アリシアの過去4
オルビアの町近く森
「グレイ?、危ないよ?」
グレイから話しかけてくれたお陰で友達になり、そのグレイの幼馴染であるシメラとも友達になっている十歳のアリシアは、木に登るグレイに心配そうな顔で危ないと言った。
「大丈夫、大丈夫、俺かてーから!」
アイアンメイクの力を既に使えるグレイは確かに既に硬い、木の上から落ちたとしても大丈夫なくらいには。
「おっ?」
アリシアが心配する通り、グレイが靴を滑らせ落ちる、それを見たアリシアは駆け寄りシメラが魔法の準備を始めるが、グレイは両足を硬く変質させると無事に地面に降り立った。
「なっ?、大丈夫だったろ?」
そして心配して駆け寄って来たアリシアに笑いかける。
「それでもダメだよ!、間に合わなかったら怪我してたよ?、危ない事は駄目!」
そう言って目の端に涙を溜めてグレイを叱るアリシア。
「ごめん」
アリシアの涙を見てグレイは申し訳なさそうに俯くと謝った。
「グレイはアリシアに弱いね〜、でも仕方ないよね〜、グレイは〜」
「わっ!わっ!、何言おうとしてんだ!、シメラ!」
「なぁに?」
「それはね〜」
「なんでもねぇ!、ほら秘密基地作りの続きをするぞ!」
グレイはシメラの手を引き秘密基地を作っている場所に走って行く、アリシアはシメラが何を言おうとしていたのか気になりつつ、二人を追って走る。




