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セブンススタイル  作者: ブレイブ
第二部、四章、ゼロの魔力のスタイル使い編
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二話、受け継ぐ剣

覚醒の地、入り口


(くっ、私や、その側近を相手にするには今のこの子達ではやはり実力が足りなすぎる!)


メア達はアリシアとその側近に対して劣勢に陥っていた、どんな攻撃をしてもアリシアの盾に防がれ、そのアリシアの攻撃と周りの側近達の攻撃に確実にダメージを与えられれている、これではあと数分以内にメア達は敗北するだろう。


(この状況をどうにかするには私が動けるようになるしかない!、動いて!、動いてぇぇぇ!)


未来のアリシアは必死になって体を動かそうとする、しかし・・・。


「カッハ・・・!?」


現在の自分の拘束に対し、無理に抗おうとし過ぎたせいか、心臓が激しく痛み、口から血が漏れ出した。


「アリシア!?、一体どうしたのです!?」


メアが血を吐いた未来のアリシアを見て驚いた声を上げる。


「フン、話していなかったのね」


「・・・、何か知ってるんですか?」


「ええ、未来の私は未来から過去にやって来た時にその身に強烈なダメージを受けている、そのダメージにより吸血鬼の不老を失ったようでね、彼女、あと一年しか生きる事が出来ないの」


未来のアリシアの話を聞きメアが驚愕した表情を見せる、そしてアリシアとの斬り合いをやめると、アリシアの暗示により倒れる事が出来ず青い顔で立ったままの未来のアリシアに近付いて行く。


「なんで言ってくれなかったんです、こんな重要な事・・・」


「ごめん・・・、でも私はメッシュさんの代わりにあの子を救うって決めた、その為には戦うしかないわ、でもこのことを話せばあなたは私が戦うのを止めるでしょう?」


「当たり前です!、友達がそんな体なのに戦ってくれだなんて言えるわけないじゃないですか!」


「それでも、私は未来の世界を滅ぼした罪があるの・・・、だから戦わなきゃ・・・」


いけない、そう言おうとした未来のアリシアの顔をメアが叩く。


「あなたはやはり今のアリシアと同じアリシアですね、勝手な所、無茶をする所、ちょっとお馬鹿な所、まるで変わりません、でも私はそんなあなたが好き、そんなあなただから友達になりたいと思った、だから」


メアは未来のアリシアを抱きしめる。


「もう戦わなくて良いのですよ、メッシュさんの意思は私が継ぎます、だからあなたは愛理さんに頼んで良いお医者さんを探して貰い、心臓を治してから戻って来て下さい」


「メア・・・、本当に良いの?、私、戦わなくて・・・?」


「はい」


戦わなくて良いのか?と聞く未来のアリシアにメアは頷く、すると未来のアリシアは涙を流し始めた、メアは更に強く彼女を抱きしめる。


「ずっと辛かったのでしょう?、だから暫くはゆっくりと休んで下さい?、ねっ?」


「うん、ありがとう、メア・・・」


「こういう事です、アリシア、未来のあなたの拘束を解いて下さい」


「フン、茶番を見せ付けられて気分が悪いけど、良いわ、未来の私も厄介ですもの」


「ありがとうアリシア」


「勘違いしないで、これは邪魔な敵が一人消えるからよ」


そう言ってアリシアは指を鳴らす、すると未来のアリシアの拘束が解け彼女は前のめりに倒れる、メアは慌てて受け止めた。


「ありがとうメア、お礼としてあなたにこの剣を・・・、そして私の闇の魔力を」


そう言って未来のアリシアは現在の自分が使う物と同じ、フォトンガンブレードを渡す、そしてまだゼロの魔力のスタイル使いとなる為の、光と闇の魔力を持っていなければならないと言う条件を満たしていないメアに自身の魔力を注ぎ込み、条件を強制的に達成させた。


「私に上手く使えるでしょうか?」


「・・・あなたは銃使い、確実にこの剣を上手く扱えるわ」


「・・・あなたの言葉信じます!、アリシア!」


闇の魔力を貰ったメアだが、一切使わずに光の魔力を全力で解放した、その影響かフォトンガンブレードが黒と赤から白と青に変化した、また使っていた剣を左手に持ち直し、ガンブレードを右手に持ち直したメアはアリシアに再び戦いを挑む。




