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悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない  作者: 汐留ライス
Chapter 4『揚々町印度化計画』
34/143

#34「炎上寸前」

 ショッピングモールに立ち並ぶテナントの数々をことごとく台無しにして、ロロロに激しい攻撃を加えるセリエルとナン。ていうか、これだけ派手にぶっ壊しても周りの買い物客は全然気付かないって、この結界とやらはどういう設定になってやがるんだ。セリエルのことだから、そこまでちゃんと考えてないのかもしれないけど。


「くそっ、人間と思いて油断せしか」


 周りに散らかった靴を蹴散らして、ロロロがうめく。俺も加勢したいのは山々だけど、正面から特攻かまして太刀打ちできる相手じゃない。どこかに反撃のチャンス、ナンが隙を見せる瞬間はないものか。


「とどめだ」


 ナンがカレーをさらに一口。何をするのかって思った刹那、彼女の口からロロロに向かって火柱がゴー。


「させじぞ!」


 ロロロが叫ぶと同時に両手を前にかざす。禍々しい魔法陣が空間に浮かび上がって、障壁となって火柱を防ぐ。たっぷり10秒近く攻防が続いて、火が消えた頃には障壁もモロモロになって空間に消える。


「こ、こんだけ人間どもいる場で火を使いしとか、何考えしか!? 靴に燃え移りせば火事なりてもおかしくなかりしぞ!」


 驚きのあまりか、めちゃめちゃまっとうなことをロロロが叫ぶ。普段の言動は破壊的だけど、こういうとこで妙にマジメだよなあ。なんてギャップに萌えてる場合じゃない。


「構わん。私は黄魔術の最強さえ証明できればそれでいい」


「ナンさんのおっしゃる通りでしてよオーホホホホ!」


 ナンはともかく、セリエルはいいのかそれで。


「君の防御方法は把握した。かなりの魔力を消費するようだが、どこまで耐えられるかな」


「くっ」


 ナンの指摘する通り、ロロロはさっきまでと較べて見るからに消耗してる様子。持久戦に持ちこまれたら明らかにこっちの分が悪い。このピンチをどうやって乗り切るんだロロロ、そして俺!

 さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「クライヨ」は?

 頑河ナンだ。カレーは赤唐辛子を使うので、炎系の魔法と相性がいい。逆に口から氷や雷を出せるようにするのが、今後の課題と言えよう。

 次回、「激辛飲料」。ぜってえ読めばいいと思う。

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