#31「普及計画」
「百歩というか20万歩ぐらい譲って、そのマジカルカレーパワーで異常な動きができるってとこまでは受け入れよう。けど、それが悪魔祓いとどう関係してるってんだよ」
俺だってそんなに詳しくはないけど、世間一般のイメージする悪魔祓いって聖水とか聖書とか使うヤツで、こういうのじゃないって思うんだけど。
「そうぞ、この怪奇稚児好き男の申す通りぞ。ロロロもこれまで色々な悪魔祓いと戦えど、黄魔術など聞いたことなかりしぞ」
俺の問いに続いて、すぐにロロロも同調してきた。ていうか勝手に、特撮ヒーローものに出てくる怪人みたいな名前を俺につけるんじゃねえ。
その一方で問われたナンは、これまで通りクールに答えるんだと思ってたら、なぜか急激にうろたえだした。
「いや、その、それは私もうまく説明するのは難しいのだが」
「ホワイ?」
そんなに難しいことを聞いたつもりはないんだけど、何か答えにくい事情でもあるんだろうか。それとも俺が意識してないだけで、何かハラスメント的なことを言っちゃったりしただろうか。
「えーと、何かよくわかんないけどゴメン」
「いや、特に謝ってもらう心当たりはない」
俺だって謝る心当たりなんかないけど、とにかくうまく説明できないのは俺のせいじゃないらしい。とりあえずはめでたしめでたしのハピーなエンドだ。って終わらすなよ。
「関係と言っていいのかはわからないが、私が悪魔祓いをしているのは、この黄魔術を広く世間に知らしめるためだ。正直、手段は別に悪魔祓いでなくても何でもいい」
「ええっ、そうでしたの!?」
後ろで話を聞いてたセリエルが、クールな調子を取り戻したナンの答えにビックリ仰天。彼女からしたら信仰的な理由を期待してたんだろうけど、世の中そんなに信心深い人ばっかりじゃないよ。
さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「ジョイクガ」は?
メギドです! いくら何でも怪奇稚児好き男はヒドいよねえ。ロリコンだけどちゃんと税金は払ってるし、犯罪にならない範囲で節度を持って暮らしてるんだから。
次回、「侵略悪魔」。ぜってえ読んでくれよな!




