#50「水没神社」
「それじゃ、なんでその神力ってーのが落ちちまっンだよ」
チェリーがもっともな問いをすれば、かるかは「うむ」とうなずく。
「信徒が減ったのが何よりの理由じゃのう」
「しんと?」
「信者のことぞ。かるかたち神どもは信徒の信仰心から神力引き出ししゆえ、信徒減りせばその力はチェンジアップのごとく打者の手元でストーンと落ちしぞ」
「打者って」
ロロロの例えが特殊すぎるからうまく頭に入ってこないけど、要するにかるかが幼女化したのも信徒が減ったのが原因っぽい。
「吾は以前おった村では守り神をしておったので、村人のほぼ全員が吾を信じておったが、村がダムの底に沈んでのう。村人たちは各地へ散り散り、社も今は水底じゃ」
「なるほど……」
納得する俺の横で、チェリーも同じようにうなずく。
妙に空気がしんみりしたところで、ロロロが口を挟んだ。
「村、守れておらざりしな。守り神のくせして」
「!」
かるかの表情が一変する。思わずロロロに詰め寄った。
「おまえ、さすがにそれは言っちゃダメだろ!? 確かに俺も守り神の機能を果たしてねえなって思ったけど!」
「そーだぜロロロ、そこは役立たずだと思ってもガマンしなきゃいけねーよ!」
俺とチェリーでツープラトンツッコミをキメたところで、後ろから「お主ら……」と声。振り向けばかるかが、涙目でこっちをにらんでる。気まずいこと山のごとしだ。
「え、えーと。俺たちは決して悪気があって言ったワケじゃなくてだね」
「そうそう。悪気はなかったんだぜ、マジで」
「悪気がない方が、余計にタチが悪いのじゃ……」
全くもってその通りだから、返す言葉もない。
さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「ヨマヨイ」は?
かるかじゃ。吾にもっと神力があれば、ロロロなぞギッタギタのメッタメタにしてやるのじゃが。己の力不足が口惜しいのう。
次回、「生脚魅惑」。ぜってえ読むがよいであろ!




