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悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない  作者: 汐留ライス
Chapter 9『渡る世間は鬼バトル』
77/143

#77「絶望戦線」

 いったいどのくらいの間意識を失ってたのか、一瞬なのか数時間なのか俺にはわからない。だって意識なかったから。


 けどどんなに長くても、ロロロが封印されてた何百年って長さに比べたらそんなのおならプーだ。それだけ長い孤独からやっと解放されたロロロを、ここで未亡人にするワケにはいかない。


 全力で目を開く。そんなに長い時間は経ってなかったみたいで、戦闘の起こす騒音も聞こえてくる。ロロロは大丈夫だろうか。


「動くな。まだ寝ておれ」


 頭上からロロロの声。同時に、顔に当たるモチモチした触感に気付いた。


 ロロロに膝枕されてる。


 ショートパンツからスラッと伸びてる生太ももが、俺の顔面に密着してる。ロリコンにとってはまさにご褒美。


 けどひとつだけ残念なのは、顔が外に向いててロロロの方がちっとも見えないってこと。向きが逆ならショートパンツの布地が目の前にズドンと展開してるはずで、その状態でスーハー深呼吸すれば傷なんか一瞬で治ると思うんだけど。


「む、急に邪気が高まりしぞ。劣情(もよお)せしか」


 一瞬で心中を読まれた。俺としてもただでさえ不足してる血流を下腹部に集中させるのはよろしくないので、夜空に浮かんだ月の数を数えて意識を逸らす。


 1つ。一瞬で終わった。


「だから動くな。まだ首の傷ふさがらざりしゆえ、無理に動くとまた死にしぞ」


「またって何だよ」


 思わずツッコミが出たけど、自分の声とは思えないくらいガッサガサだ。


「自覚なきか。おまえはロロロが蘇生せしまで、しばらく心臓止まっておりしぞ」


「ホントに死んでたのかよ!?」


 そりゃ意識も飛ぶはずだ。ていうか死んだ人間を蘇生させるなんて、ロロロはやっぱりすごい悪魔なんだなあって改めて実感する。ここ最近は部屋で酒飲んでゴロゴロしてるだけだったからなおさらだ。


 そんな感慨にひたってたところで、ナンがこっちへすっ飛んできた。より正確な表現をするなら、吹っ飛ばされてきた。


「たはー。おめいらよわすぎー」


 首の角度の関係で俺からは見えないけど、戦況はあまりよろしくないらしい。ていうか、ロロロも俺に膝枕してる場合じゃねえだろ。

 さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「敵が嫁でも俺が悪い」は?

 長谷皮ですう。また駅前で騒ぎが起きてるじゃないですかあ。もういい加減にしてくださいよう、私だって始末書を書くために警官になったんじゃないんですからあ。

 次回、「痛恨一撃」。ぜってえ読んでくださいねえ。

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