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悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない  作者: 汐留ライス
Chapter 6『いつかねこ神様になる日まで』
53/143

#53「布教継続」

「うーむ」


 次に相談してみたナンは、セリエルみたいにぶちキレこそしなかったものの、リアクションはよろしくない。


「事情はだいたいわかったし、力にな、なれ、くしゅん。なれるならなりたいとは、くしゅん。思う、くしゅん。思うのだが、くしゅん」


 急にクシャミを連発しだしたナン。見れば両目も充血してる。


「実は私はネコアレ、くしゅん。アレルギーがあって、近くにいるとこの、くしゅん。ように、くしゅん。クシャミが止ま、くしゅん。止まらなく、くしゅん。なって、くしゅん」


「あー、もうわかったから。ゴメンね無理言って」


「くしゅん。くしゅん」


 ホントにクシャミが止まらなくなったナンを残して、この場からも早々に退散した。



 †



「アタイは反対だ。警察マッポなんか信用できねー」


「まあまあそんなこと言わないで。長谷皮さんだって一応知り合いなんだから」


 ぶーぶー文句を言うチェリーをなだめつつ、交番に行くと長谷皮はいない。座ってた巡査に聞くと、奥の部屋に通された。


「うわああん、全然終わらないですう」


 畳敷きの小部屋に正座して、長谷皮が泣きながら何か書いてる。


「あっ、賽河原さあん。助けてくださあい」


「何してるの」


「この前の駅前で発砲した件で、始末書を10万文字書かなきゃいけないんですう」


「10万文字って」


 そんなに長い文章が書けたら、どこぞの小説大賞に投稿だってできる。


「で、今はどれくらい書いたの」


「ええと、500文字くらいですう」


「……」


 小学生の読書感想文だってもうちょっと長く書くぜ。


「それじゃあ残りの9万9500文字をかるかが書いたら、きっと信徒になってくれるに違いないよ。さあレッツトライ」


「絶対無理じゃろ!」


 まあそうだろうな。それに、かるかが始末書を書いても長谷皮が反省したことにならないし。


「ホラ見ろ。やっぱり警察は信用できねー」


「いや、これは信用どうこうの問題でもないんじゃねえの」


「誰でもいいから助けてくださあい」


 泣き叫ぶ長谷皮の声が、立ち去る俺たちの背後で聞こえた。

 さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「ラノカキ」は?

 魔法上等恥無恥無チェリーだゴラァ! 長谷皮が始末書のせいで出てこれねーからってんで、アタイに順番が回ってきちまったぜ。なんでアタイが警察マッポのケツ拭かなきゃなんねーんだよ!

 次回、「猫神降臨」。ぜってえ読みやがれコノヤロー!

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