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悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない  作者: 汐留ライス
Chapter 10『バカはサイレンでマジョリティー』
86/143

#86「電波少女」

「私は小学校に上がる前から、どこかから飛んでくる電波を受信して、その指令に従ってきました。もちろん最初の頃は、それがエンデレデ星から来ているなんて知らなかったワケですが」


「は、はあ」


 はっきりとした口調で語る詰恋に、俺もロロロもどう対処していいやらって塩梅で顔を見合わせる。何しろ言ってる内容がディープすぎて、女性芸能人にいがちな不思議ちゃんの領域を軽々とフライアウェイ。


「サソリ沼のオーディションに応募したのも指令でしたし、他にもドラマの仕事とか、大きい節目には決まって指令が来ていたんです」


 詰恋はドン引きする俺たちをスルーして、リミッターが壊れたとしか思えない勢いでマシンガントークを連発。普段はあんまり人に言わないようにって、事務所とかから釘を刺されてるのかもしれない。


「で、今度はロロロに会えと、その電波とやらで指令来たりか」


「はい。賽河原メギドさんとその奥さんにメッセージを伝えるようにっていう指令と、メギドさんが使う最寄りの駅を受信しました」


 考えてみたら、アイドルの詰恋と一般人の俺との間に接点なんかナッシングなんだから、俺の名前や最寄り駅なんて彼女が知ってるはずがない。電波かどうかはともかく、何らかの情報が与えられたのはほぼ確実。


「なら話は早きぞ。そのメッセージを聞かせよ、はよ」


「はい」


 詰恋は短く答えてから息を吸って、強くまばたき。


「ゲゲゲゲゲゲボボゲボゲゲボゲボゲゲゲゲゲゲ」


「えっ、ちょっと待って待って。何これ怖い」


 白目をむいて、アイドルが絶対見せちゃいけない顔になってる詰恋を慌てて止める。いきなり目の前で女子中学生がゲボゲボ言い出して、ビックリしないヤツがどこにいるってんだい。


「メギド、邪魔するな。最後まで全部言わせよ」


 ここにいた。

 さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「世界の幼女がゾンビでも怖くない」は?

 セリエルでしてよ! どうやらメギドさん、昇天なさらなかったようですのね。いいえ、残念なはずないではありませんか? ご無事で何よりですから、主役を継げなくて残念だなんて思っておりませんわ! 残念なんて!

 次回、「電波解読」。ぜってえお読みあそばせ!

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