#119「記憶回収」
その日の放課後。
俺は教室にお茶ポエム博子を残して、少し話すことにした。
「どうかな、クラスのみんなとは仲良くできそうかな」
「……」
博子は憮然とした顔で俺の方を見てくる。
朝の会でやらかした、ぶっ飛んだ自己紹介の後は特におかしな行動もなく、淡々と授業は進んでた。クラスの児童たちとも話してたようだし、特に問題はなさそうに見えた。
「それで、あの自己紹介はどんな意味が……」
1つだけ、どうしても気になるのがこれだ。だって普通、女子小学生の口からロリ巨乳なんて単語出てこねえぜ。
「参ったな、誰も覚えておらんのか」
「お茶ポエム?」
博子は俺の問いかけには答えず、椅子を踏み台にして机に飛び乗る。
「せめて上ばきは脱げよ。でも靴下だと滑るから気をつけて――」
「そういう問題ではない」
机から机へと移動しながら、俺の方へと近づく博子。机に乗るとちょうど、俺の身長と同じくらいの高さになる。
「運営が設定を大幅にいじってくるのは想定しておったが、まさかここまで徹底するとはな。ムシャ子の隙をついて逃げ出したというのに、これでは何もできん」
「お茶ポエム、おまえ何を言って――」
意味のわからないことをブツブツつぶやきだした博子を見て、リアクションに困る俺。電波系か何かだろうか。
(電波?)
その単語が俺のどこかにヒットしたのか、左手の薬指がうずく。何かわからないけど、すごく大切なもの。それにたどり着くためのカギが、そこにあるような気がする。
「ああいう自己紹介をすれば、姿は変わってもワシだと気付いてくれると思っておったが、誰も覚えておらんようだ。それは今日1日、連中と話してよくわかった」
「だから何を言ってるんだ。意味がわからないぞ」
本気で困る俺に、博子はやはり本気で呆れた様子。
「一番情けないのはおまえだ。よりによって、ロロロを忘れるとは何事だ」
「ロロロ」
そんな名前の児童はうちのクラスにいないし、他のクラスにもいなかったと思う。なのになぜだろう、その名前を聞いたとたん、薬指の痛みが強くなった。
俺の反応に手応えでも感じたのか、博子はさらに詰め寄ってくる。
「思い出せ、賽河原メギド。おまえはロリコンなんだ」
さーて、次回の「逃げるは恥だが幼女の役に立つ」、略して「幼女に立つ」は?
川本ッス! 先輩がここ何日か会社に来てないッス。上司が連絡してもつながらないらしくって、こっちは仕事が増えて大迷惑ッス。先輩ロリコンッスから、捕まってないといいんスけどねえ。
次回、「変態覚醒」。ぜってえ読んでくれッス!




