#22「身分証明」
ちっちゃい女の子の出入りについて、玄関で問答する長谷皮と俺。そこに加わってきた当事者であるロロロ。毎日普通に生活してるスペースが、こんな簡単に修羅場へチェンジしちゃう現実に俺は驚きを隠せないよ。この気持ちを短く要約するならギャフンだ。
「ギャフン」
「どうせしかいきなり。錯乱か」
俺の驚きはロロロに伝わってないみたいでちょっとガッカリ。そんなロロロに、長谷皮は中腰になって目線の高さを合わせてから話しかける。
「お嬢ちゃん、お名前言えるう? 体操服だから、この辺の子かなあ?」
慣れてるのか、ロロロと話す様子はなかなかサマになってる。警官にも色々種類があるけど、彼女の場合は少年課とかそっち方面が向いてるかもしれない。
だけどロロロはそんなセオリー通りのコミュニケーションをサクッと無視して、2アウトランナー無しからバントしてくるみたいに無謀な返答を長谷皮に叩きこんだ。
「おいおまえ、齢はいくつぞ」
「ヨワイ? ああ、年齢ですかあ。23ですよお」
「年長者に向かいて失礼なヤツぞ。尻をバーナーで炙りてやろうか」
「カツオのたたき作るんじゃねえんだから」
ツッコミを入れつつ、俺も会話に割って入る。そりゃ実年齢はロロロの方が上だけど、見た目が幼女でも悪魔だから18歳以上なんてロジックは、エロゲーやマンガの世界ならともかく世間一般にまで通用するもんじゃない。あんまりおかしな言動をするようなら、無理やりにでも終了させる必要がある。
「年長者?」
「ほれ」
案の定キョトンとする長谷皮に、ロロロはショートパンツのポケットから何かを取り出して見せる。それは。
「運転免許証……?」
さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「アマデコ」は?
ロロロぞ。ロロロはこの国で封印されし前にもヨーロッパで暴れておりしゆえ、実年齢だと600歳くらいかのう。昔の話もそのうち、気が向いたらしてやりしぞ。
次回、「年齢詐称」。ぜってえ読んでくれよぞ!




