛び立った。


「上手い上手い、これなら問題ないね、この子の事お願いね、メア」


「はい、お任せ下さい・・・、あの着陸はどうやって?」


愛理に操縦が上手いと褒められたメアは着陸の仕方が分からず、嬉しそうな顔から不安そうな顔になり愛理にやり方を聞く。


「大丈夫、着陸はAIがやってくれるから」


「なら安心です・・・」


着陸の心配がないと分かったメアは、空の旅を楽しむ。



皇帝の部屋


カリカリと紙に文字を書く音が聞こえる、そこにアルムスが現れた。


「何?」


アリシアは顔を上げて何用か聞く。


「お前にこれをな」


そう言って懐から小さな箱を取り出し中身を見せるアリシア、それを見たアリシアは口に両手を当てて嬉しそうな表情を見せた。


「私の妻となってくれるか?」


「前にも言ったでしょ、私はあなたの事が好きで奥さんになりたいって」


「そうだったな」


そう言ってアルムスはアリシアに箱を渡す、アリシアは嬉しそうに結婚指輪を眺める。


「ふふっ、ねっ、ニアの弟か妹、何人欲しい?」


「気が早いな、そうだな・・・お前が欲しいだけ作ろう」


「あら、私の好きにさせれば子沢山になっちゃうわよ?」


「構わん」


腕に抱き着いてくるアリシアの頭を撫でながらアルムスは優しくアリシアに微笑みかける、孤独から逃れる為に家族が欲しいアリシアはもうすぐ家族が出来ると嬉しそうにアルムスに微笑み返すのだった。

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