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悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない  作者: 汐留ライス
Chapter 4『揚々町印度化計画』
30/143

#30「香辛魔法」

「黄魔術ぅ? おまえ何を言いしか」


 セリエルの言葉を受けて、ロロロがナンに対してよりもさらに不審げな声をあげる。


「あまり適当なこと言いしかば、静脈にポン酢を注射せしぞ」


「無意味にイヤな刑罰ですわ!?」


 セリエルは激しく動揺するけど、ナンはロロロの脅しに屈した様子もなく堂々と主張する。


「適当などではない。私の使う黄魔術は、インドに古来より伝わるれっきとした魔法体系のひとつだ」


「インド?」


 またずいぶん突飛なトレンドワードが出てきたもんだ。


「このタンブラーには、カレーが入っている」


 わざわざフタを外して中まで見せてくれる。言われてみれば確かに中は黄色っぽいし、何やらスパイシーなカレー臭がしなくもない。


「諸君も知っている通り、カレーというものは複数のスパイスを調合して作られる。そしてそれぞれのスパイスには、発汗や殺菌といった個別の効能がある」


「うん」


 それは俺も知ってるし、ちょいと体調のよろしくない時なんかにカレーを食べて景気付けなんかしたりもする。けどそのカレーが、魔法とどう関係してるって言うんだ。


「つまり黄魔術とは、スパイスの調合によって人間の身体能力を大幅に向上させるカレーの力なのである」


「いやいやいや、スパイスだけであんな人間離れしまくった動きができてたまるかよ。ていうかそもそも、それって魔法なのか?」


「『十分に発達したカレーは魔法と区別がつかない』と言うだろう」


「言わねえよ!」


 なんかもう、頭が痛くなってきた。頭痛に効くスパイスって何かねえのか。

 さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「アレモテ」は?

 長谷皮ですう。カレーはおいしいですよねえ。私は甘口のカレーを、牛乳を飲みながら食べるのが好きですよお。

 次回、「普及計画」。ぜってえ読んでくださいねえ。

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