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悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない  作者: 汐留ライス
Chapter 10『バカはサイレンでマジョリティー』
83/143

#83「不審後輩」

 知らない間に人外にされてても、社畜ライフは止まってくれない。いつも通り満員電車に乗って、いつも通り出社する。


「おはよう」


 席に着くと、席が隣の後輩である川本がさっそく俺の異常に気付いた。


「どうしたんスか先輩、その目」


 川本は24歳彼女なし、小太りメガネスポーツ刈りの典型的非モテ男子。業界的にヲタ要素の強い社員は多いんだけど、それをテンプレみたいに濃縮したのがこいつだ。


「えーと、カラコン入れたから」


「ふーん、そうなんスか。あっ、それより見てくださいよ先輩」


 川本は深く追求する様子もなく、サクッと話を進めてきた。単に自分が話したいだけなんだろうな。


「これこれ。チケット取れたんスよ」


 そう言って見せてきたのは、コンビニで発券したみたいな地味なデザインの紙片。川本いわく何らかのチケットらしい。


「サソリ沼91億のドームライブッス。これ取るの大変だったんスよ」


「サソリ沼……?」


「えっ、先輩サソリ沼知らないんスか? あの国民的アイドルグループを!? 先輩ひょっとして非国民ッスか?」


 川本が未知の生物でも見るみたいな目で俺を見る。勝手に人の国籍をはく奪するんじゃねえ。


「いや、名前は聞いたことあるよ? テレビでもたぶん何度か見てると思うし」


「その程度ッスか! ボクなんてCD 100枚近く買ってるし、握手会だって毎回行ってるッスよ!?」


「それはおまえが異常なんだよ。だいたいCDだって100枚も出してねえだろ」


 シングル100枚出すなんて、もはや大ベテランの領域だ。


「違うんスよ、先輩何もわかってないッス! 同じCDでも通常版の他に初回限定版が3、4パターンあって、それぞれ聴く用と保存用と布教用を買ってたら、100枚なんてすぐッスよ、すぐ!」


 こいつはただでさえそんなに高くない給料を、どれだけアイドルにぶっこめば気がすむんだよ。

 さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「魔法の嫁が世界で怖い」は?

 かばねだよー。かばねもー、よこく、するー。でもー、よこくって、なにー?

 じかいー、「偶像遭遇」。ぜってえ、よめー。

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