#71「決断深夜」
俺とソドミとを隔ててた毛布がはがされて、直にくっついてくるソドミ。よりダイレクトに伝わる質感と体温に、ロリコンの俺もさすがに動揺する。
「ほら、ホントにイヤだったら必死に抵抗すればいいでしょ? お兄ちゃんの方が力だってあるんだし」
小中高に大学まで一貫して文化系だった俺に、空手で有段者のソドミより力があるとは思えない。けどここまで熱烈にアプローチされて、俺もこんな受け身のスタンスを続けるワケにはいかない。
俺は覚悟を決めた。
「それじゃ遠慮なく」
全力で腹をぶん殴る。
「げふっ」
女の子からなかなか聞けないレアなボイスを吐いて、くの字のフォームで悶絶するソドミ。ロロロを起こさないようにか、自分から毛布をかぶって声を殺した。
「何てことするのよお兄ちゃん!?」
ようやく落ち着いたのか、毛布から出てきたソドミは小声でそう言って詰め寄る。
「だって必死に抵抗しろって言うから」
俺だってこんな状況でもなけりゃ女の子に、まして実の妹にガチの腹パンなんかしない。
「……そんなにロロロちゃんのことが好きなの?」
「うん」
「うわあ即答しやがったよ、このロリコン」
「何とでも言え。俺はこういう人間だ」
本気で迫ってきたソドミに対して、俺も本気で答える。それが俺にできる最大限の誠意だし、最低限の礼儀だから。
「はあ、なんかもう萎えた。屁ぇこいて寝る」
ソドミはそう言い残すと、ロロロをまたいで布団に戻った。音は聞こえなかったから、本当に屁ぇこいたのかはわからない。
†
そして夜が明けた。
さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「ノラサル」は?
お茶ポエム博士である! 何かよくわからんが、急きょワシが予告をすることになった。この場では何を言ってもいいのか? では言おう、この町にはロリ巨乳が(以下略)
次回、「真相深夜」。ぜってえ読んでしまえ!




