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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第二部、五章、皇帝と闇の遺跡編
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一話

アトリーヌ帝国、謁見の間


ここは執務や会議などをする皇帝の部屋とは別に設けられている、謁見の間だ、金色の装飾が裾に成された黒いドレスを身に付け、金の腕輪を手首に付けて、立派な椅子に足を組んで座るアリシアは、帝国皇帝としてグリムデン王国の王がやって来るのを待っている。


ちなみに黒騎士の名を名乗っていた頃に頭に付けていた、悪魔の角を模した装飾は最近は着けていない、理由は角は闇の者である事を示す為の装備であり、皇帝となった今、闇の存在である事を誰も疑わない為、付ける必要がなくなったのだ。


この謁見の前にアリシアは専属の七人いるメイド達に体を清められている、アリシアは別に良いと彼女達に言ったのだが、メイド達は皇帝の言葉に対し猛抗議して来た、メイド達が言うには、女皇帝が謁見の際に体をよく清めずに誰かに会うのは国の恥だそうだ。


「ふふ、お母様から良い香りがします」


「あれだけ全力で体を洗われたのだもの、そりゃそうよ、まぁ自分でも良い匂いだと思うし、良い仕事だと思うわ」


アイリーンがアリシアに抱き着き、その体の匂いを嗅ぎ良い匂いだと言った、それを聞いたアリシアはメイド達の仕事を良い仕事だと褒める。


それを聞いたアイリーンが今の言葉メイド達に報告しておきますねと言った時、数人の側近を引き連れた金髪の男がニアに案内され、謁見の間に入って来た。


「お初にお目に掛かります、アリシア陛下、私の名はキルシオ・グリムデン、これよりあなたの帝国の属国となる、グリムデン王国の王です」


グリムデン王国の王、キルシオは、アリシアとアルムスの予想通り、帝国に屈すると伝えにここにやって来たようだ、彼の言葉を聞いたアリシアは満足気な笑みを見せると手を差し出す、アリシアが手を差し出した意味を瞬時に理解したキルシオは、その手を恭しく手に取るとキスをした、そしてアリシアの顔を見上げる。


「それにしても噂に聞いていた通り、実にお美しい、その美貌を持つ貴女こそこの世界の王となるに相応しいでしょう」


「へつらいはいらないわ、キルシオ、そんな事よりも、我が帝国の属国となる、あなたの国は私の帝国に何をくれるのかしら?」


帝国からグリムデンに授けるのは、絶対に侵攻をしないと言う最大の権利だ、その権利の代わりにアリシアはキルシオに対価を要求する。


「私の王国からは、あなた様の帝国にこの世界トップクラスと言われる宇宙兵器技術を授けましょう」


「へぇ?、それは一体どんなものかしら?」


「簡単に言うならば衛星ビーム砲でしょうか」


「へぇ・・・?」


先の戦争で衛星ビーム砲は確実に役に立つと判断したアリシアは、興味を示した。


「陛下は必ず衛星ビーム砲を私の国に大量に用意しろと仰られると承知しております、その際は製造も費用も全て私の国で負担致します、つまり陛下の帝国はなんの負担も無しに大量の衛星ビーム砲を得る事が出来るという訳です、如何でしょうか?」


自身が帝国に対して払う対価が十分な物だと確信しているキルシオは、自信ありげな表情で皇帝を見上げる。


「ふふふ、気に入ったわ、キルシオ、我が帝国の軍門に下る事を許してあげる」


「感謝致します、皇帝陛下」


皇帝に帝国の軍門に下る事を許可されたキルシオは恭しくアリシアに向けて頭を下げた。


「さて、キルシオ、あなたに最初の仕事を与えようと思うの、頼めるかしら?」


「何なりと」


「それでは、不穏な噂が流れる、無宗教推進組織についての情報を小さな情報でも良い集めて

私に報告しなさい、彼等に無駄な動きをされると先の戦争の為の、仕込み、の邪魔になるの」


「分かりました、陛下、小さな情報だけでなく無宗教推進組織の尻尾を掴んでみせます」


キルシオは胸に手を当て、組織の尻尾を必ず掴んでみせると言ってのけた。


「ふふ、期待しているわ」


自信ありげな表情を見せるキルシオを見たアリシアは、彼に向けて頷いて見せてから立ち上がる。


「ねぇ?、キルシオ?、私と一緒に食事でもどうかしら、用意させているの」


「喜んで」


「ふふ、それじゃこちらへ」


「はっ」


アリシアはキルシオと彼の部下、そして自分の側近を連れ部屋を出た、そして皇帝の部屋に用意させていた食事にキルシオ達と共に舌鼓を打った。





早速、組織と兵器の製造に取り掛かるとアリシアに告げたらキルシオは国に戻って行った、空港まで行き彼を見送ったアリシアは、城に戻りこの日の執務を行い全て終わらせた後、寝室に備え付けられている浴室で湯浴みをしていた。


「相変わらず綺麗なお身体で羨ましいですわ、アリシア様」


「そう?、あなた達も綺麗よ?」


そう言ってメイド達に体を洗われるアリシアは、七人のメイド達を見る、彼女達は皆、誰が見ても美少女や美女と言う程に美しい、アリシアが綺麗だと言うのは当然だ。


「ありがとうございます、でもアリシア様には敵いませんわ、特にこの腰の細さなんて・・・」


「ええ、正直羨ましい細さです」


オリアとナルピがアリシアの腰の細さを褒める。


「腕もしなやかで綺麗ですし・・・」


「脚もスラリと長い・・・」


「それでいて、その美貌に、大きなお胸、全く敵いませんわ」


上からタリ、カルル、マーサがアリシアの体の他の部分を褒める。


「何よ、口々にしかも目の前で褒められると恥ずかしいわ」


そう言ってアリシアは頬を赤く染め照れる。


「そして年頃の女の子らしい可愛さもあります」


「正直、反則ですよねー」


更にサチアとアナナがアリシアを褒めた。


「あんた達、私を揶揄って遊んでるでしょ」


「ええー?、そんな事ないですよぉ〜」


と言っているオリアの目は泳いでいる、他の者も同様である。


「・・・、魔眼で暗示をかけて一生マラソンでもさせてあげようか?」


その目を見て彼女達が自分を揶揄ってるのだと察したアリシアは、ニコニコと笑いながら目を光らせる


「あー!あー!」


「ごめんなさーい!」


一生マラソンさせられるのは嫌なメイド達はアリシアに謝った。


「ふふ、嘘よ、私の身の回りの世話をしてくれているあなた達にそんな事する訳ないじゃない」


「本当ですかぁ?」


「本当よ?」


「怪しいですー」


この後も少女皇帝と七人のメイド達の会話が、浴室に響き続け、髪と身体の洗浄が済み、髪がお湯に浸からないよう頭にタオルを巻いてもらったアリシアは湯に浸かる。


「・・・」


程よい温かさの湯に浸かるアリシアは執務疲れをゆっくりと時間をかけて癒すのだった

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