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悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない  作者: 汐留ライス
Chapter 10『バカはサイレンでマジョリティー』
82/143

#82「人間終了」

「うわあ!!」


 かばねと文字通りの死闘を繰り広げた翌朝。


 歯みがきの後にヒゲを剃ろうと思って、ユニットバスの洗面台で鏡を見て驚いた。


「何これ、目が真っ赤じゃん!」


 ゆうべ寝不足だったから目が充血してるとか、そんなレベルじゃない。黒目だった部分が血みたいな赤にカラーチェンジしてて、まるでウサギか何かみたいになってる。


「何事ぞ騒々しき」


 俺が騒いでるのを聞いて、ロロロが食べかけのカップ焼きそばを手に持ったままこっちに来た。ソースの匂いが風呂場に充満する。


「俺の目、真っ赤なんだけど」


「そりゃそれくらいありしぞ。魔力導入せしゆえに」


「?」


 俺が本気で意味がわからないでいると、ロロロが続ける。


「きのうおまえかるかに食われし後、ロロロが蘇生させしぞ」


「うん、知ってる。それはありがとう」


「礼などよい。その時、いっぺん死にしおまえ蘇生させるのにロロロの魔力を体内入れしぞ。ゆえにおまえの体はすでに人間のそれではあらじ」


「ええー?」


 どうやら生き返った時点で、俺はもう人間じゃなくなってた模様。言われてみれば目の他にも、両手の爪がなんか尖ってるし、犬歯も牙みたいに鋭くなってて歯みがきしづらい。


「そんなことになるなら、先に言ってくれないと!」


「言おうにもおまえ死にしぞ」


 だからって、本人の知らないところで人間やめてたら、そりゃ動揺もするって。


「どうするんだよ、これから会社なのに」


「カラコン入れしとでも言えばバレじぞ」


「どんな職場だよ!?」


 ホストクラブとかならアリかもしれないけど、俺の職場は普通のゲーム開発会社だ。色々とツッコミどころは満載だけど、残念なことにもう家を出ないと始業時刻に間に合わない。


「とにかく、詳しい話は帰ってから聞くから!」


 それだけ言い残して家を出た。結局ヒゲを剃ってないのに気付いたけど、もう時間的にも気分的にもそれどころじゃない。

 さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「悪い世界で幼女が無敵」は?

 ロロロぞ。いくらロロロがすぐれし悪魔いえど、いっぺん死にし生き物をそのまま蘇生せしなどできるはずなかろうに。多少形は変われど、生きてるだけでも感謝すべきぞ。

 次回、「不審後輩」。ぜってえ読んでくれよぞ!

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