#96「電波兵器」
ロロロたちが戦ってるのに、自分だけ安全な場所で守られてたくない。そんな詰恋の心意気やグッド。
けど実際問題、彼女に危害が及ばないようにフォローする俺にとってはたまったもんじゃない。
何しろムシャ子はロロロとプリンちゃんがツープラトンで攻撃しても傷ひとつつかないメタルキング級の防御力を持ってる。攻撃に転じられたらどんな事態になるやら見当もつかない。
「さて、警告はしましたからね。博士以外の連中に何か危害があっても自己責任ですからね。後で文句とか言わないでくださいよ。はあ」
「ぬう、さように余裕ぶっこいておられしも今のうちぞ。これからロロロとプリンで、おまえギャフンと言わせしぞ」
「とか言って、何かいい作戦でもあるのか?」
「……元気があれば何でもできしぞ」
「ノープランかよ!」
今までも雑な特攻作戦は何度もあったけど、さすがにこれはヒドい。
「うるさきぞメギド! 余計なことばかり申せば、尻穴に金属バットねじこみしぞ! 先端かグリップか好きな方選べ!」
「どっちもやだよ!」
今はそんな大腸ノックを喰らってる場合じゃない。
「茶番は終わりましたか」
俺とロロロのやり取りを静観してたムシャ子が、置いてあったひやむぎを勝手に食べながら尋ねる。だいぶ時間が経ったから、その麺のびてるんじゃないかな。
「じゃあさっさと済ませましょう。時間かけても残業代出ませんし」
ムシャ子のブラックすぎる職場環境はさておき、これまでずっと素手でロロロたちの攻撃を防いでたムシャ子がその手を一振りすると、何もなかった空間にいきなりでっかい鎌が出現。
「死にたくなかったら適宜よけてくださいね。消去と違って、殺すだけなら報告の必要もないですし」
「違いがわかんねえよ!」
何をしでかすのか知らないけど、刃の付け根にでっかいドクロが付いてる時点でヤバそうなスメルがプンプン漂ってくる。
どうやって詰恋を攻撃から守ろうか。本人は逃げる気ナッシングだし、どないせいっちゅうねん。なんて思った矢先、俺の真横で詰恋が口を開いた。
「ゲゲゲボボゲボゲゲゲボボゲボゲゲゲゲボボボゲボボゲゲボゲゲボボボボ」
「なぜここで電波!?」
さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「世界のいもが嫁のなら俺のいもがないのでなく」は?
頑河ナンだ。あのムシャ子とかいう女が言っていることは理解できないが、この世界に関しては私も思うところがある。博士がどんな研究をしたのか気になるところだ。
次回、「反撃開始」。ぜってえ読めばいいと思う。




