#72「真相深夜」
「それじゃ、オープンキャンパス行ってくるよ」
冷凍のパスタとトーストとマカロニサラダっていう、医者に知られたら説教されそうな朝食を終えて、ソドミが出発するところ。
「帰りはどうする? もういっぺんこっち来るのか?」
「ううん、今日中に帰らなきゃいけないから、終わったらエロい本とか買ってそのまま帰る」
オープンキャンパスより、そっちがメインなんじゃねえのかこいつ。
「お兄ちゃんも、たまには家に顔出しなよ」
ソドミはそう言った後、俺にだけ聞こえるように耳元でささやく。
「あたし、まだ完全に諦めたワケじゃないからね」
「おい!?」
腹パンまでして拒否ったのに、どれだけ執念深いんだよ。おまえはアレか、1回倒したと思ったら変形して復活するタイプのラスボスか。
「じゃ、行ってきまーす」
ドアが閉まって、俺とロロロが玄関に戻される。今日は俺も休日。1週間分の洗濯物を片付けて、他にも買い出しとか掃除とかタスクはわんさか溜まってる。
「さて、ロロロは寝直せしぞ」
「ちょい待った」
まだ敷きっぱなしの布団に戻ろうとするロロロを制する。
「おまえ、あの時起きてたろ」
「……」
口をポカンと開いて、ロロロは本気で驚いてる様子。「あの時」がどの時か伝わった時点で、起きてたのはもはや隠しようがナッシング。
「ぬう、気付いておりしか」
「気配と、あのふざけた寝言でわかったよ。あんまり夫をナメんな」
違う意味で舐められるのは、むしろウェルカムだけど。
「だからてっきり途中で止めてくると思ったのに、そのままスルーだったからビックリした。俺が拒否らなかったらどうするつもりだったんだよ」
「ソドミが本気なのはロロロにもわかりしゆえ、1発だけなら許そう思いしぞ」
「発って言うな生々しい」
兄弟でそういう関係になるのは倫理的にどうとか、そういうのを悪魔に求めてもムダなんだろうなきっと。
「洗濯が終わったら、どこか遊びに行くか。どこ行きたい?」
「肉! 肉食いに行きたしぞ。それかエビマヨ軍艦!」
「……今、朝飯食ったばっかりだよな?」
ロロロにはいっぺん、本気で野菜を強要した方がいいのかもしれない。ガチで夢に出るくらい。
さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「幼女の世界」は?
メギドです! ソドミも前はあんな変態じゃなかったはずなんだけど、これも血筋なのかな。だとしたら俺らの両親も、相当ハイグレードな変態ってことになるよね。ひどい一家だ。
次回、「童女迷子」。ぜってえ読んでくれよな!




