#127「逆上天使」
「おまえ、セリエルじゃないか。もう下校時間過ぎてるぞ」
「そんな茶番はもう十分でしてよ」
俺の言葉をサクッと遮って、セリエルはチェーンソーを構える。スイッチは入ってないけど、足下に落としでもしたら危ないから早く下ろしてほしい。
「ふむ、どうやらあいつは記憶が戻ってるようだな」
「おそらくおっしゃる通りですドクター」
「そうですわ。アタクシは設定を戻していただきましたの、こちらの方にね!」
セリエルの前フリに続いて、理科準備室から出てきたのは。
「……ムシャ子」
「またテメエかよ」
さっきファミレスで退散したばかりのムシャ子が、早くも俺たちの前に戻ってきてる。
「あなたたちはここに来るだろうと思って、先に待ち構えてました」
「つまり、ロロロがここにいるってのは本当なんだな」
「まあ、ぶっちゃけてしまうとそうです」
ムシャ子もあっさりと認めた。
「ふふん、どうせ貴方どもには見つけられるはずありませんわ。だって貴方どもはここで死ぬのですから!」
セリエルはそう言うと、チェーンソーのヒモを引っぱって起動させる。言動の端々からにじみ出る小物感が半端ない。
「部下がいると、自分で手を下さなくて済むからいいですね。さあセリエル、ここなら他に人もいないから遠慮は無用です。そこの雑魚どもをぶっ殺してやりなさい」
「もちろんでしてよ! さあ貴方ども、今すぐこの場で肉片と化して――」
ちゅどーん。
プリンちゃんの放ったミサイルが直撃して、あっという間にバタンのキューするセリエル。チェーンソーも速攻で壊れた。
「おい、やりすぎじゃないのか」
「セリエルさんはもうあなたのクラスの女子児童ではなくて、元の設定に戻った天使です。これぐらいでは死にません」
「だとしてもさあ」
自分のクラスの児童じゃなくても、小さい女の子に手荒なことをするのはいかがなものか。
「幼女の幸せを願わないヤツに、ロリコンを名乗る資格は――え!?」
俺は今、とんでもないことを口走ろうとしてなかったか?
「徐々にだが、記憶が戻りかけておるようだな」
「おっしゃる通りですドクター」
いったい何が起ころうとしてるんだ。俺の中で、そしてこの世界で。
さーて、次回の「悪魔幼女が俺の嫁なら世界が敵でも怖くない」、略して「サハラ砂漠に砂を撒け」は?
ドンペリ父さんです。ドンペリドンペリ。皆さんは脱税していますか。ドンペリは甘美で妖しい犯罪の味。お役人への賄賂やうがいなどにいかがでしょう。
次回、「邪悪計略」。ぜってえ読むでドンペリ。