覚醒の地、建物内


アイリーンは煌びやかな装飾の成された廊下を歩いていた、前方に見えるのは巨大な扉、あの先がゼロの魔力のスタイル使いが目覚める場所なのだろう。


「ふふ、待っていて下さいませ、お母様」


アイリーンは母の期待に応える為に足を早め扉にへと急ぐ。



覚醒の地、入り口


「あんた、妹を想ってるんならな!、復讐なんてさせてるんじゃねーよ!」


「何を言う、アリシアを想うからこそ、彼女が成したいと思う、復讐をさせてあげているのだろうに」


「それが間違ってんだよ!」


グレイは腕を鉄に変えるとエリシアに殴りかかる、しかしエリシアは余裕でその一撃を受け止め、グレイの顎を蹴り上げた。


「くっ!、こんのぉ!」


顔を蹴られ仰け反ったグレイだがすぐに立て直し、顔全体を鉄に変えると頭突きを放つ。


「くはぁ!?」


その強力な一撃に頭を揺さぶられたエリシアはフラフラと尻餅をつく。


「こ、この鉄男め・・・」


「はっ、俺の硬さ舐めんじゃねぇ!」


グレイは再び腕を鉄に変えるとエリシアに飛びかかる、先の一撃の影響でフラついた状態では部が悪いそう判断したエリシアは回復するまで距離を取ると言う戦法を取り始める。



「土野郎に、水野郎、良いのかい?、俺に構ってて、あんた達のリーダーの援護をしてやったらどうだい?」


「・・・」


「・・・」


キースはメアの援護に向かった方がいいんじゃないかと言う、しかし二人はそんな彼に白い目を送る、何故なら・・・。


「拘束された状態で・・・」


「よく言いますね・・・」


二人はまずウォーリーの水の魔法で柔らかくした地面にキースを引っかからせ、引っかかったキースは地面に倒れる、そこにケイネスの土の魔法で拘束する、そうキースは二人の罠に引っかかり捕まっていたのだ。


「離せよぉぉぉぉ!」


哀れな炎使いの叫びが辺りに響く。



「っ!、くっ!」


シメラはニアの苛烈な攻撃を盾の魔法でどうにか防ぎつつ、とある事を試していた、状況的に愛理、彼女に頼るしかない、その為、愛理をこの場に連れ戻す為、アリシアのワームホール魔法を天才魔法使いと呼ばれたプライドをかけて再現しようとしていたのだ。


「何をしようとしているのか知らないけど!、防御ばっかじゃ早々にお陀仏よ?」


ニアはシメラの顔を見て微笑みながら、次々と斬撃を放つ、シメラはその攻撃に苦しみつつもなんとか盾を維持し続ける。




「ハァァ!」


「てぇい!」


アリシアとメアは剣を合わせる、ギリギリと押し合う二人、メアは右手のガンブレードをガンモードに変えると弾を放つ。


「ふふ」


アリシアは首を捻るだけでそれを避け、メアの腹に杖の先端を叩き込む、腹に攻撃を貰ったメアは呻くがなんとか堪え、剣を頭上に掲げ斬りかかって来るアリシアの斬撃を受け止めた。


「ダークビット」


アリシアは即先のダークビットを作り上げ、至近距離のメアに放つ、小さな爆弾を何発も食らったメアは地面を転がるがすぐに立ち上がる。


「はぁはぁ・・・」


(実力の差は歴然・・・、本気にならなくてもアリシアはこんなに強い・・・、だからと言ってこの剣を託してくれた未来のアリシアの為に私は負けられない!)


未来のアリシアの為荒れる息を整えたメアはアリシアに斬りかかる、しかしアリシアはそれを軽く払いメアの鳩尾に膝を叩き込んだ。


「カッハッ・・・」


強力な一撃を喰らったメアは倒れる。


「まぁ、実力差の割には頑張ったんじゃない?、それじゃさようなら」


アリシアは他のものを倒すためメアを冷たい目で見た後この場を離れようとする、その時だった・・・。




「なっ!?、あなたそれ!?」


「そう!、アリシアが作るものと同じ、小さいワームホールだよぉ!!」


ワームホールを作ることが出来た事に興奮するシメラは、多大な魔力を消費するワームホールを維持する、するとそこからゼロの魔力が漏れ出し、ワームホールを突き破ると、愛理が現れた。


「ありがとう、シメラ、助かったよ」


「はい・・・、疲れたよぉ・・・」


そう言って意識を失い倒れるシメラ、愛理はそれを受け止めると、地面に寝かせた。


「久城愛理!」


ニアが愛理に斬りかかる、愛理は振り返りすらせずに真後ろに向けて魔力を放った。


「!?」


魔力の塊に吹き飛ばされたニアは覚醒の地の建物にその身を激しく打ち付け、意識を失った。


「へぇ、出て来たんだ、お前」


「あ、愛理さん・・・」


「頑張ったね、メア、あとは私に任せな、あなたは覚醒の地へ!」


「はい・・・!」


愛理に覚醒の地へ行くよう言われたメアはフラフラと立ち上がると、覚醒の地の建物に向けて歩いて行く。


「行かせるかぁ!」


アリシアはメアに向けてその剣から斬撃を飛ばすが愛理が弾く。


「殺すための一撃だね、でもさせない、あなたの相手は私だ!」


そう言って愛理はアリシアに斬りかかった、アリシアは仕方なく迎え討つ。


「ありがとうございます、愛理さん、そしてアリシア」


メアは未来のアリシアの方を見る、すると彼女は頷いていた、それを見たメアは頷き返し、痛む鳩尾など無視し、走り始めた。

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