#52「布教計画」
泣かせるギリ手前までかるかをいじり倒した2日後の土曜日。俺たちは同じ公園に集合してた。たとえ嘘でも協力すると言った手前、かるかが信徒を増やすのを手伝うことになったって次第。それにしても、幼女をいじるって言うと響きがエロいな。
「ていうか、俺らが信徒になれば手っ取り早いんじゃないの?」
「クイーンオブ馬鹿かおまえは」
俺の提案は速攻でロロロに否定された。せめてキングにしてくれ。
「どこの世界に神を信じし悪魔おりけるか。ふざけたこと申すと陰部を金属バットでフルスイングせしぞ」
さすがにそんなワイルドさ溢れる去勢はイヤだなあ。
「じゃあ俺だけでも」
「メギドもダメに決まりしぞ。おまえはロロロだけ崇拝しておれ」
夫婦の心温まる会話に続いて、チェリーもきまり悪そうに頭をかく。
「あー、アタイもダメだわ。どっちかっつーとイヌ派だし」
「お主ら……」
かるかがうめきながら俺をにらむ。また気まずい空気になってきたから、強引に方向転換。
「よーし、それじゃあみんなで信徒探しの旅に出発だぜー」
俺が拳を突き上げると、いっこうにテンションの上がらないロロロが尋ねてきた。
「で、どうやって信徒増やすつもりぞ」
「とりあえず、近場の知り合いに声をかけてみようと思う」
†
「――てなワケで、信徒になってほしいんだけど」
「クイーンオブ馬鹿ですの貴方は!?」
区立図書館の近くで見つけたセリエルに頼んでみたところ、どっかで聞いたようなリアクションが返ってきた。
「なぜアタクシが主への信仰を捨てて、そのような小汚いネコなど信じなくてはいけませんの。ありえませんわ、そのような愚行!」
ダメモトで聞いてみたけど、案の定プンスカ怒りだすセリエル。まあ確かに、天使に改宗しろって言う方が無茶なんだけど。
「よいであろうぞ。どうせおまえごとき無能が改宗せしところで、神は痛くもむずがゆくもなきぞ」
「なんですってえ?」
ロロロの挑発にぶちキレたセリエルがチェーンソーを振りかざす。このままじゃ事態がややこしくなるのは必定だから、中指立てるロロロを引きずって無理やり退散した。
さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「セメテモ」は?
セリエルでしてよ! 今回アタクシの出番がこれだけなんて、納得いきませんわ! こうなったらアタクシが主役のスピンオフ、『伐採天使セリエルちゃん』を作りましょう! 作りなさい!
次回、「布教継続」。ぜってえお読みあそばせ!




