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悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない  作者: 汐留ライス
Chapter 5『人造Midnight伝説』
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#46「特攻続行」

 駅前から逃げ出して、走ることしばし。辿り着いた公園でやっと一息ついた。


「ぜえ、はあ、ここまで、逃げれば、大丈夫、ぜえ、だろ」


 夜の公園は人けもなく、遊んでる幼女もいない。ヘロヘロになりながらベンチに座ると、先に着いてたチェリーが自販機のお茶をくれた。


「あ、どうも」


「4本で600円」


 ちゃっかりチェリーの分まで請求されたけど、中学生におごられるワケにもいかないからおとなしく1000円札を渡す。大人だから、お釣りをくれなくても気にしない。気にしないんだったら。


 冷たいお茶を飲んで息も整ってきたところで、ロロロに尋ねてみる。


「どうする、まだ続けるのか?」


「ぬう、何だかそういうテンションでなくなりしぞ」


「アタイもだ。あの警察マッポのせいで、すっかり気が抜けちまった」


 そりゃキレた警官に銃を乱射されたら、ケンカどころじゃなくなるだろう。ある意味、長谷皮の行動は正しかったのかもしれない。警官としては完全に間違ってるけど。


 ロロロとチェリーは互いに見つめ合い、どちらからともなく差し出された手をグッと握った。タイマン張った後に友情が芽生える説が、まさかこんなところで実証されるとは。


「一件落着のようですわね」


 お茶を飲みながらつぶやくセリエルに、ロロロは告げる。


「いや、まだぞ。おまえの尻にドリルで穴あける作業が残りしぞ」


「まだ覚えてたのかそれ……」


 元はと言えば今回の発端はロロロとセリエルのケンカなんだから、そこに戻ってくるのは必然なのかもしれない。


「という次第なれば、チェリーも手伝え」


「ダチの頼みとあっちゃあ、断るワケにはいかねえなあ」


「ええっ、何ですのこの構図は!?」


 いきなり1対2の状況になったセリエル(1がセリエル)、慌てて俺に助けを求める。


「そこの人間、今すぐアタクシに加勢なさい! この状況はあまりにもアンフェアでしてよ!」


「いや、俺がロロロの敵になるはずないじゃん。フェアである必要もないし」


「あんまりですわあああああ!?」


 俺にできるのなんて、せいぜい「ドリルはやめとけ」ってロロロに助言するくらいだ。

 さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「ガマキモ」は?

 長谷皮ですう。ついカッとなってあんなことしちゃいましたけど、別に悪気はなかったんですよう。上司の人たちも怒らないでほしいですよねえ。

 次回、「猫耳強化」。ぜってえ読んでくださいねえ。

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