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悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない  作者: 汐留ライス
Chapter 10『バカはサイレンでマジョリティー』
85/143

#85「深夜密会」

 吊天井詰恋はフード付きのパーカーにメガネっていう地味な変装こそしてるものの、さすがトップアイドルだけあって隠しきれないオーラみたいなのが充満してる。そんな詰恋から夜道でいきなり話しかけられて、ビックリしないはずがない。


「賽河原メギドさんですよね」


「そ、そうだけど」


 思わず噛む俺。かばねの件があった直後なもんで、名指しで指名されると食われるんじゃないかって身構えちゃう。まあ現役アイドルが、わざわざ俺をピンポイントで指名して食い殺すってのは考えにくいけど。


「奥さんに会わせてください」


「……は?」



 †



「お邪魔します」


「えーと、散らかってるけど」


 数分後。俺は詰恋を連れてマンションに帰宅した。どうしよう、こんなとこを写真週刊誌にスクープでもされたら、彼女の芸能生活だって危うくなるだろうし、俺も暴徒と化したファンたちに火あぶりにされかねない。


「どうせしかメギド、帰り遅きと思わば女連れで帰宅とは。公開不倫か」


 思わぬ来客にロロロも驚いた様子だけど、調子はいつもと変わらない。


「嫁が見てる目の前で不倫って、性癖がディープすぎるだろ」


「メギドさん、この子は……?」


 部屋の入口に立ったまま、明らかに困惑してる詰恋に、まずはロロロが名乗る。


「ロロロはこいつの妻のロロロ。28歳ぞ」


「えっと、吊天井詰恋といいます」


 相変わらず強引なロロロの年齢設定だけど、詰恋はあっさり信じた。俺が言うのもアレだけど、大丈夫なのか現代社会。


「おお、あのサソリ沼の」


「えっ、ロロロ知ってるの?」


「無論ぞ。ロロロはおまえよりテレビ見しゆえ、芸能とかワイドショーネタとか詳しきぞ」


 ワイドショーに詳しい悪魔ってのもいかがなものか。


「で、その吊天井さんがロロロに用があるんだって」


「ロロロに?」


「はい」


 ロロロの前で正座する詰恋。


「実はロロロさんに会うように、エンデレデ星から電波で指令が届いたんです」


「……」


「……」


 どうしよう、このアイドルヤバい人だ。

 さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「俺の嫁が世界でカジキを釣る」は?

 頑河ナンだ。私は芸能界には特に興味がないし、テレビもあまり見ないな。カレー専門チャンネルでもあったら、毎日見ると思うが。

 次回、「電波少女」。ぜってえ読めばいいと思う。

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