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悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない  作者: 汐留ライス
Chapter 10『バカはサイレンでマジョリティー』
88/143

#88「戦慄動画」

『ブンブンハローメギドの嫁とその旦那。お茶ポエム博士である』


「メギドでいいだろ。何だよ嫁の旦那って」


 とりあえずロロロと俺のどっちがメインでどっちがついでかはすぐわかる前置きはさておき、詰恋の吐いた電波をQRコード化してたどり着いた先は、お茶ポエム博士がアップした謎動画。


 研究所の中なのか、机の上は工具やら設計図やらが散乱、後ろのホワイトボードにも数式みたいなのがごちゃごちゃ書かれてて、散らかってる割に生活感がない。微妙にブレてるのは、プリンちゃんが手で持って撮ってるんだろうか。


「この独居老人は何がしたきか」


「俺に聞くなよ」


 博士の意図が理解できないのは、ロロロも俺も同じ。解決するには、とりあえず動画の続きを見るしかない。そう思った矢先。


『おまえらがこの動画を見る頃には、おそらくワシはこの世におらんだろう』


「!」


 いきなり話がとんでもない方向に飛んで、思わず固まる俺たち。まさかこんなセリフを実際に聞く機会があるなんて。


『前に話しておった、今までバラバラに暮らしておったワシらがこの1ヶ月くらいで急に知り合うようになった件について調べておったのだが、大変な事実が明らかになった。ワシが消されようとしておるのもそのせいだ』


 何だかどんどん話が大きくなってきた。ていうか、そんなことを調べただけでどうして消されなきゃいけないんだ。


 それに博士は貧乳の連中にも巨乳だけど幼女じゃない長谷皮にも嫌われてるから、心当たりが多すぎて誰が博士を消そうとしてるのかもわからない。謎が謎を呼ぶってのはこのことか。


『調査の成果はプリンちゃんに預けておく。この動画を見たら、ワシの研究所まで取りに来い。場所はググれば出るだろ』


 どうせならこの動画で教えてくれたらいいのに、いちいち面倒なことをしやがる。とはいえ故人の遺志だ。プリンちゃんをひとりで研究所に残すのもかわいそうだし、取りに行かなきゃならないだろう。


『どういう手段になるかワシにはわからんが、この動画がおまえらのところへ届くのは確信しておる。なぜならこの世界は――』


 動画はそこで途切れた。VHSなら途中で中のテープが切れたみたいな唐突なエンディング。後に残された俺たちは、ただただ呆然とするばかり。

 さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「悪の世界で幼い俺と家政婦が見た。怖い」は?

 魔法上等恥無恥無チェリーだゴラァ! 何だよ、あのエロジジイくたばりやがったのか。しょうがねえなあ、そのうち線香でもあげに行ってやるか。宿題が終わったらな!

 次回、「夜間訪問」。ぜってえ読みやがれコノヤロー!

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