教国編エピローグ
教皇の部屋
アリシアは教皇の部屋にいる、教皇に使命を与えるつもりなのだ、そしてこの日帝国に戻る予定のアリシアは既に部下達を自身の飛空艇に向かわせている。
「ジェラーゼン?、あなたの新しい仕事よ?、これより我が帝国と魔を信仰する、邪教をこの教国から広めなさい、良いわね?」
「・・・はい」
教皇はアリシアの言葉に頷く、アリシアの優秀な下僕である彼はその教皇としての立場を活かし存分に働いてくれるだろう、それを理解しているアリシアは邪悪に微笑んだ。
「それと、フォトンリウムの生産も続けなさい、完成したフォトンリウムは帝国に届けるの、良いわね?」
「・・・はい」
アリシアは教国を邪教の発信地とするだけでなく、フォトンリウムの生産工場にする予定である、そして自身の帝国を更に強化するのだ、この世界を己の物とする野望のために。
「それではまたね?、せいぜい頑張りなさいな」
「・・・はい、皇帝陛下」
虚ろな表情の下僕を見てクスクスと笑ってからアリシアは背を向け教皇の部屋を後にする、部屋から出るとメアとグレイが待っていた。
「何か用かしら」
アリシアはメアを睨み付け何か用か聞く。
「あなたが次、何をするつもりなのかを聞きに来たのです」
「敵にそんなこと教えるわけないじゃない、馬鹿じゃないの」
そう言ってアリシアはメアの隣を通り過ぎる、そしてグレイの顔を見ると一瞬だけ目を合わせ、すぐに逸らしこの場から去って行った。
「・・・、私、何のためにここに残ったのでしょうか・・・」
「仕方ねぇさ、でもあいつが戦争を起こすまでまだ時間はある、それまでに元のあいつに戻せば良い、そうだろ?メア」
「はい・・・」
この教国で多大な成果を得たアリシア、反面何の成果も得られなかったメア、二人の同じ顔をした少女達は教国を離れた。
皇帝の部屋
帝国に戻ったアリシアが自身の部屋に来ると、アルムスが資料にサインをしているところであった、ドアが開く音を聞いたアルムスは将来の妻であるアリシアを見て優しく微笑む。
「戻ったか、アリシア、ククッ、皇帝として流石の成果をあげたな」
「ふふ、私を教育した教師としてこの結果は誇らしいんじゃない?」
「うむ実に誇らしい、お前と言う存在がな」
そう言ってアリシアに近付き抱きしめるアルムス、アリシアは嬉しそうな顔で彼を抱きしめ返した。
「して次はどちらをする?、アイリーンをゼロの魔力のスタイル使いにするか、お前の力を完成させるか、だが」
「そうね、先にアイリーンに力を持たせるわ、奴等が遺跡を見つけたらゼロの魔力のはスタイル使いの覚醒の場を破壊し、私達の邪魔をしようとするかもしれない、そんな事させたりしないわ」
「分かった、場所はもう調べはついている、ワイオーン湾の中心地にある島だ」
「了解、どう?今回はあなたも来る?」
「うむ、ゼロのスタイル使いの覚醒は私も見たいからな、今回は行くとしよう」
「ふふっ、やった、結婚する前の小さな旅行ね」
「そうだな」
そう言ってアルムスは少女とキスをした、アリシアは嬉しそうな顔でそれを受け入れる。
「さて、今日はこれだけじゃ済まさないわ、たっぷりとあなたに甘えてやるんだから」
「お手柔らかに頼む」
アルムスに抱き着くアリシアは彼と共に寝室に向かって行った。
第二部、三章、教国編、完
次回からはゼロの魔力のスタイル使い編です。




