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悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない  作者: 汐留ライス
Chapter 10『バカはサイレンでマジョリティー』
87/143

#87「電波解読」

「ではもう一度、最初から言います」


「お、おう」


 詰恋に真顔で告げられて、俺はビビりつつ同意する。曲のボーカルでは絶対しないであろうゲボゲボを聞かされて、どうリアクションしたらいいやら俺には正解がまだ見えない。


「ゲゲゲゲゲゲボボゲボゲゲボゲボゲゲゲゲゲゲゲボゲゲボゲボゲボボゲゲボゲボゲゲ――」


 ロロロは正解を心得てるのか、ゲボゲボに真顔で聞き入ってる。意味がわかるのか尋ねてみたいけど、表情がマジすぎるからそっとしておく。


 結構な長さのゲボゲボがようやく終わった後、ロロロは早々に口を開いた。


「441文字ぞ」


「は?」


 やけに真剣だと思ったら、ロロロは文字数を数えてたらしい。


「441は21の2乗ぞ」


「だから?」


「鈍きヤツぞ。紙をよこせペーパーを」


 紙といっても文脈からどうやらティッシュのことじゃなさそうなので、新聞に折りこまれてる裏が白いチラシをボールペンと一緒に渡す。


「む。これでティッシュなどよこさば、おまえの陰部をカッターナイフで切断せしところぞ」


 危ういところで去勢を回避した俺の横で、ロロロはチラシの裏にマス目を書き始める。フリーハンドなのに、定規でも使ってるみたいに正確なマス目だ。


「ゲ、ゲ、ゲ、ゲ、ゲ、ゲ、ボ、ボ」


 マス目を書き終えたら、今度は左上のマスから文字を書きこむ。あのゲボゲボをちゃんと聞き取って、しかも覚えてたのかよ。ロロロと一緒に暮らしてると、こういう地味なところで人間の能力をサクッと超越してくるから毎日がサプライズだ。


 ロロロは441文字をマス目に全部書きこんで、どうだと言わんばかりに俺に見せてくる。けどマス目に入れてもゲボゲボはゲボゲボだし、縦読みしたところでゲボゲボに変わりはない。すると横から詰恋が参入。


「QRコードですね」


「えっ」


 QRコードは俺も知ってる。街頭の広告とか宅配便の不在通知票とか、いろんなとこに付いてる白黒のドット絵みたいなヤツだ。


「さよう。あとはゲのマスを塗りつぶせし」


 言いながらゲと書いたマスを黒く塗りつぶして、ボのマスは指先が触れると白に戻っていく。いいなあそのボールペンが消せる地味に便利な能力。


 そして完成した図形は、なるほど確かに白黒のQRコード。


「何をボーッとせしかメギド、早う読み取らぬか」


 ロロロに言われて、慌ててスマホをコードにかざす。ぴろろんと音がして、ホントに読み取れた。そしてつながったリンク先は。


『この町にはロリ巨乳が足りん! お茶ポエム博士である!』

 さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「俺の前世が悪い幼女なら世界が素敵」は?

 長谷皮ですう。相手が芸能人でもそうでなくても、夜遅くに中学生の女の子を家に連れこむのはよくないですよう。

 次回、「戦慄動画」。ぜってえ読んでくださいねえ。

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