#115「崩壊危機」
運営と名乗った女の子は、学年で言うとあぷりと同じくらいだろうか。その辺のスーパーで売ってそうな普通の子供服姿で、ランドセルでも背負わせたらごく普通の小学生にしか見えない。
「うちは、ここを含む多層世界を包括的に管理しよるんよ。システムのメンテナンスやトラブルの解決、世界を活性化させるための企画立案と実行などなど、色々やりよるけん」
運営は淡々と語る。セリフに出てくるいちいち小難しい単語の数々と、見た目とのギャップが半端ない。
「言ってることはよくわかんねーけどよ、要するに神様みたいなもんか」
チェリーが尋ねると、天使のセリエルが黙ってない。
「はあ? 何をふざけたことをおっしゃいますの、このヤンキーは? 主とは偉大な存在であって、あんなちんちくりんのお子様なはずが――」
「おまえはうるさいんよ」
運営が軽く指先を上げると、触れてもないのにセリエルは真上に吹っ飛んで、頭から元気よく天井に激突した。まるでダンジョンの中で移動呪文を使った時みたいだ。
「神様ほど偉くはないんやけど、一応これくらいはできよるけん」
「……」
運営がただの幼女じゃないのを目の当たりにして、俺も含めてみんな言葉を失う。セリエルはこの中じゃ1番の雑魚だしワンパンやられ要員とはいえ、ボディタッチもなしで吹っ飛ばすなんて尋常じゃない。
「で、その……何て呼んだらいいかな」
「運営ちゃんって呼んでほしいんよ」
破壊力と呼び名のギャップがこれまた半端ない。これがアレか、ギャップ萌えってヤツなのか。
「それで運営ちゃん、俺を殺せば世界の悪化が食い止められるっていうのは……」
「言葉通りの意味なんよ」
サクッとうなずく運営ちゃん。
「賽河原メギドとロロロ。このふたりのいびつな欲望が周りの多層世界を巻きこんで、今もなお巻きこみ続けよるんよ」
「そりゃどうも」
「褒めよらんけん」
そこは褒めてくれてもいいのに。
「マジメな話、ふたりのせいで世界はえらいことになりよるんよ。つながった世界を矛盾しよらんように整合性をとるのも大変やし、サーバの負荷も増える一方やけん、このままやと世界が危ういんよ」
俺たちだってわざとやってるワケじゃないし、そう言われても困っちゃうよなあ。
さーて、次回の「昨日のカレーがおいしいなら最初から1日寝かせればいいじゃない」、略して「カレー」は?
セリエルでしてよ! この前クソ作者って言ったら、予告の順番飛ばされましたわ! やり方が卑怯でしてよ! あとあの川本って誰ですの?
次回、「世界再編」。ぜってえお読みあそばせ!




