#5「悪魔幼女」
「ロロロは今を遡りしこと数百年前、この国を混沌のズンドコ突き落とすため南蛮貿易の船で積み荷紛れて来たりぞ」
「ヒアリかよ」
とっさにツッコミが出たけど、ロロロはスルーしてずいずい続ける。強引だなあって思いつつ、そのドSっぷりにちょっとドキドキ。
「爾来、江戸目指して時には山野、時には街道突き進み、往く先の村々で悪行狼藉の限り尽くしたりぞ」
「具体的にはどんなことを?」
「村で使う井戸の水超すっぱくしたり、村人どもの間にリーゼント流行らせたり」
「そいつは悪いぜ!」
村人がみんなリーゼントの村なんて面白カッコよすぎる。そこで超すっぱい水なんか出された日には、村を訪れた旅人に生涯消えないトラウマがインプラントされるのは不可避。
「されど江戸まであとわずかに迫りしこの地で、村人同士大便投げつけ合う奇祭でっち上げようと画策しておったところを旅の行者に襲撃されて封じられしぞ」
「イヤすぎだろ、そんなイカレた祭り」
もしその行者とやらがロロロを封印しなかったら、今も伝統行事として残ってたかもしれないってことだ。ニュースなんかでキャスターに「今年も大便投げ祭りの時期になりました」とか言われて、俺はどんな感情でテレビを見りゃいいんだ。
「えっへん」
「褒めてねえよ」
速攻でツッコんだ俺をスルーして、ロロロは宙に浮かんだままドヤ顔で薄い胸を張る。よく言えばスレンダー、もっとよく言えば貧乳だ。いいよね貧乳、ステータスだし希少価値だし。貧乳牛乳とか売ってたら絶対買って毎日飲むのに。
さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「世界」は?
ロロロぞ。大便投げ祭りはいつか実現させたい思いしぞ。興味ある企業、自治体の者どもは筆者まで連絡よこすがよい。
次回、「即時求婚」。ぜってえ読んでくれよぞ!