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悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない  作者: 汐留ライス
Chapter 11『世界にはバグしかない』
94/143

#94「世界修正」

「ターゲット以外の相手を消すと、後で報告しなきゃいけないんですよ。面倒ですから邪魔しないでください」


 ロロロとプリンちゃんを易々と吹っ飛ばしたムシャ子は、うんざりした口調で言う。見た目はかわいいのに、全身を包む苦労人オーラが色々と台無しにしてる。


「がるる」


 よっぽどイラ立ってるのか、歯をむいてうなるロロロをプリンちゃんがなだめる。


「落ち着いてください。後でアイスあげますから」


「菓子で釣られるロロロではなきぞ。アイスはもらいしが」


 あっさり釣られてるロロロはさておき、このままじゃ収拾がつかないから、思い切って聞いてみた。


「そもそも、どうして博士を殺そうとするのさ」


 すると、ムシャ子はなぜかキョトンとした顔で逆に聞いてくる。


「何を言っているのですか。私がいつ博士を殺すと言いました。消滅させると言っただけです」


「同じじゃない」


「全然違います。あなたは辞書を引いたことがないんですか」


 なぜか呆れられてる。すっげえ納得いかないんだけど、ムシャ子はバカに諭すみたいな口調で告げる。


「博士はこの世界におけるバグなんです。私は世界からバグを取り除くのが仕事なんです」


 やっとちゃんと説明してくれたけど、意味はやっぱりわからない。


「バグってわかりますか。ハンバーグじゃないですよ」


「わかるよそれくらい。どこまでバカだと思ってるんだよ」


 一応ゲーム制作の仕事をしてるから、その程度の知識はある。


「要するに、博士のせいでこの世界にエラーが起きてるって言いたいのか」


「その通りです。こんな簡単な正解へ至るのにこんなに時間をかけるなんて、どこまでバカなんですかあなたは」


 正解しても褒めてはくれないらしい。なんていうかもう、デレなしのツンだけを200%に濃縮されたのを飲まされてるみたいな心境だ。甘さが微粒子レベルにも感じられない。

 さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「嫁が悪でも嫁が敵でも嫁が世界でも俺怖い」は?

 かばねだよー。かばね、アイスすきー。アイスうまいー。でもほんとは、にんげんもっとうまいのー。

 じかいー、「逃走拒否」。ぜってえ、よめー。

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