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悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない  作者: 汐留ライス
Chapter 9『渡る世間は鬼バトル』
80/143

#80「会心一撃」

「んもー、まだつづけるのー? かばね、もーめんどーい」


「そうやって余裕ぶっこいてられしも今のうちぞ。おまえは必ずボコりて泣かす」


 えげつない多段コンボを駆使して、ロロロを圧倒するかばね。ロロロは一方的にダメージを受けまくりながらも、強気な姿勢は崩さない。


 そして俺は、ナンに貼られたカレー湿布の効果で肉を食いちぎられた時よりヒドい激痛に耐えまくってる。


「おとなしゅうせぬか。ほれ、痛いの痛いの、豊洲辺りのタワーマンション上階へ飛んでけー」


「ポイントが具体的すぎるよ! 住んでる人に謝れ!」


 俺はかるかにマウントポジションを取られて、両腕を掴まれた状態。せめて腹に乗ったお尻の感触だけでも堪能したいのに、首筋の痛みのせいでちっとも集中できやしない。


「そんなに言うなら、かるかも傷口にカレー貼られてみろよ。どんだけ痛いかわかるから」


「吾はイヤじゃ!」


「即答された!」


 不協和音この上ない俺たちの一方で、ナンは飲む方のカレーで身体能力をブーストしてロロロに加勢するけど、圧倒的な力量差のあるかばねに対してはあまり効果が出てないのが実情。


「もー、かばねおなかすいたー。ごはんー」


 不穏な発言が聞こえてくるのと同時に、かばねはそれまで戦ってたロロロとナンから急激に方向転換。まっすぐ俺のいる方に向かってきた。


「ええっ!?」


 このままだとかるかが危ない。俺が強引に起き上がると、体重の軽いかるかは「ひゃあ」と声をあげて地面に転がった。


 幼女2人とJK 1人に守られて、何もできない俺でいたくない。幸か不幸か死んでも生き返れるみたいだし、ここは自分を犠牲にしてでも反撃のきっかけになればいい。


「いただきまーすー」


 助走をつけてかばねが飛びかかってくる。俺はその動きを目で追おうとして。


「あ」


 いかん、やっぱりまだ血が足りてない。立ちくらみで目の前が真っ暗になった。その刹那。


「ぎゃっ」


 頭をレンガでぶん殴られたみたいな衝撃。


 俺が急に姿勢を崩したから、首筋を狙って飛びこんできたかばねの角が俺の頭に激突したんだって教えられたのは、俺の意識が戻った後のこと。

 さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「俺が幼女の敵でも世界が悪くないなら」は?

 ソドミです! えっお兄ちゃん死んだの? それで生き返ったの!? 東京ってすごいね。あたしも早く大学受かって上京したーい!

 次回、「悪鬼封印」。ぜってえ読んでちょうだいね!

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